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アドビ、使い勝手の向上とフォーム機能を強化した「Acrobat 8」


Adobe Acrobat 8 Professional

Adobe Acrobat 8 Professional(画面はベータ版)

新たに用意された操作ガイド(画面はベータ版)
 アドビシステムズ株式会社は9月19日、PDF文書作成ソフトウェアの最新版「Adobe Acrobat 8 日本語版」を発表した。発売は11月下旬の予定。また、PDF閲覧ソフト「Adobe Reader 8」の無償ダウンロード提供も12月より開始する予定。

 最新版では、操作性の向上とコラボレーション機能を強化。操作性では、起動直後に「操作ガイド」を用意することで、主な機能を一目で確認できるようになった。「従来はPDF文書を開かない限り、メニューだけの画面が表示されるだけでした。また、メニューのどこに行いたい機能があるのかもわかりにくいものでした。今回用意した操作ガイドは起動直後に表示されますので、すぐに使うことができます」(米Adobeナレッジワーカービジネスユニット シニアプロダクトマーケティングマネージャーの山本晶子氏)と、やりたい操作をすぐに行えるように改善されたと説明する。

 コラボレーション機能では、ファイルの結合機能やPDFのパッケージ化、Adobe Readerからも参加可能な共有レビュー、PDFフォーム機能などが強化された。

 パッケージ化は、複数のPDF文書をひとつにまとめる機能。結合機能は単一のPDFファイルとして結合するが、パッケージ化の場合はそれぞれのPDFファイルを独立して保管することが可能。「1つのプロジェクトで複数のPDFファイルが作成されることがよくありますが、こうした複数のPDFファイルを1つに束ねるのがパッケージ機能です。パッケージに含まれているPDFファイルは自由に追加・削除ができるので、常に最新版の文書セットを用意できます。また、LiveCycleと連携して使うこともできますので、ポリシーの設定も可能です」(山本氏)と説明する。

 共有レビューは、コメントを共有フォルダに保存する機能を用意。共有フォルダは、ファイルサーバーやWebサーバー、SharePointのワークスペースなどが利用でき、レビュー結果は自動的に指定した共有フォルダに保存される。これを利用することで、レビュー担当者は共有フォルダのコメントを確認することで、作業を迅速化できるとしている。

 PDFフォームの作成機能では、WordやExcelの文書中にあるフォーム化できるフィールドを自動検出する機能を用意。これを利用することで、フォームフィールドを自動的に追加することができる。また、フォーム配布機能を利用することで、PDFに入力されたデータをCSVファイルで出力することが可能。アンケートなどデータの収集が容易に行えるようになっている。

 そのほか、PDFファイルからWordファイルに再変換する機能において、レイアウトの再現性を向上させたり、墨消し機能により、隠したい部分を黒塗りしてみられないようにすることもできる。墨消し機能は表示だけでなく、消した部分に含まれる文字情報も消去できる。


 「Acrobat 7でPDFの起動速度などは改善しましたが、操作性についての不満がまだ残っていました。今回のバージョンでは、この操作性部分を大幅に改善しているので、事務職などノンテクニカルな人でも、さまざまな機能を使いこなせるようになっています。PDFフォームに入力されたデータの収集機能の向上などは、いろいろ使い道があるでしょう」と、開発者ではなくユーザーレベルでPDFの機能が使えるようになった点をAcrobat 8の特長とした。

 価格は「Adobe Acrobat 8 Professional」が5万7540円、「Adobe Acrobat 8 Standard」が3万6540円。なお、StandardはWindows版のみ提供される。



URL
  アドビシステムズ株式会社
  http://www.adobe.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.adobe.com/jp/aboutadobe/pressroom/pressreleases/200609/20060919acrobat8.html


( 福浦 一広 )
2006/09/19 11:45

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