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ジャストシステム、大企業向けXMLフレームワーク「xfy Enterprise Edition 1.5」


xfy Enterprise Edition 1.5全体構成

xfyエンタープライズ事業本部 セールスサポート部長の六戸力氏
 株式会社ジャストシステムは3月14日、XMLアプリケーションフレームワーク「xfy」の新製品として、「xfy Enterprise Edition 1.5」を発表した。3月23日から世界中で同時に提供を開始する。

 xfyは、さまざまなXML文書を1つの文書データ上でシームレスに閲覧・作成・編集を可能とする技術。今回発表されたxfy Enterprise Edition 1.5は、大企業向けにXMLアプリケーション開発基盤環境とクライアント実行環境をまとめて提供するXMLアプリケーションフレームワーク製品。

 製品構成は、サーバーソフトウェアとして、ユーザーおよび組織管理、XMLオブジェクトリポジトリ、分類タグ管理、パッケージ配信管理などサーバー管理の機能を提供する「xfy Server」が含まれる。一方、クライアントソフトウェアとしては、ユーザーがXMLオブジェクトを作成・編集するための「xfy Enterprise Client」をはじめ、各種の開発ツールなどが含まれる。

 xfyの特徴は、「XHTMLやSVG、MathMLなど多くのボキャブラリコンポーネントを、プラグインする形式で自由に拡張、組み合わせられる点」(xfyエンタープライズ事業本部 セールスサポート部長の六戸力氏)。xfy Enterprise Clientを利用することで、多様なXMLの仕様を気にすることなくワープロ感覚でXMLドキュメントを作成できる。

 また、XMLドキュメントの作成過程で利用した情報源や情報取得の方法・手順を「XMLオブジェクト」として保存し、テンプレート化できるのもxfyの特徴。「XMLオブジェクトリポジトリ操作ツール」を活用することで、オブジェクトの階層化やアクセス権の設定、メタ情報や分類タグなどによる検索が行えるようになる。

 そのほか、独自のボキャブラリコンポーネントを開発するためのツールとして、情報の構造をスキーマとして作成する「xfy Schema Designer」、スキーマに沿ってボキャブラリコンポーネントを作成する「xfy View Designer」、XVCDのデバッガやプラグイン化を支援する「xfy Developer's Toolkit」などが含まれる。

 こうした各種ツールによって、xfy Enterprise Edition 1.5は、単純にXMLファイルを編集するためのツールと一線を画している。六戸氏は、「XMLオブジェクトを自由に組み合わせて連動させることが可能なので、用途はさまざま。特定の目的のために設計された製品のように、機能的に制限がない。こうした特徴、コンセプトをまずは理解してほしい」と語った。


xfy Enterprise Clientの操作画面 画面右端にオブジェクトが階層化された形で表示されている

 今回の発表会では、xfyを日本版SOX法ソリューションとして活用するデモが行われた。

 従来の文書化ソリューションでは、業務記述書やRCM(Risk Control Matrix)、業務フローを別々に作成し、3つのファイルを管理することになる。その場合、データ連携機能が実装されていても、データが分散してしまったり整合性が徐々に取れなくなっていく可能性があるとする。デモでは、xfyの「1つのデータリソースをマルチに表示することが可能」(六戸氏)な特徴を生かして、ワークフローと業務プロセスのデータを連携させて編集する様子が実演された。


xfyの文書化ソリューションへの活用例-ワークフローと業務プロセスデータを同時に表示して連動させている xfyによって文書化リポジトリを管理

代表取締役社長の浮川和宣氏
 こうしたデータの連携や再利用のためには、外部リソースとの接続も重要となる。xfy Enterprise Edition 1.5では、SOAPやREST形式をサポートした「Webサービス接続」が標準で実装されているが、DB2やOracle Databaseとの接続はオプションで提供される。

 価格は、製品本体が750万円(税別)から。DB2用の外部接続アダプタ「xfy Adapter 1.5 for DB2 9」、ならびにOracle Database用の「xfy Adapter 1.5 for Oracle Database 10g」がそれぞれともに100万円(同)から。そのほか、「サポートデスクサービス」が製品価格の20%から。トレーニングとしては、「テクニカル&システム開発コース(2日間)」ならびに「プログラミングコース(2日間)」がそれぞれともに15万円(同)から。

 90年代後半にXMLが世に現れてからおよそ10年が経過した。代表取締役社長の浮川和宣氏は、「この間にさまざまなXML標準化作業が行われてきた。そうして分かってきたのは、XMLは“使える”ということ。最近では、実用化を見据えた標準化団体も現れてきている」と説明。その上で、「見方によってはこのテクノロジーは10年早い技術なのかもしれない。それでも革新的な人たちにとっては、10年なんてあっという間。もともと、メールなどの情報系と基幹系が分離していること自体がおかしいことなのだから、それらを統合するxfy技術は必ず大きくなる」と語った。

 そうした意気込みの下、同社では、パートナー協業を順調に進めているという。xfy自体が可能性の幅広い技術であるため、内部統制やBI、ダッシュボードなどソリューション別にパートナーを集い、それぞれ個別に細かい視点で協業を進めているとのこと。ワールドワイドではすでに約40社とのパートナー契約を完了しているが、近いうちに3けたに増やしたいと、今後の方針をのぞかせた。



URL
  株式会社ジャストシステム
  http://www.justsystem.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.justsystem.co.jp/news/2007f/news/j03142.html

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( 川島 弘之 )
2007/03/14 18:35

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