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シマンテック、統合ソリューション「Data Center Foundation」の技術説明会を開催


朝倉英夫マネージャ
 株式会社シマンテックは8月2日、データセンター管理における統合ソリューション「Symantec Data Center Foundation」に関する技術説明会をプレス向けに開催した。同ソリューションは7月3日に発表された新製品で、ヘテロジニアス環境下のアプリケーション、データベース、サーバー、およびストレージを一貫したソフトウェア・インフラによって標準化できる統合ソリューションとなっている。

 プロダクト・マーケティング部の朝倉英夫リージョナル・プロダクト・マーケティング・マネージャは、「Symantec Data Center Foundationには、データセンターを統合管理するための先進技術が数多く採用されている。7月3日の発表時には紹介しきれなかった部分もあるため、改めて製品の機能や技術について詳しく説明する場を設けた」と、今回の技術説明会の趣旨を説明した。


Symantec Data Center Foundationの構成図
 Symantec Data Center Foundationは、「Veritas NetBackup」、「Veritas Storage Foundation」、「Veritas Server Foundation」、および「Symantec i3」を統合したソリューションで、これらの製品ファミリに共通の統合プラットフォームを活用し、データセンターをより管理しやすくするためにさまざまな機能が採用されている。

 朝倉マネージャは、「データセンターを管理するために欠かせない要素としては、データ保護、ストレージ管理、サーバー管理、アプリケーションパフォーマンスの4つがあるが、それぞれの要素で数多くの製品やソリューションが発売されており、これらを組み合わせたソリューションの選択肢は100以上にのぼる。そのため、データセンターの管理・運営は非常に難しいものとなり、コストもかさんでしまうのが現状。こうした課題を解決するためにSymantec Data Center Foundationを開発した」という。


Storage Foundationの特徴
 技術説明会では、まず中核となる製品としてストレージ管理製品「Storage Foundation」とサーバー管理製品「Server Foundation」の機能や特徴について詳しく紹介された。

 「Storage Foundation」は、Storage Foundation5.0、Storage Foundation Management Server(SFMS)、Veritas CommandCentral Storageなどで構成されるストレージ管理ソリューション。ストレージのアベイラビリティを確保する「Dynamic Storage Tiering(DST)」、「Dynamic Multipathing(DMP)」といった技術を採用しているほか、「すべてのUNIXとLinux環境に同時対応できたことが大きなポイント」としている。

 ホスト管理の機能としては、集中管理、マルチホストのサポート、作業の自動化を実現。ストレージ管理では、キャパシティ管理、アプリケーションから物理ディスクまでを可視化、ストレージリソース管理などの機能を備えている。


Server Foundationの特徴
 「Server Foundation」は、Veritas Cluster Server、Veritas Configuration Manager、Veritas Provisioning Managerから構成されるデータセンター管理ソリューション。これにより、データセンター内の全サーバー上で何が実行されているかを詳細に把握し、これらのサーバーを能動的に管理することが可能となる。

 特に中心製品となるCluster Serverでは、ハイアベイラビリティ環境を実現する機能を提供するとともに、レプリケーション製品と組み合わせることでディザスタリカバリにも対応。災害復旧のフェイルオーバーテストを容易に実施できることも特徴となっている。


荒木正信マネージャ
 両製品の説明後は、システムエンジニアリング本部の荒木正信アドバンスドソリューションセンターマネージャが、これら製品で使われている個々の技術について詳しく説明を行った。

 荒木マネージャがピックアップしたのは、Storage Foundationに含まれる「Dynamic Storage Tiering(DST)」、「Portable Data Container(PDC)」、「Dynamic Multipathing(DMP)」、「Storage Foundation Management Server(SFMS)」とCluster Serverに含まれる「Cluster Management Console(CMC)」の5つの技術。

 「DST」は、アプリケーションに対応した適切なストレージ ハードウェア ティアを選択し、情報の価値や優先度が時間の経過とともに変化するのに合わせて、情報をオンラインストレージ上の別のティアに移動させる機能。「アプリケーションやユーザーにまったく意識させずにデータ移行できるのがポイント」(荒木マネージャ)という。

 「PDC」は、異機種環境でのデータ移行を実現する技術。テープやネットワークリソースを介在しない移行が可能で、データの移行を日単位ではなく秒単位で行うこともできる。Solaris、AIX、HP-UX、Linuxなど異なるチップセットでも移行可能となっている。

 「DMP」は、I/O性能、デバイスディスカバリー、およびSAN全体にわたるパスのフェイルオーバーを向上させる先進的なパス技術で、サーバーとストレージ間の冗長性を高めることができるのが特徴。これにより、ストレージ環境の視認性向上とリスク削減を実現する。


Dynamic Storage Tiering Portable Data Container Dynamic Multipathing

 「SFMS」は、UNIX、LinuxおよびWindowsにおいて集中化されたマルチホスト管理機能を実現する新技術。複数のStorage Foundationを管理できるWebベースGUIとして提供され、管理サーバーはSolaris、Red Hat Linux、クライアントはSolaris、AIX、HP-UX、Red Hat Linux、SUSE Linuxのマルチプラットフォームに対応する。

 「CMC」は、1つのWebベースGUIから複数のクラスタを集中管理することができる機能。「複数のオペレーティングシステムをカバーし、メジャーなアプリケーションを集中管理できるのが特徴。特に、レポーティング機能では、それぞれのクラスタがどのくらいの期間、止まらずに動いていたかを把握でき、効率的な管理オペレーションを実現する」(荒木マネージャ)としている。管理サーバーは、Solaris、Windowsをサポートする。


Storage Foundation Management Server Cluster Management Console

 なお、「SFMS」と「CMC」については説明会の中で、実際にWebベースGUIを使ったデモンストレーションも行われ、画面を追って各種機能が紹介された。



URL
  シマンテック株式会社
  http://www.symantec.com/region/jp/

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  ・ シマンテック、データセンター向け統合製品「Data Center Foundation」(2006/07/03)


( 唐沢 正和 )
2006/08/02 17:05

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