Enterprise Watch
最新ニュース

ヴイエムウェア、インフラ仮想化ソフトの日本語版-64ビットOSをフルサポート


三木泰雄社長

VMware Infrastructure 3 日本語版の画面
 ヴイエムウェア株式会社は10月24日、次世代インフラストラクチャ仮想化ソフトウェアスイート「VMware Infrastructure 3」の日本語版を10月30日から販売開始すると発表した。あわせて仮想化マシン変換ツールの次世代版「VMware Converter 3 ベータ版」の無償ダウンロード提供を開始したことを発表した。

 VMware Infrastructure 3は、仮想化プラットフォーム「VMware ESX Server 3.0.1」とITインフラの一元管理ツール「VMware VirtualCenter 2.0.1」を中心に構成されるデータセンター向けの仮想化ソフトウェアスイートで、今年6月に英語版を国内向けに発売している。VMware VMotionテクノロジをベースに、「VMware VMFS(次世代型分散型ファイルシステム)」、「Distributed Resource Scheduler(DRS:分散型リソーススケジューラ)」、「VMware High Availability(VMware HA)」、「VMware Consolidated Backup(VCB)」などの新機能を備えている。

 今回発表したのは、この英語版「VMware Infrastructure 3」を完全日本語対応した最新アップデートバージョン。日本語版の投入にあたり三木泰雄社長は、「VMware社では、2006年12月期で7億5000万ドルの全社売上を見込んでおり、来年度は10億ドル超を目指している。これに向け、全社的に米国、ヨーロッパだけでなくグローバルでの体制強化を図っているが、その中での日本語化対応は、アジアでもとくに日本市場を重要なマーケットと認識していることを示すもの。実際に国内におけるVMwareサーバー製品のユーザー数は倍々の伸びで成長しており、これまでのテスト・開発環境での使用から本番環境へ移行する企業も増加している。日本語版の投入により、サーバーベンダーとともに国内での拡販展開をさらに強化し、ディストリビュータも現在の約40社から倍増を目指す」と意欲を述べた。


 また、日本語版では、英語版で試験的にサポートしていたWindows、Red Hat Linux、SUSE Linux、Sun Solarisの64ビットOSをフルサポート。これによって、次世代64ビットアプリケーションの仮想化を実現する。システムズエンジニアリングマネージャーの平谷靖志氏は「現在、オラクルやSAP、マイクロソフトなど、大手ソフトウェアベンダーが64ビットOSで稼働する次世代アプリケーションの開発を強力に推進しているが、64ビット環境に本格移行するためには数年はかかるとみている。しかし、仮想化することによって32ビットと64ビットの混在環境への対応が可能となり、ユーザーに柔軟な移行オプションを提供することができる」としている。

 さらに、VMware VMotionの技術を使用し、仮想マシンを停止することなく、旧バージョンのVMware ESX Server 2.xホストおよびストレージからVMware ESX Server 3.0.1へのアップグレードを実現。ユーザーインターフェイスからのシングルオペレーションで移行できるため、移行プロセスの大幅な簡素化と移行中の仮想マシンのダウンタイム削減を図ることができる。

 このほか、ハードウェアサポートの拡充も行っており、サーバーシステムでは新たにIntel Xeon 5100、AMD Rev Fプロセッサ、nVidia/serverworks HT2100チップセットに対応。ストレージシステムでは、iSCSIアレイをサポートし、より広範での最新ハードウェアシステムの仮想化インフラストラクチャが展開可能となった。

 市場予想価格は、VMware Infrastructureスターターが2プロセッサあたり16万円、VMware Infrastructureが2プロセッサあたり60万円、VMware Infrastructureエンタープライズが2プロセッサあたり92万円。すでに英語版を購入しているユーザーに対しては、日本語版へのアップグレードに無償で対応する。


VMware Converter 3の価格とライセンス形態
 VMware Infrastructure 3日本語版とあわせて発表されたVMware Converter 3 ベータ版は、物理マシンから仮想マシン、また仮想マシンから仮想マシンへの変換を高速かつ確実に実現する変換ツールの次世代版。

 高水準の拡張性、信頼性、ユーザビリティを実現するため、設計から一新しており、既存の同社製品「VMware P2V Assistant」と「VMware Virtual Machine Impoter」を統合することで、物理マシンと仮想マシンをVMware仮想マシンに変換するプロセスの簡素化を図っている。主な新機能は、シンプルで使いやすいユーザーインターフェイス、リモートクローニング、ダウンタイムを発生させることなく変換可能、クローニング速度向上、複数の変換を同時に行えるタスクの集中管理など。

 現在、ベータ版の無償ダウンロードを行っており、今後6カ月以内に製品版の提供を開始する予定。ライセンス形態としては、一般向けに無償で提供するスタータエディションと、Virtual Center Management Serverとともにライセンス提供するエンタープライズエディションを用意する。

 VMware Converter 3を提供する背景について平谷氏は、「VMware製品は全世界で2万社を超える企業で採用されているが、その75%以上が仮想インフラストラクチャを導入しており、88%が本番環境で使用している。また、エンタープライズ全体の標準化を目指すユーザーも増えており、今後仮想化インフラストラクチャに移行するニーズはさらに高まるだろう」としている。



URL
  ヴイエムウェア株式会社
  http://www.vmware.com/jp/
  プレスリリース(PDF)
  http://www.vmware.com/ja/news/pdf/20061024.pdf

関連記事
  ・ 大規模データセンターにも対応可能な仮想化ソフト「VMware Infrastructure 3」(2006/06/12)


( 唐沢 正和 )
2006/10/24 18:04

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.