米Oracle、ビジネスアプリケーション5製品の新版を一斉発表

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米Oracle、ビジネスアプリケーション5製品の新版を一斉発表

「Application Unlimited」戦略を全世界にアピール

東京でも、米国から9時間遅れでApplications Unlimited Launchイベントが開催された

アプリケーション開発担当上級副社長、ジョン・ウーキー氏（写真は2005年の発表会より）

　米Oracleは、1月31日（米国時間）から翌2月1日にかけて開催された「Applications Unlimited Launch」イベントにおいて、同社のビジネスアプリケーションの新版を5製品同時に発表した。

　この発表は、主要ビジネスアプリケーションへの継続的な取り組みをコミットしたApplication Unlimited戦略に従ったもの。「Oracle E-Business Suite（EBS） Release 12」「Peoplesoft Enterprise Release 9.0」「Siebel CRM 8.0」「JD Edwards EnterpriseOne 8.12」「JD Edwards World A9.1」の各製品が提供される。

　Oracleのアプリケーション開発担当上級副社長、ジョン・ウーキー氏は、「同時に複数のメジャーリリースを発表することは異例」とした上で、「いずれも大きなアップデートであり、マイナーリリースではない」という点を強調した。

　同社では当初、自社開発のOracle EBSや、買収したPeoplesoft Enterprise、JD Edwards EnterpriseOneなどの製品を統合し、次世代統合アプリケーション「Oracle Fusion Applications」としてリニューアルするとしてきたが、昨年、方針を転換。Fusion Applicationsの開発を継続する一方で、各製品を引き続きバージョンアップしていくとする方針、Applications Unlimitedを表明していた。

　今回、Oracleが同時発表に踏み切ったのは、この新方針を強く訴えていきたい意図があると見られる。Applications Unlimitedを発表してみたものの、ただちにすべての顧客から、既存投資が無駄になることへの不安が払しょくされたわけでない。機会をとらえて繰り返すことで、顧客を同社へつなぎ止めようとしているのだ。

　またウーキー氏は、製品間の連携性強化をアピール。Oracle自身が標準技術に基づき製品間の連携を手がけることで、顧客の負担を軽くし、アップグレードも容易になると説明する。さらに、これらの製品はすべてミドルウェア製品群「Oracle Fusion Middleware」での動作確認が完了し、より多くのメリットを得られるようになったとした。

チャールズ・フィリップス社長（写真はOracle OpenWorld 2006より）

　「Applications Unlimitedは、3つのコンセプトにまとめられる。それは、ライフタイムサポートで顧客を守り、新しい機能によってソフトウェアを拡張し、SOAの実現などで進化させていくことだ」（Oracleのチャールズ・フィリップス社長）。

　なお、今回発表された製品のうち、Peoplesoft Enterprise Release 9.0とJD Edwards EnterpriseOne 8.12はすでに2006年に発表済み。Siebel CRM 8とOracle OpenWorld 2006でプレビュー版が公開されていたOracle EBS Release 12は、今回より提供を開始する。また、JD Edwards World A9.1はまずプレビューが公開され、正式リリースは少し先になる見通しで、各製品のリリース時期にはばらつきがある。

　一方、Oracleが開発しているFusion Applicationsに関しては、当初の予定通り、2007年後半に最初のコンポーネントが、2008年にスイート製品が出荷されるスケジュールで開発が進んでいるという。ウーキー氏は、「将来のある時点で、次世代のアプリケーションが重要性を増すようになる」と述べ、いずれ顧客はアプリケーションの乗り換えを検討することになるとした。

　しかしあわせて、「商品開発を当社が終えたとしても、顧客が移行する準備がすぐにできるわけではなく、必ずタイミングがずれる。次世代のアプリケーションにいつ移行するのかを自分で決められるよう、Oracleでは選択肢を与えている」とも語り、移行が顧客の都合に合わせてできるようにしている、という点を強調することも忘れなかった。

（石井一志）
2007/02/01 18:08

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