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マイクロストラテジー、Flash技術を活用したBI新製品を日本初公開


MicroStrategyの製品進化
 マイクロストラテジー・ジャパン株式会社は4月10日、BI(Business Intelligence)の新製品である、MicroStrategy 8.1を、国内で初めて正式に公開した。

 同日、エンドユーザーやパートナーを対象に、都内のホテルで開催した「Enterprise BIフォーラム ~ダイナミックダッシュボードが広げるビジネスの可能性」では、定員40人に対して70人を超えるエンドユーザーやパートナー企業が来場。椅子席を追加するなど、新製品に対する関心の高さを示した。

 MicroStrategy 8.1は、第3世代統合型BIと呼ばれる従来のMicroStrategy 8の機能を踏襲しながら、ダイナミック・エンタープライズ・ダッシュボード機能を追加。新たにFlashやAjaxの技術を標準機能として統合することで、ビジネスダッシュボードにおいて、インタラクティブで美しいレポート表示ができるのが特徴。他のBIが、Flash機能を活用するために、一度、Excelにデータを取り込むのに対して、MicroStrategy 8.1では、統合BIとして生成された単一のメタデータを利用することから、リアルタイムでの表示や変更か可能になる。

 また、Flash、Ajaxという2つのレンダリング方式をサポートすることで、用途や環境にあわせた表示を可能にしているほか、Adobe Flex 2に対応しているため、Flex 2で開発したビジュアルウィジットの利用も可能となっている。

 「ダッシュボード上で、データから導き出された情報を、直感的に確認することができるようになる。また、さまざまなデータを組み合わせることで、複数の領域にまたがる多次元のパフォーマンスやフィードバックが、リアルタイムで可能になる」としている。


MicroStrategy 8.1では、グラフィック機能を強化 奥が従来のMicroStrategy 8でのダッシュボード、手前がMicroStrategy 8.1で提供されるもの 【動画】(WMV形式、約1MB) 営業報告書の一例。円はそれぞれの地域を示し、上に行くと一人当たりの売上高、右に行くと一人当たりの利益を示す。ここでは、月を追うごとに各営業所の売上、利益がどう変化することを視覚的に表示している。Flashの技術によって、ここまで可能になる

米MicroStrategyアジアパシフィック&ジャパンのテレンス・チャン プレジデント
 Enterprise BIフォーラムの冒頭にあいさつした米MicroStrategy アジアパシフィック&ジャパンのテレンス・チャン プレジデントは、「マイクロストラテジーが目指しているBIは、高度な双方向性と拡張性を満たすもの。従来のBIは、分析機能は強いがレポーティング機能が劣る、あるいは、レポーティング機能は強いが分析機能は劣るというものが多かった。MicroStrategyは、分析、OLAP、レポーティング、スコアカード&ダッシュボード、レポート&アラート通知という5つのBI機能を持ち、これらを、単一のソフト、単一のユーザーインターフェイス、単一のメタデータで処理ができる。また、IEをはじめとするWebブラウザを利用する、ゼロフット・プリントにより、多くのユーザーの共有利用が可能になる。多くの企業が、これらの標準化された機能によって、価値を得ており、企業におけるデータの共有価値を高め、意味のある情報を活用することができる」などとした。

 また、同社の2007年の取り組みとして、1)MicroStrategy 8.1によるビジュアリゼーションとダッシュボード機能の強化により、双方向性などを拡張、2)BlackBerryなどの携帯端末への対応による、どこでも利用できる環境の実現、3)64ビット化によるメモリ容量が劇的に増加した環境を活用することで、BIのパフォーマンスを大幅に向上、4)ユーザーに対して、BIを現実的なサービスとして提供するためのインプリメンテーション能力の強化およびシステムインテグレータをはじめとするパートナーとの連携強化、5)パートナー向け教育体制の確立、6)リレーショナルOLAPを活用したパーソナライゼーション機能の強化により、エンドユーザーが、いつでも、どこでも利用できるセルフサービス環境の提供―などをあげた。

 「エンタープライズBIは、ビジネスにおける要求のすべてに対応すること、すべてのデータに対応することが求められている。また、経営トップをはじめとする意思決定者だけでなく、多くの社員が利用できる環境を提供することも必要。さらに、データを扱うだけでなく、行動へとつなげることができるBIでなくてはならない。最前線の社員が利用することで、ビジネスの価値を高めることができるのが、当社が目指すエンタープライズBI」だとした。


マイクロストラテジー・ジャパンの岡村崇カントリーマネージャ
 また、日本法人の責任者であるマイクロストラテジー・ジャパンのカントリーマネージャ・岡村崇氏は、「MicroStrategy 8は、エンタープライズBIを可能にする第3世代のアーキテクチャによるもの。日本の多くの企業は、まだ第1世代と第2世代の中間地点にある。MicroStrategyは、長年の蓄積によって実現した高度なマイニングモデルによる分析能力や、リレーショナルOLAPによって、あらゆる部分からの分析が可能になるDrill Anywhereを可能にしている点が特徴。また、経営報告や業務報告のほか、請求書、明細書などにも適した企業に求められるエンタープライズレポーティングを実現し、バランススコアカードやダッシュボードでは、高度化とともにパーソナライズ化された環境を提供している。さらに、アラートや事前通知といった監視機能も強みのひとつ。これらを統一されたWebインターフェイスで利用できる点も特徴といえる」と説明した。

 岡村氏は、昨年8月にマイクロストラテジー・ジャパンのカントリーマネージャに就任。12月には本社を移転し、新たな体制で事業を推進している。

 「今回のイベントが、新生マイクロストラテジー・ジャパンの第一歩となる。パートナー支援、ユーザー支援の体制強化に取り組んでいきたい」と語った。

 なお、Enterprise BIフォーラムでは、MicroStrategyを導入しているファーストリテイリングおよびユニクロが導入事例を発表したほか、アドビシステムズが、MicroStrategy 8.1に見る、BIにおけるFlash技術を採用事例などについて説明をした。



URL
  マイクロストラテジー・ジャパン株式会社
  http://www.microstrategy.co.jp/


( 大河原 克行 )
2007/04/11 00:00

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