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アドビ、ColdFusion次期版を紹介-Web 2.0サービスの統合ハブを目指す


ColdFusionの位置づけ
 アドビシステムズ株式会社は3月6日、Webアプリケーションサーバー「ColdFusion」に関する説明会を開催。次期製品「Scorpio(コードネーム)」の新機能や開発状況などが紹介された。

 ColdFusionは、Webアプリケーション開発用ソフトウェア。単体でアプリケーションサーバーとして動作可能なほか、他のJ2EEアプリケーションサーバー上でも動作可能なサーバー製品となっている。特にFlexと連携することで、RIA(リッチインターネットアプリケーション)のバックエンド側として容易に利用できるのが特徴となっている。

 次期バージョンのScorpioでは、「アプリケーションのユーザー体験の向上、エンタープライズ向けに有用な機能、開発者の生産性向上、の3つにフォーカスした」(米Adobe Systems ColdFusion担当シニアプロダクトマーケティングマネージャーのティム・バンテル氏)と紹介。

 ユーザー体験の向上では、ナレーション付きのスライドショーをサーバー上で生成可能なオンデマンド型プレゼンテーション機能や、PDFフォームとの連携機能の強化などが実現されるという。エンタープライズ向けの機能としては、あらたに.NETオブジェクトをサポート。バンテル氏は、「これにより、ColdFusionから直接.NETコンポーネントの呼び出しが可能になった。ユーザーはJavaや.NETを意識することなく、ColdFusionを利用することができる」と、開発面でのメリットも強調した。開発者の生産性向上では、サーバーのモニタリングツールを用意。データベースの使用率やメモリ使用率、アクティブなスレッドの管理などが行える。

 同社ではColdFusionを、企業内のデータベースやJava/.NETなどのインフラと、WebブラウザやPDF、Flashなどのフロントエンドをつなぐ製品と位置づけており、Web 2.0サービスの統合ハブであると説明する。同社プロダクト&セールスエンジニアリング部 プロダクトスペシャリストの太田禎一氏は、「ColdFusionをハブとすることで、テキストベースのHTMLやリッチなコンテンツが作成可能なFlexなど、さまざまな形式でアウトプットすることができる。それもほんの少しコードを書き換えるだけで対応可能」と、ColdFusionを利用するメリットを紹介した。


ApolloからColdFusionを利用するコード。Flexから利用する場合とほぼ同じコードで呼び出せる Apolloアプリケーションとして公開した例。Apolloでサポートする半透明のウィンドウで表示されている

 デモンストレーションでは、現在開発中のアプリケーション実行環境であるApollo(コードネーム)から、ColdFusionを利用する例を紹介した。

 なお、ColdFusionの次期バージョンScorpioは、2007年春にパブリックベータ版を公開し、2007年中頃には製品版の提供を開始する予定。日本語版については、2007年秋の提供を予定している。


 説明会では、3月23日に発売されるFlexの最新版「Flex 2.0.1」についても紹介。従来Windows版のみの提供であったが、最新版ではMac版の提供を開始する。また、大規模アプリケーションの開発時に、機能ごとにモジュール化することが可能となった。そのほか、従来開発時のみ利用可能であったスタイルシートを、実行時にも利用可能となった。



URL
  アドビシステムズ株式会社
  http://www.adobe.com/jp/
  製品情報
  http://www.adobe.com/jp/products/coldfusion/


( 福浦 一広 )
2007/03/06 15:07

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