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NEC、ユビキタス時代に向けて「UNIVERGE」に4つの新ソリューションを追加

オフィスを飛び出してあらゆる現場でコミュニケーションを

執行役員常務の谷岸一善氏
 日本電気株式会社(以下、NEC)は4月17日、ITとネットワークを統合する「UNIVERGE」ソリューションの強化すると発表した。“UNIVERGEユビキタスワークプレース”というコンセプトの下、情報の共有化やコミュニケーションの活性化をオフィスからさまざまな現場に広げるための4つのソリューションを商品化、併せて米UnisysとUNIVERGE事業において協業を強化するとした。

 執行役員常務の谷岸一善氏は「NGN(Next Generation Network)の進展に伴い、ユビキタス時代の本格化が始まっている。そうした社会において特に要求されるのが“ビジュアル”と“セキュアモバイル”という分野。モバイル端末と社内環境の連携も技術としてこなれてきたので、今後は必然的に、オフィスから抜け出してあらゆる現場へと業務領域が拡大していく」と語る。

 こうしたニーズに対してNECが今回発表したのは、オフィスや店舗、工場、病院、ホテルなどのさまざまな職場の勤務者同士で必要な情報を共有したり、相互コミュニケーションを視覚的に行えるようにするための4つのソリューションだ。目的は「基幹システムを核として、ありとあらゆる現場をつなぎ、コミュニケーションサービス基盤を実現。現場の生産性を向上させること」(谷岸氏)。

 この構想が、同社が提唱する“UNIVERGEユビキタスワークプレース”の内容だ。


UNIVERGEソリューション推進本部長の星嘉一氏
 具体的に今回発表されたのは、「UNIVERGE 役員会議ソリューション」「同 モバイル文書閲覧ソリューション」「同 どこでも内線ソリューション」「同 テレワーク導入支援ソリューション」の4つ。

 役員会議ソリューションでは、役員向けのセキュアなペーパーレス会議を実現。備え付けられた大型ディスプレイに資料を表示、ペーパーレス化することで会議の準備などのムダを低減する。大型ディスプレイに映し出された資料には、電子ペンを使って手書きでメモすることも可能だ。UNIVERGEソリューション推進本部長の星嘉一氏は「役員の思考・行動モデルに基づくやさしいインターフェイスを採用した。経費の削減とともに、役員の迅速な意志決定を支援することができるはず」とアピールした。価格は、管理サーバーや役員会議クライアント×11台、液晶タッチパネルおよびICカード×11式などの構成で2700万円(税別)から。6月末のリリース予定。

 モバイル文書閲覧ソリューションは、現場から携帯電話を使ってオフィス内の文書を閲覧できるようにするもの。無線LAN搭載の携帯電話と無線LANのアクセスポイントがあれば、どこからで利用可能。NTTドコモ、au、ソフトバンクのマルチキャリア対応で、個人の携帯電話からも利用可能とのこと。価格は640万円(税別)から。4月末のリリース予定。

 どこでも内線ソリューションは、無線LANを利用できる環境であれば国内外のどこからでも内線電話を利用できるようにするもの。同社のSIP対応テレフォニーサーバー「UNIVERGE SV7000」と、VLIコミュニケーションズが提供するインターネット内線接続「Global Enterprise FMC サービス」を組み合わせて実現する。価格は300万円(税別)/年から。6月末のリリース予定。

 テレワーク導入支援ソリューションは、NECのテレワーク実践ノウハウを基に在宅環境の構築を支援するもの。価格は個別見積もりで、6月末のリリース予定。


UNIVERGE モバイル文書閲覧ソリューション 同 どこでも内線ソリューション 同 テレワーク導入支援ソリューション

 発表会ではこれらのソリューションを組み合わせた詳細なデモが実演された。本社と工場、海外ホテルにいる3者がインターネット越しに会議を行うという設定だ。会議の様子のほか、工場に設置された大型ディスプレイを使って本社内の資料を閲覧したり、工場内の従業員の所在地を表示して、内線番号を指でタッチするだけで電話をかけたりする様子などが紹介された。


工場に設置された大型ディスプレイ。通常は出荷状況などの情報が表示される。各ライン状況の一覧を表示することも可能 本社の文書を閲覧するために、携帯電話をICカードとして認証を行う 仮想的に本棚が表示される。タッチパネル形式で目的の文書を選択する

文書を表示。紙文書のようにめくるような操作感で閲覧が可能 プロジェクトメンバーの作業状況を確認。名前のほか内線番号も表示。タッチするだけで電話をかけることも可能 工場内の従業員の所在場所が表示される

本社、工場、海外ホテルにいる3者間でインターネット会議を実施。海外からは内線電話を利用して会議に参加している 携帯電話にも会議のプレゼン資料が表示される。PCとほとんど変わらない形式で表示可能。なお、画像が粗いのはモニターに投影しているため。本来はよりクリアに表示できるとのこと

 谷岸氏によれば、2006年度のUNIVERGEソリューションの売り上げ実績は3000億円、3~4年後には5000億円規模の売り上げを目指すという。そのために、ワールドワイドで2000社を超えるパートナーとの連携強化を今後も図っていくとのこと。その一環として今回、米Unisysとの提携強化も発表された。これによりUnisysの事業領域にUNIVERGEソリューションが追加される。「この提携強化により今後どうなるかの見通しはまだないが、全米トップ500社への参入を目指していくことになる」(谷岸氏)とした。



URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0704/1701.html


( 川島 弘之 )
2007/04/17 18:24

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