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AjaxベースのWebメール/スケジュールソフト「Scalix」、ついに国内でも発売へ


メール機能(Scalix Web Access)の画面イメージ

スケジュール機能の画面イメージ

日本スケーリックスの社長には、サードウェアの社長である久保元治氏が就任した
 米Scalix Corporationと株式会社サードウェアは10月27日、共同で「日本スケーリックス株式会社」を設立すると発表した。同社では、Webメール/スケジューラソフト「Scalix」の国内総販売元として、日本語版を2007年2月から販売する予定。また代理店のサポート、日本語版の開発などにも尽力する。

 Scalixは、Webベースのコラボレーションソフト。特徴は、Ajax技術を用いることで、Webベースでありながら、あたかもWindowsアプリケーションであるかのような操作性を実現した点。日本スケーリックスの代表取締役社長、久保元治氏が「通常のWebメールとは異なり、一般的なメールソフトと同等の画面構成、操作性を実現した。直感的な操作が可能だ」と述べるように、ドラッグ&ドロップによるメールのフォルダ移動、スケジュールの時間帯変更などを可能にしている。

 このメリットはなんといっても、「いろんなメールクライアントを使ってきたユーザーがほとんど教育なしに移行できる」(久保氏)こと。クライアントはWebベースのScalix Web Accessが用意されるほか、Outlook、Novell Evolutionに対してもアドオンを提供しており、サーバーがExchangeからScalixに変わっても、ユーザーは問題なく使い続けることができるという。実際、既存顧客においては半分がExchange Serverからの乗り換えといい、国内でもこの分野に力を入れていきたい考えだ。

 またOutlook ExpressやBecky!などの既存メールソフトも利用可能で、久保氏は、「社員に対する教育が必要である、ということがアプリケーション導入・切り替えの負担になるが、Scalixでは問題にならない」とメリットを強調した。

 ライセンス形態は3つ。基本的な「エンタープライズエディション」は25ユーザー以上から1ユーザー単位で追加でき、クラスタ構成もサポートする。価格は41万7375円(25ユーザー)から。また「スモールビジネスエディション」は、サーバー1台構成のみをサポートする代わりに、コストを抑えた中小企業向けの製品。50ユーザーから25ユーザー単位で拡張できる。価格は17万2200円(50ユーザー)から。3つ目の「コミュニティエディション」は、無期限、無償で利用できる製品。こちらも1台構成のみがサポートされ、25ユーザーライセンスが付属する。

 なおScalixのユーザータイプは2つあり、課金の対象となるのは、全機能が利用できる「プレミアムユーザ」。メール機能と個人的なスケジュール機能のみを利用できる「スタンダードユーザ」は、コミュニティエディションを含む全エディションともユーザー数の制限はなく、無制限に利用できる。久保氏は、「この2つのユーザー形態を使い分けていただけば、大学などで、職員に全機能を利用させる一方、在校生や卒業生にはメールアドレスを配ってメール機能だけを提供する、といった使い方も、追加のライセンス費用なく可能になる」とした。


Scalix Corporationの国際セールス担当副社長、ハンス・ブロウワー氏
 顧客は、2005年の販売開始以来、すでに450社ほどを獲得。コミュニティエディションを含めると、1万メールサーバー、100万ユーザーに利用されているという。Scalix Corporationの国際セールス担当副社長、ハンス・ブロウワー氏は「販売開始後1年は100社程度だったが、この1年で導入が拡大した。使ってもらえば良さがわかる製品で、来年には1000社を超えているだろう」と述べ、ビジネスの拡大に自信を示す。

 国内でも、販売店の開拓を行うとともに、システム提案から構築・サポートまでを行えるSIerとソリューションパートナーとして協業し、導入を促進したい考え。すでにソリューションパートナーを中心に5~6社と協議をしているという。販売目標は、2007年が7000万円、2008年が2億5000万円。

 なおScalixは、Scalix Corporationが最初から開発したものではなく、米HPが提供していた「HP OpenMail」のソースコードライセンスを受け、2年あまりの期間をかけて改良した製品。同社では、大規模環境でも問題ないスケーラビリティを備えており、信頼性も担保されているとアピールする。さらに、12月に米国で提供されるバージョン11からは、主要コンポーネントをオープンソース化する。今後は、コミュニティと協力しながら、「ユーザーの提案と取り入れ、進化の速度を加速する」(同社)意向である。



URL
  米Scalix Corporation
  http://www.scalix.com/
  株式会社サードウェア
  http://www.3ware.co.jp/
  日本スケーリックス株式会社
  http://www.scalix.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.scalix.co.jp/news/news-20061027.html


( 石井 一志 )
2006/10/27 17:57

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