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日本オラクルがBIツールの新版を発売、自社製品との連携を強化


常務執行役員 システム製品統括本部長の三澤智光氏
 日本オラクル株式会社は4月19日、BI(ビジネスインテリジェンス)アプリケーションの新版「Oracle Business Intelligence Suite Enterprise Edition 10g Release 3」(以下、Oracle BI EE R3)の出荷を開始したと発表。プライベートイベント「Oracle BI Day」内で、常務執行役員 システム製品統括本部長の三澤智光氏が製品説明を行った。

 Oracle BI EEは、企業の現状を“見える化”するためのBIアプリケーション。Oracle Databaseだけでなく、メインフレームで利用されるDB2や、Teradata、SQL Serverなどさまざまなデータソースを統合的に分析できる特徴を持つ。

 三澤氏は、「企業がさまざまなチャネルでサービスを行うようになった今日では、分散したサービスそれぞれにデータが格納されており、顧客の全体のビューを見ることができなくなっている」と現状を指摘。その上で、「Oracle BI EEでは、(システムの)外にあるWebサービスのデータソース、現場で利用されるExcelやAccessなどを含めて、ばらばらのデータを1つの画面に統合できる」と導入のメリットを説明した。

 新版ではこうした柔軟さを受け継ぎながら、既存のOracle製品との連携を拡充しているのが大きな強化点。Oracle BI EEは、米Oracleが買収した米Siebelの「Siebel Analytics」をもとにしているため、製品間の連携が限定的だった。しかし新版では管理ツールであるOracle Enterprise Manager 10gとの連携対応など、「Oracle Fusion Middleware」の他ソフトウェアやOracle Databaseとの連携をより緊密に行えるようにしている。

 「BIと業務システムをSOAによって連携させていくことが、次世代のBIでは重要になってくし、重要な経営データを配信するということはセキュリティリスクがつきまとうため、ID管理やデータベースセキュリティなどのセキュリティ機能もBIでは必要。当社では、ライフサイクル全体をトータルに支援できる」(三澤氏)。

 またOracle BI EE R3ではレポーティング機能も大きく強化された。帳票開発ツール「Oracle Business Intelligence Publisher」(旧Oracle XML Publisher)を利用してさまざまな文書を作成でき、専用のレポート設計ツールではなく、ユーザーが使い慣れたWordやAcrobatなどを利用して帳票を作成することが可能だ。もちろん、このレポートにも複数のデータソースからデータを持ち込める。

 さらに、システムにログインして自発的にデータを取りに行くプル型だけでなく、イベントに応じて自動的に配信されるプッシュ型のアプローチが利用可能な点も、Oracle BI EEの特徴の1つ。メールやWebサービスでの配信に加えて、新版ではRSSによる配信にも対応し、RSSをサポートするアプリケーションへ、BIのアラートや情報を自動で提供できるようになった。

 このほか、物理的なデータマート構造の自動生成機能、マルチパスによる演算の最適化機能、ドラッグ&ドロップによるレイアウト編集機能などのサポート、64ビットOSへのネイティブ対応、クラスタリング機能やモバイル分析機能の強化なども行われている。


 加えて今回は、マスターデータ管理を支援するETLツール「Oracle Data Integrator」(ODI)、リアルタイムリコメンデーション支援ソフト「Real-Time Decision」(RTD)も新たに発売された。ODIの特徴は、従来のETLツールで必要とされていた中間サーバーを必要としない点で、これによってボトルネックを回避し、コスト削減、リアルタイム性の向上といった効果が得られる。なお、ODIはSunopsis、RTDはSigma Dynamicsと、いずれもOracleが買収した企業(知的財産)の製品であり、同社が体系的にBI関連ソリューションを強化してきた施策の一環として提供されるとのことである。

 価格は、Oracle BI EE R3が2812万5000円(税別)/プロセッサ、もしくは18万7500円(同)/指名ユーザー。ODIは、Oracle BI EEのオプションとして提供される場合で、750万円(税別)/プロセッサ、もしくは5万円(同)/指名ユーザー。RTDは1000万円(税別)/プロセッサ、などとなっている。



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1727
  http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1728

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  ・ 日本オラクル、複数データソースに対応可能なBIツールなど(2006/06/27)


( 石井 一志 )
2007/04/19 16:49

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