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インフォマティカ、データ統合製品の最新版-Salesforceとの連携機能も紹介


代表取締役社長の内田雅彦氏
 インフォマティカ・ジャパン株式会社は10月31日、統合型データインテグレーションプラットフォーム「Informatica PowerCenter 8 日本語版」を発表した。出荷開始は12月の予定。

 PowerCenterは、社内外に分散したデータを統合・活用する製品。最新版のPowerCenter 8では、「処理性能」「展開時の環境」「開発生産性」に関して大幅な機能強化が行われている。

 処理性能の面では、1)大規模データベース構成において、データベースごとに最適な処理を生成し、データ変換処理を高速化する「プッシュダウンオプティマイゼーションオプション」、2)サーバーグリッドを構成し、拡張性・冗長性・費用対効果を高める「エンタープライズグリッドオプション」を用意。

 展開時の環境に関しては、フェイルオーバーとリカバリの自動化を実現する「ハイアベイラビリティオプション」により、ミッションクリティカルな企業システムに対応。また、64ビットプラットフォームのサポートを強化している。

 開発生産性の面では、Javaプログラミングによる処理の記述を可能にしたり、Webブラウザ上でのアドミニストレーションコンソールを用意するなど、開発効率の向上と大規模開発時の生産性向上が図られている。

 同社代表取締役社長の内田雅彦氏は、「PowerCenterは単なるETL(Extract Transform Load、データの抽出、変換・加工、転送)から、企業の全社規模のデータ統合基盤といえる製品となっている。PowerCenter 8で用意されたプッシュダウンオプティマイゼーションオプションやエンタープライズグリッドオプションは、大幅に処理性能を向上させる機能。また、ハイアベイラビリティオプションや64ビットプラットフォームサポートにより、全社規模の展開に対応している。こうした機能により、大企業におけるシステム再構築やレガシーからのマイグレーション、データ連結などで利用できる」と、エンタープライズレベルでの利用に最適な製品と紹介する。

 価格は、Windows 1CPUのシステムの場合で1400万円から。システムのCPU数により価格は異なる。


米Informatica会長兼CEOのソヘイブ・アバシ氏
 発表会には、米Informatica会長兼CEOのソヘイブ・アバシ氏も出席。同社製品の今後の展開について説明が行われた。

 アバシ氏は、IT部門のアウトソーシングや部門単位のアウトソーシング、そしてSaaS(Software as a Service)など、社外にあるデータとの統合を重視する考えを示し、3つのフェーズでこれに対応すると説明。「フェーズ1では、業務系データの統合を実現する。具体的には、Salesforceとの連携機能を2007年の第1四半期に提供する。フェーズ2では、SaaSとの統合ソリューションを提供する。2007年中にも、パートナーと共同で発表することになるだろう。そしてフェーズ3では、Informaticaの製品そのものをSaaSとして提供する。ソフトウェアそのものは2007年に完成する見込みで、2007年から2008年にかけて具体化する予定」と、SaaSとの連携および自身のSaaS化を発表した。


2007年第1四半期投入予定のSalesforceとの連携機能 PowerCenterを使うことで、SQL Server上の取引先マスターをSalesforceに簡単にアップロードできる Salesforceに取り込まれた取引先マスター


URL
  インフォマティカ・ジャパン株式会社
  http://www.informatica.jp/
  プレスリリース
  http://www.informatica.jp/news/press_releases/10312006.htm


( 福浦 一広 )
2006/10/31 16:21

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