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シマンテック、重要インフラをIT障害から保護する業種別サービス


サービス事業推進部の荒川勝也部長

Symantec FinanceCUREのサービス構成。黄色の文字で表現されているサービスが、業界特有のもの
 株式会社シマンテックは11月1日、ITのリスクを包括的に管理するためのインフラ業界向け統合保護サービスソリューション、「Symantec IndustryCURE」を発表した。まずその第1弾として、金融業界向けの「Symantec FinanceCURE」を12月より提供開始する。

 IndustryCUREは、重要産業分野ごとの固有なITリスクに対応するためのサービスソリューション。コンプライアンス対策やIT基盤の標準化と保護、ビジネスの維持や継続などを目的として提供されるもので、サービス事業推進部の荒川勝也部長によれば、「課題は全産業一律では語れず、おのおの変わってくる。そこに着目してIndustryCUREを提供することにした」という。

 シマンテックでは、内閣官房情報セキュリティセンターが、ITインフラの保護が必要な分野として挙げた「金融」「ガバメント」「情報通信」「電力・ガス」のそれぞれについてIndustryCUREを提供する意向。今回はその中でも、「ビジネスインフラであるIT環境が高度化、複雑化しており、社会性から必要な取り組みも大がかりになる」(荒川部長)金融業界向けのソリューションを、まず提供する。

 そのFinanceCUREは、「金融事業者が起こしたくない、また起こせないIT障害からビジネスを保護するためのコンサルティングサービス」(荒川部長)。最近増加が著しいIPベースのATM端末などの金融端末を保護するほか、オンラインバンキングなどのコアアプリケーションにおける脆弱性除去や高可用性の支援、業界標準の安全基準やポリシーを用いた準拠性監査の支援、コンプライアンス対策の支援、コアサービス継続のためのリスク分析や環境構築・評価の支援などを行う。

 具体的なサービスとしては、IP-ATM脆弱性検査、セキュアアプリケーション開発環境構築支援、セキュリティベースライン策定支援、従業員セキュリティ意識教育などが、業界特有の要件を満たしたカスタマイズサービスとして提供される。また各業種共通で提供される、ストアドコンテンツレビューサービス、データ統合支援サービス、メールアーカイビングサービス、ディザスタリカバリ環境構築支援サービスなどもFinanceCUREに含まれている。

 シマンテックではこの分野について、数十億円単位の市場規模があると見ており、現在70~80名体制で運営しているコンサルティング部門をアサインして、販売の拡大を目指す。提供にあたっては、全体を大きなソリューションとして販売するだけでなく、個別のサービスでも提供するとしており、価格は、ストアドコンテンツサービスやポリシー監査サービスなどで最低300万円程度から、全体では「ERP相当の思い切った投資になることもありえる」(荒川部長)とのこと。同社では、2007年中に5社程度、2010年までには30~40社へ拡大したいとしている。



URL
  株式会社シマンテック
  http://www.symantec.com/ja/jp/
  ニュースリリース
  http://www.symantec.com/ja/jp/about/news/release/article.jsp?prid=20061101_03


( 石井 一志 )
2006/11/01 18:06

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