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ネットスイート、自社アプリケーション向けのカスタマイズプラットフォームを説明


米NetSuiteのプロダクトマネジメント担当シニアディレクター、クレイグ・サリバン氏

ネットスイートのセールス&マーケティング ディレクタ、高沢冬樹氏
 ネットスイート株式会社は11月17日、アプリケーションカスタマイズのためのプラットフォーム「SuiteFlex」に関する説明会を開催。米NetSuiteのプロダクトマネジメント担当シニアディレクター、クレイグ・サリバン氏らが、そのメリットなどについて説明を行った。

 SuiteFlexは、米NetSuiteが10月に発表したプラットフォームで、同社のオンデマンドアプリケーションをベースに、ユーザーが自由にカスタマイズを行えるようにしている。「既存アプリケーションの機能を活用しながら、新しいプロセスを利用したり、新しい垂直分野に対応させたりすることができる。また、当社のインフラ上で新規のアプリケーションを作成することも可能だ」(サリバン氏)。

 SuiteFlexのコンポーネントは、コーディングなしで簡単にアプリケーションをカスタマイズできる「SuiteBuilder」、SOAPベースのWebサービスAPIである「SuiteTalk」、JavaScriptをベースに特有のAPIコールを追加した「SuiteScript」の3つ。これらによってNetSuiteアプリケーションにかけられた変更は、もとから提供されていた機能と同様に見えるため、ユーザーはシームレスに利用することが可能。また、多くの一般アプリケーションと異なり、アップグレードをしてもそのまま継続して利用できる点も特徴という。

 「アップグレードによってシステムがダウンしてしまうと、ユーザーにとって高くついてしまう。もともとIT予算があまりない中堅・中小企業向けの市場では、この点は非常に重要だ」(サリバン氏)。

 また顧客自らではなく、ISVがSuiteFlexを利用して、NetSuite CRMや同 ERP(国内未提供)といったアプリケーションをカスタマイズし、各企業ごと、業界ごとの要件に応じた形に最適化することも可能で、新しいビジネスチャンスを提供できるという。

 サリバン氏は、「(NetSuiteアプリケーションは)非常に幅広く堅牢なプラットフォームであり、広く対応できる性格を持っているにもかかわらず、それぞれの分野ごとに特殊な使われ方がある。カスタマイズ機能を提供することによって、それぞれの分野によりしっかり対応していく必要があるということが改めて認識された」と話した。

 米国ではすでに、12社のパートナーが、清掃業や人材派遣業向けなどの特定業種向けのカスタマイズソリューションを出荷しており、国内でも、パートナープログラムを展開する意向である。ネットスイートのセールス&マーケティング ディレクタ、高沢冬樹氏は、現在の状況について「国内でもすでに数社が関心を示しており、検討を始めている。そうしたパートナーが、業務ノウハウをもとにカスタマイズしたものをパッケージ化し、複数の顧客に容易に展開できるようにするツールも、これから提供していく予定だ」と述べた。

 なお、SuiteFlexはNetSuiteアプリケーションのユーザーに対して無償で提供される。



URL
  ネットスイート株式会社
  http://www.netsuite.co.jp/
  プレスリリース(日本語抄訳)
  http://www.netsuite.co.jp/portal/jp/press/nlpr11-17-06.shtml


( 石井 一志 )
2006/11/17 18:31

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