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日本ビジネスオブジェクツ、生産性を向上したデータ統合2製品の新版


マーケティング部の畝見真マネージャ

EIMを具現化するソリューション概要
 日本ビジネスオブジェクツ株式会社は4月10日、EIM(Enterprise Information Management)を具現化する製品として、物理データ統合製品の新版「Data Integrator XI Release 2 Accelerated(以下、Data Integrator XI Accelerated)」、仮想データ統合製品の新版「Data Federator XI Release 2 Accelerated(以下、Data Federator XI Accelerated)」を発表した。2007年第2四半期(4月から6月)中に出荷を開始する。

 Data Integrator XIは、物理データ統合製品。実際にDWH(Data WareHouse)を構築して、その中にデータを統合していく。一方のData Federator XIは、仮想データ統合製品。仮想的にデータ統合することで、DWHには格納されていない新規データへのリアルタイムアクセス要求にも対応できるのが特徴だ。

 マーケティング部の畝見真マネージャは、「企業の情報活用における問題点として、データが散在している点を多くの人が問題視している。それにもかかわらず、データ統合を行う企業のうち約7割がいまだに手作りの仕組みを利用している」ことを指摘。「それでは変化への迅速な対応は困難であるとともに、維持管理工数の増大は免れない」と語った。

 また畝見氏は、「日本は、世界的に見てもとくにデータ品質に関する意識が低い」ことに言及。その上で、EIMを本当の意味で実現するためには「より信頼性の高いデータ統合基盤が必要。散在した情報を横断的にビューできるだけではなく、そもそもの元データに正当性がなければ意味がない」と説明した。

 畝見氏のいうEIMを実現するために同社が提供するのが、今回のData Integrator XIやData Federator XIに、2006年末に発表したデータ評価製品「Data Insight XI」とデータクレンジング製品「Data Quality XI」を組み合わせた、データ統合支援ソリューションだ。

 具体的にはまず、Data Insight XIとData Quality XIを活用して、企業内の多様な業務システムデータの品質を向上。住所情報などの元データから欠陥、重複、過不足を取り除く。その上で、Data Integrator XIやData Federator XIにデータを統合する。これにより、正当性の保証された元データから必要なデータのみ抽出して統合することが可能になる。

 ここで、効率的なデータ統合を実現するのがData Integrator XIの役割だ。どの情報ソースからデータを抽出するか、その際、どういった条件でデータを取捨選択するか。そうしたデータ統合のプロセスを、アイコンをドラッグ&ドロップしてつなげていくだけでワークフロー化することができる。また、統合メタデータ管理が行えるのも大きな特徴。「情報ソースのデータ変更によって、DWHのどのテーブル、または作成したレポートのどの部分に影響するかが容易に把握できる」(畝見氏)。


データ統合のワークフローが容易に作成可能 統合メタデータ管理

 新版のData Integrator XI Acceleratedでは、拡張性が大幅に向上された。具体的には、データ統合プロセス実行時の利用メモリー領域を拡張。膨大な量のデータキャッシュを可能にした。また、ジョブ実行時の負荷分散機能を強化するとともに、複数のプロセスでキャッシュを共有・再利用可能な「持続性キャッシュ」機能も追加。プラットフォームとしては、64ビット版UNIXや32ビット版Linuxなどに対応した。

 そのほか「Data Quality XIとの統合も大きな改良点」と畝見氏は語る。これまで両ツールを別々に起動して使用する必要があったデータクレンジング作業を、Deta Integrator XI AcceleratedのGUIを通して行えるようにした。また、ExcelワークブックをODBC経由ではなく、データソースとして直接取り込むことも可能になっており、「これまで以上に生産性が向上されている」(畝見氏)。

 なお、現状すでにマルチバイト対応は済んでいるが、GUIのメニュー部も含めて日本語化された完全日本語版も順次発表するとのこと。



URL
  日本ビジネスオブジェクツ株式会社
  http://japan.businessobjects.com/

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  ・ 日本ビジネスオブジェクツ、EIM戦略を強化する新製品群を発表(2006/11/21)


( 川島 弘之 )
2007/04/10 10:37

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