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24時間365日の高可用性を実現したRDBMSパッケージ最新版「SQL Anywhere 10」


代表取締役社長の早川典之氏
 アイエニウェア・ソリューションズ株式会社は5月10日、RDBMSパッケージ「SQL Anywhere Studio」の最新版、「SQL Anywhere 10」日本語版を発表した。5月末日から出荷を開始する。

 SQL Anywhereは、高価なハードウェアを必要としない軽いRDBMSながらフル機能のSQLに対応する商用RDBMSパッケージ製品。ソフトウェア・ハードウェアへの組み込みやモバイル向けのRDBMSとして、ワールドワイドの実績を持つという。

 今回の新版は、「これまでにない、また今後もあり得ないと思えるほどの大きな変更が行われた製品だ」と代表取締役社長の早川典之氏は語る。変更点は大きく、1)パフォーマンスの向上、2)堅牢なデータ管理、3)生産性の向上、4)同期・統合の強化の4点。


エンジニアリング統括部長のリチャード・モーガン氏
 パフォーマンスの向上としては、ビュー用のデータをデータベース(DB)内に格納することで、複雑な処理実行時のパフォーマンスを改善する「マテリアライズド・ビュー」、処理競合のロックや待機時間を軽減する「スナップショット・アイソレーション」などの機能を実装、大幅にパフォーマンスを向上した。また、CPU負荷の高い1クエリを複数CPUで並列処理を行う「パラレル・クエリ」機能も搭載。「例えば、バックアップを同時に実行することが可能になるため、大容量DBのバックアップでも迅速に完了できる」(エンジニアリング統括部長のリチャード・モーガン氏)という。

 データ保護機能としては、「DB ミラーリング」を実現。プライマリとセカンダリのサーバー間で同期を取るだけでなく、自動ファイルオーバーにも対応することで、可用性を大幅に高めた。また外部からの不正アクセスに対して、暗号化機能も強化。従来のDB単位での暗号化に加えて、ファイル、テーブル、カラムなどの単位で暗号化を実施することが可能になった。これにより「顧客情報を格納するテーブルだけを暗号化するなどして、暗号化によるパフォーマンス劣化も抑えることが可能だ」(モーガン氏)。

 生産性の向上に関しては、さまざまな開発支援ツールを追加。アプリケーションやクエリのパフォーマンスをチェックする「アプリケーション・プロファイリング」機能や配布インストーラ作成ツール「ディプロイメント・ウィザード」などを盛り込んだ。また、Visual StudioからSQL Anywhere管理ツールへのアクセスを可能にするプラグインも追加し、異種DB間における同期環境の構築などをサポートするようにした。Visual Studio 2003/2005に対応する。


アプリケーション・プロファイリング画面。簡単にアプリケーションやクエリのパフォーマンスをチェックすることが可能 ディプロイメント・ウィザード画面。必要最小限の配布モジュールをWindowsインストーラ形式で作成可能 Visual Studio 2005との統合。SQL Anywhereを利用したアプリケーション構築が容易に

Mobile Link画面。同期設定がウィザード形式で簡単に行える
 同期・統合の強化では、基幹DBサーバーとクライアント端末上のDB間で、双方向の同期を実現するテクノロジー「Mobile Link」を搭載。自社・他社製を問わないさまざまなDB間の同期環境を、ウィザードベースで開発できるようにした。

 こうした機能強化に伴い、価格体系も大きく変更。従来、サーバーライセンス×1、クライアントライセンス×1で提供していた基本パッケージを、サーバーライセンス×1、クライアントライセンス×5に形式を変えた。同時に、これまで有償だったMobile Linkのライセンスなども同梱。価格は、従来の9万2000円(税別)から13万8000円(同)に変更された。「価格自体は若干上がっているが、内容を考えると、これまでより大幅に低価格になっている」(早川氏)とのこと。



URL
  アイエニウェア・ソリューションズ株式会社
  http://www.ianywhere.jp/
  プレスリリース
  http://www.ianywhere.jp/pr/20070510.html


( 川島 弘之 )
2007/05/10 18:19

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