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日本ビジネスオブジェクツの印藤公洋代表取締役社長
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日本ビジネスオブジェクツ株式会社は2月20日、中堅企業向けBI(ビジネスインテリジェンス)ソリューションの新製品「Business Objects Crystal Decisions」を発表した。年間売り上げ300億円未満、および従業員数1000人未満の中堅企業のBI需要に対応する製品スイートで、その第1弾ソリューションとして「スタンダードエディション」を同日から出荷開始した。また、あわせて中堅企業向けBIソリューションの提供において、大塚商会と業務提携したことも発表した。
新製品のBusiness Objects Crystal Decisionsは、高い実績をもつ大企業向けBIソリューション「Business Objects XI」プラットフォームの全機能を装備しながら、中堅企業でも短期間で導入できるように導入設定を合理化し、さらに価格をリーズナブルに抑えている点が特徴。
日本ビジネスオブジェクツの印藤公洋代表取締役社長は、中堅企業向けBI市場に本格参入する狙いについて、「市場競争の激化や日本版SOX法などの内部統制・コンプライアンス要件を背景に、中堅・中小企業のIT投資は拡大を続けており、大企業を上回る成長率を見せている。その中でも、BIソリューションへの投資は中堅企業の大きな課題になっており、今後、中堅企業のBIニーズはさらに高まることが期待される。今回の新製品を提供することで、中堅企業にマッチしたBIソリューションを提供し、市場開拓に力を注いでいきたい」と述べた。
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大塚商会のマーケティング本部、後藤和彦執行役員
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大塚商会と日本ビジネスオブジェクツの共同マーケティング領域
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同社では、今年から営業部門についても大企業向け、中小・中堅企業向け、パートナー・アライアンス担当という3つの専任部隊を編成し、市場別の営業体制を強化しているという。今回、Business Objects Crystal Decisionsの発売にあわせて発表された大塚商会との業務提携も、中堅企業向けBI市場開拓の一環となる。この業務提携に基づき、両社は同製品を中心に、中堅企業をターゲットにBIソリューションを共同展開していく方針。大塚商会では中堅企業向けBIソリューションの提供で初年度2億円の販売を目指すとしている。
大塚商会、マーケティング本部の後藤和彦執行役員は、「当社と日本ビジネスオブジェクツは2000年10月にBI製品に関する販売提携を結んでおり、現在では全国で同社製品をサポートできる体制を構築している。この全国サポート体制をベースに、これまでの協業範囲を中堅企業にも広げ、Business Objects Crystal Decisionsを中堅企業の基幹システムの拡張ソリューションとして位置付け、積極的に共同マーケティングを展開していく」と意欲を見せた。
具体的な取り組みとしては、大塚商会のもつ中堅企業の業務ノウハウを生かし、BIの導入から運用までをサポートするコンサルティングサービス(クイックスタートパック)を開発。導入時における顧客企業の負荷を軽減しながら、短期での導入を目指す。また、業種別導入テンプレートとして、アパレル業経営分析テンプレートや病院経営分析テンプレート、Web顧客アクセスログ分析テンプレートなどを順次リリースしていく計画。
共同マーケティング展開としては、4月5日に大塚商会本社ビルで「内部統制対応、競争力の強化を実現するビジネスオブジェクツソリューション紹介セミナー」を開催する。このセミナーでは、Business Objects Crystal Decisionsの紹介、日本ビジネスオブジェクツのデータ統合ソリューションの紹介、大塚商会のソリューション・事例紹介などが行われる予定だ。
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Business Objects Crystal Decisionsのラインアップ
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今回、日本ビジネスオブジェクツがBusiness Objects Crystal Decisionsの第1弾として出荷開始した「スタンダードエディション」は、BIを初めて導入する企業向けのソリューション。既存のビジネスアプリケーション、データソース、プラットフォームを効率的に活用するBI機能を、リーズナブルな単一パッケージから導入して、使用できるようになっている。主な特徴は、1)非定型レポーティング、クエリー、分析機能、2)ダッシュボードと「見える化」、3)Microsoft Office製品との統合、4)信頼できるデータ基盤の構築、5)パフォーマンスマネジメント、など。
非定型レポーティング、クエリー、分析機能では、ビジネスユーザーがIT部門に依存せずにBusiness Objects Web Intelligenceベースの直感的なWebインターフェイスから簡単に企業情報にアクセスすることができ、情報分析や特定の書式への変換が行える。また、ダッシュボードと「見える化」では、ダッシュボードデザインツール「Crystal Xcelsius」を使って構築されたダッシュボードとビジュアルなスライダー、メーターを提供し、「仮想分析」モデルとの対話を実現する。価格は、5CALで280万円。
今後の製品ロードマップとしては、2007年第2四半期(4~6月)に「プロフェッショナルエディション」を、2007年第4四半期(10月~12月)に「プレミアムエディション」を出荷する計画。プロフェッショナルエディションは、信頼できるデータに基づく意志決定を実現するBIソリューションで、スタンダードエディションの全機能に加え、強力なデータ統合機能を搭載。価格は5CALで490万円を予定する。プレミアムエディションは、ビジネスパフォーマンスのプロアクティブな管理を実現するBIソリューションとして、プロフェッショナルエディションの全機能に加え、パフォーマンス管理機能を搭載する。価格は5CALで630万円となる予定。
■ URL
日本ビジネスオブジェクツ株式会社
http://japan.businessobjects.com/
株式会社大塚商会
http://www.otsuka-shokai.co.jp/
ニュースリリース
http://japan.businessobjects.com/news/press/press2007/070220_1.asp
http://japan.businessobjects.com/news/press/press2007/070220_2.asp
( 唐沢 正和 )
2007/02/20 15:53
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