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富士通、内部統制強化を狙い、Systemwalkerに新製品を追加


富士通ソフトェア事業本部運用管理ソフトウェア事業部・新田将人本部長
 富士通株式会社は11月1日、統合運用管理ソフトウェア「Systemwalker」の新製品として、「Systemwalker IT Process Master V13.1」および「Systemwalker Availability View V13.1」を発売した。また、Systemwalker Centric Manager V13.1の機能強化を発表した。

 今回の新製品およびエンハンスにより、運用プロセスにおける統制を強化。日本版SOX法(金融商品取引法)への対応を強力に支援できるとしている。

 「これまでの運用管理は、システムが安定稼働することが求められていた。だが、今後は、安定稼働に加えて、システムが正しく運用されていることを証明することが重視される。それを証明するためには運用プロセスの統制が必要。運用プロセスの見える化、インフラの見える化、そして、正しい運用の監査といった観点での仕組みが求められている」(富士通ソフトェア事業本部運用管理ソフトウェア事業部・新田将人本部長)として、新製品では、統制された運用環境の実現のための機能を強化している。


Systemwalker IT Process Master V13.1の画面
 Systemwalker IT Process Master V13.1は、ITILベースの運用プロセスを、ワークフローと電子帳票により可視化。これにより、システム運用に関わる部門の役割、責任、作業手順が明確にでき、ヒューマンエラーを防止できる。変更管理の帳票を電子化するほか、運用管理製品と連携した自動化を実現。富士通社内で実践したノウハウをもとに開発したテンプートも用意する。価格は、270万円(税別)から。

 「システムダウンの40%以上がヒューマンエラーといわれる。これを防止するとともに、プロセス管理も可能になる」(新田事業部長)。


Systemwalker Availability View V13.1の画面
 Systemwalker Availability View V13.1は、情報システムの運行計画と実際の移動履歴を比較した稼働管理を実現。稼働率やキャパシティのレポートなどを通じて、システム全体が計画通りに稼働していることを証明できるようになる。価格は、90万円(税別)から。

 Systemwalker Centric Manager V13.1の機能強化では、運用プロセスの実行に必要なサーバーへのアクセスコントロールを実現。役割に応じた操作制限、操作内容の記録と再現が可能になる。また、監視機能においては、運用プロセスの実行に必要な管理情報を複数システムに渡り統合できるほか、他社の運用管理製品を含めて統合できるため、マルチベンダー環境においても、全社共通での運用プロセスの統制が可能になる。価格は、50万円(税別)から。

 また、同社では、2007年第1四半期(1~3月)にも、デスクトップクライアントの管理を行う「Systemwalker Desktop Patrol」の機能強化を行う計画を明らかにした。

 インテルの次世代ビジネスクライアントプラットフォーム「vPro」に対応。リモート環境から、デスクトップクライアントの電源をオン/オフしたり、ハードウェアの構成情報の収集、BIOSの制御などができるようになる。同社では、これに準拠した企業向けデスクトップPCも投入する予定。


Systemwalkerのロードマップ

Systemwalker V13.1の製品ラインアップ
 Systemwalkerは、1995年12月に前身となるMpWalkerを発売して以来、今年9月末には累計500万本のライセンスを出荷。国内の運用管理システムパッケージソフト市場では、出荷金額ベースで17.5%と、トップシェアを獲得している。

 今年5月に発表したSystemwalker V13では、「ITガバナンスを支えるIT運用を実現するツール」とのコンセプトを掲げ、2008年に施行される日本版SOX法に対応した統制機能を強化している。

 「運用プロセスのトータルな統制をSystemwalkerだけで対応できる。また、プロセス管理については、単なる製品提供するだけにとどまらず、実践のノウハウがなければ提供できない。ITILの標準化にも関わっている社員を擁している英国富士通サービスにおけるITIL実践ノウハウや、富士通社内での実践ノウハウを活用している点が、Systemwalkerの強み。今回の新製品によって、インシデント/問題管理、変更/リソース管理、可用性/継続性管理、キャパシティ管理、財務管理といったITILに関するプロセス全般をカバーできるようになる。2007年以降は、これらの機能をベースに、SaaSをはじめとするサービス化される環境に対応した運用基盤を提供することになる」(新田事業部長)としている。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/

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  ・ 富士通、統合運用管理ソフトウェア「Systemwalker V13」を発表(2006/05/09)


( 大河原 克行 )
2006/11/01 12:35

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