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シマンテック、Exchange Serverの継続的な保護を可能にした「Backup Exec 11d」

対応プラットフォームやアプリケーションも拡大

システムエンジニアリング本部 シニアシステムエンジニアの中野貴之氏
 株式会社シマンテックは11月2日、Windows環境向けバックアップソフトの新版「Symantec Backup Exec 11d」を発表した。11月6日より受注を開始する。

 Backup Execは、Windowsのサーバーやクライアントのデータおよびシステムをバックアップするための製品。今回の新版ではまず、Exchange Serverに関するデータ保護機能が格段に向上した。具体的には、前バージョンである「Backup Exec 10d」でファイルサーバー向けに採用された継続的なデータ保護の機能を、Exchange Serverでも利用できるようにした。

 通常は、事前のバックアップ計画にしたがって定期的にバックアップが行われるが、新版では、「Exchange Server上のトランザクションログが変更されるたびに自動でバックアップされるようになるため、初回にフルバックアップをとった後は、日常的なバックアップウインドウが不要になる」(システムエンジニアリング本部 シニアシステムエンジニアの中野貴之氏)。

 さらに、全体のバックアップファイルからでも個々のメールボックス、フォルダ、メール単体をリストアできるGranular Recovery Technology(GRT)技術がExchange Serverで利用可能になった。これまでも個別のメールをリストアすることは可能だったが、そのためには全体のバックアップとあわせて、メールボックス単位のバックアップも行う必要があった。

 今回、これを不要としたことで、「作業負担、バックアップ時間、ストレージ容量などがこれまでの半分以下で済むようになった」(中野氏)という。リストアは、事前に設定された間隔で作成されるイメージ(リストアポイント)から行える。リストアポイントは最短15分単位で設定可能だ。

 なおGRT機能は、Active DirectoryとSharePoint Portal Serverも新たに対応し、「Active Directoryでユーザーを間違えて消してしまった、という際にも、必要なユーザーだけを戻せる」(中野氏)。SharePoint Portal Serverでは、データベース内の個々のドキュメントをリストアできる。

 あわせて新版では、バックアップデータを暗号化する機能を搭載。テープへのバックアップ、ネットワーク経由でのバックアップ双方に対応する。暗号化方式はAESで、128ビット、256ビットをサポートした。キーはログオンアカウントではなくバックアップジョブに関連付けされるため、ジョブごとに異なったキーが発行される。

 またサポートするプラットフォーム、アプリケーションも拡大された。プラットフォームでは、メディアサーバーとしてx64版のWindowsに対応したほか、日本語版として初めてWindows以外のプラットフォーム、LinuxとUNIX向けのエージェントが提供される。エージェントはさらに、MAC OS X、Oracle RMAN、Oracle RAC、DB2といったプラットフォーム、アプリケーション向けも用意された。

 価格は、基本パッケージとなる「Backup Exec 11d for Windows Servers」が12万5000円。エージェントは、Exchange Server向けやSQL Server向け、DB2向けなどがそれぞれ15万6400円、Oracle RAC向けが50万2300円、など。40%引きのアップグレード版(新製品除く)や、25%引きの乗り換え版も発売される。



URL
  株式会社シマンテック
  http://www.symantec.com/ja/jp/
  ニュースリリース
  http://www.symantec.com/ja/jp/about/news/release/article.jsp?prid=20061102_02


( 石井 一志 )
2006/11/02 16:40

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