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ジャストシステム、「一太郎 2007」など次期製品ラインアップを発表

オフィス統合ソフト「JUST Suite 2007」も投入

一太郎 2007の基本編集画面

浮川和宣社長

一太郎 2007が搭載した5つのフェーズ機能
 株式会社ジャストシステムは12月12日、「一太郎」、「ATOK」、「花子」など同社主力製品群の次期ラインアップを2007年2月9日より発売すると発表した。発売されるのは、「一太郎 2007」、「ATOK 2007」、「三四郎 2007」、「花子 2007」の各バージョンアップ製品と、新製品となるプレゼンテーションソフト「Agree 2007」で、これら製品をワンパッケージにしたオフィス統合ソフト「JUST Suite 2007」もあわせて発表された。すべて、マイクロソフトの最新OS「Windows Vista」に対応した製品となっている。

 発表会の席で浮川和宣社長は、「当社はグローバルにも発展しつつあるが、今回の新製品ラインアップでは、日本人が日本語を使い続けることをあらためて意識して、日本のビジネス環境で心地よく使えるソフトウェアを目指した。これからも、1年1回のタイミングで、ユーザーに期待される新機能を提供し続けていきたい」と語った。また、マイクロソフトとの競合については、「Windows Vistaが出るタイミングで、新製品ラインアップをそろえることで、Officeソフトにも選択肢があることを示したい。乗り換えは簡単には進まないだろうが、ユーザーに認められるように今後も地道にコツコツと良い製品作りをしていく」と述べた。

 今回の新製品ラインアップの中核となるのが日本語ワープロソフト「一太郎 2007」。新バージョンでは、ワープロが使われるあらゆる場面を想定し、「エディタ」「アウトライン」「基本編集」「提出確認」「ビューア」という目的に応じた5つのフェーズを用意した。特に「エディタ」と「ビューア」は新たな機能となり、「エディタ」フェーズでは、シンプルなインターフェイスを採用しテキストエディタとしての便利な画面や機能、操作性を備えている。Internet Explorerとも連携し、Web上の入力欄から「エディタ」フェーズを立ち上げることが可能。一方、「ビューア」フェーズでは、パソコン画面上でも紙文書を見るのと同じ感覚で、さまざまな形式の文書を閲覧することができる。

 また、最新の文書校正エンジンを搭載し、より高精度な校正が可能になったほか、文書上の調べたい単語からそのままGoogle検索を行える機能も実現し、作業を中断することなくさまざまな情報を調べられるようになった。

 稲野豊隆ビジネスオーナーは、「一太郎 2007は“新しい時代への対応と変わらない安心感”というコンセプトのもとに開発した。2007年はWindows Vistaも登場することもあり、今回の新バージョンは一つのターニングポイントになるものと位置づけている。新しいPC環境に対応しながら、これまで評価されてきた使いやすい機能をさらに強化した製品になっている」と説明した。

 この一太郎 2007を中心に、日本語表計算ソフトの三四郎 2007、統合グラフィックソフトの花子 2007、プレゼンテーションソフトのAgree 2007、日本語入力システムのATOK 2007、PDF作成・編集ソフトの「Justsystem PDF Suite」、メールソフト「Shuriken Pro4/R.2」の計7つの製品をワンパッケージにしたオフィス統合ソフトがJUST Suite 2007。文書を一太郎 2007で作成し、三四郎 2007で作成した図や表を挿入するなど、各ソフトウェアの特徴を生かして組み合わせることで、より相乗効果を発揮できる製品構成となっている。


新発売となるAgree 2007の画面

三四郎 2007の画面
 同社がMicrosoft Officeユーザーを対象に実施した統合ソフトのアンケート評価によると、ブランド、品質、機能、使いやすさ、マニュアル、サポート、評判、価格のすべての項目において、一太郎の評価がMicrosoft Officeを上回ったという。稲野ビジネスオーナーは、「現在、一太郎の店頭での販売本数シェアは、Microsoft Officeと拮抗(きっこう)している状態。今回のJUST Suite 2007の投入によって、一人でも多くのユーザーに当社製品を届けていきたい」と意欲を見せた。同社では、発売後1年間において、新製品全体で100万本の販売を目指しており、そのうちJUST Suite 2007で30万本の販売を見込むという。

 今回の新製品ラインアップで、同社初のプレゼンテーションソフトとなるのがAgree 2007。一太郎に近い直感的な操作で、簡単に分かりやすいプレゼン資料を作成できる機能を備えている。特に、日本のビジネスシーンにあった素材を豊富に搭載しており、フォントは全18種、イラスト・部品は全980種、プレゼンテンプレートは全101種を用意している。スライドショー実行時にマウスポインタを右端に動かすと、すべてのスライドがサムネイル表示される機能を備えているのも特徴。PowerPointファイルとの相互互換にも対応している。

 このほか、各新バージョンの特徴としては、三四郎 2007では計算結果や参照先がすぐに分かり、作業が効率的に行える「オートカルク」機能を新たに搭載。複数のセルを範囲指定した場合、その計算結果をステータスバーに表示したり、計算式を入力したセルをダブルクリックするとすぐに計算元が分かったりするようになった。また、日本の商習慣に最適な入力、操作を実現。グラフのデザインも一新し、中間色を利用することで、より美しく分かりやすいグラフ作成が可能となった。Excelファイルの読み込み・保存にも対応している。

 花子 2007は、図とともに文字で考えるツールとして進化。インターフェイスの左ペインに「文字入力ウィンドウ」を新たに搭載し、入力された文字を図面上に文字枠としてすぐに反映することで、文字の追加、修正を簡単に行えるようにしたのが大きな特徴だ。


ATOK 2007の新変換エンジン「ATOKハイブリッドコア」
 ATOK 2007では、Windows Vista上でも快適な日本語入力環境を実現できるよう、デザインコンセプトを練り直し、シンプルでより直感的なユーザーインターフェイスを採用した。また、最先端の自然言語処理研究チーム「ATOK Lab.」の成果を反映した最新の変換エンジン「ATOK ハイブリッドコア」を搭載することで、より自然な変換を実現。前後の文節から意味を判断し、候補ウインドウに表示される第2候補以降の候補順を動的に切り替える「最適候補提示機能」を新搭載している。さらに、校正支援機能の強化、日付入力支援機能の強化も図っている。

 なお、今回から初めてATOKのプレミアム版を発売する。プレミアム版には、「乗り換え案内 駅名変換辞書 for ATOK」のほか、「会社四季報 企業名変換辞書 for ATOK」、「明鏡国語辞書・ジーニアス英和/和英辞典/R.2」、「『説得できる英文Eメール 200の鉄則』文例」を搭載している。

 通常版の製品価格は、JUST Suite 2007が2万5000円(税別)、一太郎 2007が2万円(同)、ATOK 2007 for Windowsが8000円(同)、三四郎 2007が5000円(同)、Agree 2007が7800円(同)、花子 2007(書籍セット)が9800円(同)。12月15日から2007年2月8日までは「2007安心バージョンアップ」を実施し、期間中、対象の旧バージョン製品を購入し、ユーザー登録時に申し込むと、特別価格でJUST Suite 2007、一太郎 2007、花子 2007の安心バージョンアップ版を購入できる。



URL
  株式会社ジャストシステム
  http://www.justsystem.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.justsystem.co.jp/news/2006l/news/j12121.html


( 唐沢 正和 )
2006/12/12 19:13

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