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日本オラクルなど11社が、内部統制のワンストップソリューション

CONTROL2006で各社のソリューションを連携

CONTROL2006の概要
 日本オラクル株式会社と東洋ビジネスエンジニアリング株式会社は11月9日、企業における内部統制対応の推進を支援するワンストップソリューション「CONTROL2006」の具体的な取り組みについて発表した。

 CONTROL2006は、今年10月の段階で設立を発表していた。

 CONTROL2006では、東洋ビジネスエンジニアリングが開発した生産・販売・物流パッケージ「MACFrame」および協業各社のソリューションを、日本オラクルのOracle Fusion MiddlewareのSOA基盤であるOracle BPEL Process Managerを軸として連携、同時に、共同で営業、マーケティング活動を行う。

 参加しているのは、日本オラクルと東洋ビジネスエンジニアリングのほか、株式会社インサイトテクノロジー、株式会社インフォファーム、ウイングアークテクノロジーズ株式会社、エス・エス・ジェイ株式会社、住商情報システム株式会社、ディサークル株式会社、日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社、株式会社フレームワークス、三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社の合計11社。

 Oracle BPEL Process Managerの活用を前提とし、各社の製品設計に関する情報を開示することで、それぞれのソリューションがシームレスに連携できるようになる。

 「アドオンやカスタマイズ、APIの実装というものではなく、各社のソリューションの開発コードやテーブルスキーマを一切変更することなく、連携を図ることを目指した。これがユーザーにとって最適な連携であり、中堅・中小企業においても、導入しやすい内部統制ソリューションとした」(日本オラクルアライアンスビジネス統括本部ビジネス推進部・遠藤哲ディレクター)としている。


CONTROL2006の参画ベンダー CONTROL2006の推進体制 仮想企業のMC Enterpriseの概要

 内部統制は、一般的に業務処理統制とIT全般統制に分類できるが、CONTROL2006では、業務処理統制では、販売系プロセス、購買系プロセス、生産・資産管理プロセスの統制を対象に範囲としたほか、IT全般統制では、情報シテスムに関する運用業務の統制活動、セキュリティに対する統制活動、IT全般統制に関する監視活動といった領域を対象にする。

 推進プロジェクトとして、業務に精通した人材による業務フロー設計チームと、それをもとに技術的に対応を行う技術検証チームを設置。連携に関する具体的な検証などは、日本オラクルのISV検証センターを活用する。

 また、CONTROL2006では、CRM、販売、生産、在庫、倉庫、会計、人事などの各システムがレガシーとオープン環境で構築されているMC Enterpriseという仮想企業を想定し、そこでIT統制とITソリューションの実装性を検証していく。


日本オラクルの常務執行役員システム製品統括本部長・三澤智光氏

東洋ビジネスエンジニアリングの千田峰雄社長
 日本オラクルの常務執行役員システム製品統括本部長・三澤智光氏は、「ユーザー認証、フロー制御、権限管理といった各社のパッケージの共通項目を抜き出して、共通基盤機能と、システム固有機能とに分けることで、運用を楽にしたり、セキュリティを強化することができる。また、SOAのアプローチによって、システム間の連携を柔軟にすることもできる。CONTROL2006の目的は内部統制であり、SOAは手段である。CONTROL2006を通じて、パッケージベンダー同士の連携をより強化していきたい」とした。

 一方、CONTROL2006の中核的役割を担う東洋ビジネスエンジニアリングの千田峰雄社長は、「内部統制は、会計分野では進展しているが、ロジスティック系の取り組みが遅れているといわれる。CONTROL2006は、実装性、具体性、そして押しつけではない、現場がわかりやすい内部統制ソリューションを実現できるものとして提供していく。一時的なものではなく、継続性のあるマーケティングを各社が共同で行うことで、ユーザーが内部統制に感じている不自由な状況や、不安を払拭したい」とした。

 今後、CONTROL2006への参加企業を拡大していく考えであるほか、「実際にユーザーの現場で、インプリメンテーションを行うパートナーとの連携も図っていきたい」としている。


 なお、東洋ビジネスエンジニアリングが、11月10日に、ホテル日航で開催するMCFrame Forum 2006において、CONTROL2006の取り組みなどについて説明する予定。ユーザー企業や、関係者など約1500人の来場を見込んでいる。

 また、日本オラクルでは、2007年早々に大阪地区で、ユーザーおよび関係者などを対象にCONTROL2006に関する説明会を実施するほか、ITコーディネータ協会や会計士協会などの内部統制に関わる各種団体および関係者に対して、勉強会の開催や各種ツールの提供などを行っていく考えを示した。



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/
  東洋ビジネスエンジニアリング株式会社
  http://www.to-be.co.jp/
  プレスリリース(PDF)
  http://www.to-be.co.jp/news/Data/061016CONTROL2006.pdf
  MCFrame Forum 2006
  http://www.mcff.jp/


( 大河原 克行 )
2006/11/09 15:23

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