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NSPNのコンセプト
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通信・メディアソリューション事業本部長の富山卓二執行役員
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日本電気株式会社(NEC)は4月23日、NGN時代におけるサービスプラットフォームソリューションを「NSPN(New Service Platform empowered by NGN)」として体系化し、販売活動を開始した。
同社では、サービスプラットフォームを、企業のネットワークを活用して、他の企業や個人、グループ企業などに対してサービス提供を行う基盤システムと定義。NGNによる広帯域、帯域保証、高度なセキュリティを実現するネットワークインフラを活用したサービス基盤の提供に取り組む。
同社通信・メディアソリューション事業本部長・富山卓二執行役員は、「次の時代のカテゴリーとして、ITとネットワークを融合したサービスプラットフォームソリューションが求められてくると考えている。これまでは、個々のユーザーの要求に対応する形で取り組んできたが、こうした経験や、これまでのOMCS(オープンミッションクリティカルシステム)の延長線上の技術に、NGNを組み合わせることで、新たなサービスプラットフォームソリューションを提供できる」としている。
同社では、NTTドコモのCiRCUSや、NHKの映像アーカイブシステム、モバイルSuicaなどが、サービスプラットフォームソリューションの具体的事例とし、「通信や金融といった異なる業界の連動が前提となるケースが多い。かつてのITシステムは業務の効率化のツールとされていたが、今後は、基幹システムとサービスプラットフォームがより強く連携することで、利益を生むものへと変化することになる」(富山執行役員)とした。
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NSPNの概要
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NSPNでは、ビジョン、ソリューション体系、コンサルティング、システムモデル、サービスプラットフォームミドルウェア製品、プラットフォーム製品群、パッケージを統一的に提供するという。
ソリューション体系としては、業種やコラボレーションなどのソリューションを提供する「アプリケーションサービス領域」、情報管理/活用、セキュリティ、コミュニケーションといように業種を問わずに共通的に提供する「基本サービス領域」、自律型統合運用管理基盤やオンデマンドホスティング基盤などを組み合わせて、最適なマネージドプラットフォームサービスを提供する「プラットフォームマネージドサービス領域」の3つのソリューションを提供。
また、これまでの実績、ノウハウをもとに、システムモデル、ミドルウェアとして具現化することによって、ユーザーが提供するサービスに最適なシステムを、効率的に構築することを狙うほか、システムモデル検証センター(仮称)を新設し、新たなシステムモデルの開発・評価を行う考え。
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サービスプラットフォームソリューション体系
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サービスプラットフォームソリューション提供のフレームワーク
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サービスプラットフォームソリューションを支える同社の製品群
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相澤正俊取締役執行役員専務
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「NECは、これまでにも市場動向の変化にあわせて最適なソリューションを提供してきた経緯がある。NGN時代の到来にあわせ、IT/ネットワーク統合ソリューション領域におけるこれまでのシステム提案および構築実績を集大成することで、コンテンツ流通領域における映像活用システムモデルや、携帯サービスによる超並列処理システムモデル、電子マネー企業通貨によるモバイル決済システムモデルという形で、サービスプラットフォームの代表的なシステムモデルを確立できる」(NEC・相澤正俊取締役執行役員専務)としている。
さらに、業界連携、業際新サービスなどのビジネスモデル提案を行う「ビジネスコンサルティング」、新たなビジネスモデルを実現するためのシステムアーキテクチャ、処理方式を提案する「システムコンサルティング」の2つのコンサルティングサービスを用意。今後3年間に100人のコンサルティング要員を育成する。
ビジネスコンサルティングは同社の業種営業部門の社員で構成、システムコンサルティングはSEで構成する予定だという。
また、今回のサービスプラットフォーム事業の推進のための専任組織は設置せず、プロジェクト単位で稼働させる。これにより、業界連携、業際新サービスの立案、新ビジネスモデルの検討が、業種などの枠にとらわれずに柔軟に対応できるようになるとしている。
同社では、サービスプラットフォーム事業によって、今後3年間に8000億円の事業規模を見込んでいる。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0704/2301.html
( 大河原 克行 )
2007/04/23 17:59
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