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BMCソフトウェア、エージェント型とエージェントレス型の共存が可能な運用監視ソリューション


ソフトウェアコンサルタント プロダクト推進室 製品管理部の斎藤康子氏

BMC Performance Manager構成

対応する監視対象
 BMCソフトウェア株式会社は3月16日、効率的なインフラ&アプリケーション管理を実現する運用監視ソリューション「BMC Performance Manager(以下、BPM)」を発表した。3月22日より出荷を開始する。

 BPMは、既存の運用監視ツール「PATROL」を再構築したソリューション。PATROLは、サーバーにエージェントを導入するエージェント型だが、導入しないエージェントレス型の「PATROL Express」という製品も存在する。今回のBPMは、このエージェント型とエージェントレス型を共存させることが可能にした新たな運用監視ソリューションだ。Webブラウザから同一画面で監視運用できるのが特徴。

 エージェント型とエージェントレス型の違いについてソフトウェアコンサルタント プロダクト推進室 製品管理部の斎藤康子氏は、「エージェントレス型の場合、単純な死活監視やパフォーマンス監視しか行うことができない。一方のエージェント型では、根本原因分析から回復処理といった機能まで搭載しており、運用監視より一歩進んだ用途で利用が可能。この点が大きな差異」だと説明する。

 「これまではユーザーの要求レベルに応じて、2つを使い分けていた。ところが、ユーザーの中には、両方の機能を利用したいというものもいて、そういったユーザーは両方を併用していた。結果、運用が非常に大変になってしまうことがあった」(斎藤氏)。それが、BPM開発に至った背景だという。

 構成としては、「BPM Portal」というコンポーネントを管理サーバーにアドオン。RSM(Remote Service Moniter)というソフトウェアモジュールによって、各監視対象から情報収集を行う。情報の閲覧は、Webブラウザベースのインターフェイスを使ってHTTPS通信によって行うことが可能。このため、運用面での教育や専用端末・ソフトウェアなどが必要なくなるという。

 また、RSMは管理サーバーに導入することも、各監視対象にインストールすることも可能。管理サーバーに導入すれば、監視対象には何も入れない完全なエージェントレス型が実現できる。しかし、RSMと監視対象間ではTelnetなどの通信が発生するため、ファイアウォール越しに監視する場合、ファイアウォールに余計な穴を開けなければならない。セキュリティ上、それが許されない場合、RSMを監視対象に導入する方法が有効となる。

 「エージェント型とエージェントレス型双方のメリットを生かすことで、理想型のインフラとアプリケーション管理への近道になると考える」(斎藤氏)。


BMP Portal画面
 価格はBPM Portalが61万1000円から。そのほか監視対象ごとにライセンスが必要で、サーバーが3万1000円/CPUから、データベースが6万1000円/CPUから、Webアプリケーションサーバーが15万3000円/CPUから。


 なお発表会では、斎藤氏から今後の販売戦略についても簡単な説明がなされた。米国などにおいては、BPMを利用して、単純な運用監視から、ITSM(IT Service Management)まで包括的に実現した事例があるという。その事例では、BPMで検知したオンラインシステムのパフォーマンス劣化情報を、影響範囲を特定するツール「BMC Service Impact Manager」(国内では4月に発売予定)に通知することで、実際にどのサービスの運用に支障を来しているかの把握まで実現している。

 「国内においてもこうした事例を作っていきたい。そのために、既存のPATROLユーザーやサービスプロバイダを中心とした新規顧客、またデータセンターなどにおける競合他社からのリプレースなどを狙って、積極的に提供していく」(斎藤氏)。



URL
  BMCソフトウェア株式会社
  http://www.bmc.com/ja_JP/


( 川島 弘之 )
2007/03/16 17:00

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