|
日本CAの根塚眞太郎代表取締役社長
|
|
米CA ストレージ/ミッドマーケット担当シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャのロバート・デービス氏
|
日本CA株式会社は5月15日、企業で必要とされるリカバリ・マネジメント・ソリューションを包括した継続的データ保護(CDP:Continuous Data Protection)ソリューション、「CA ARCserve Replication」シリーズを7月から出荷開始すると発表した。
今回の新ソリューションは、米CAが2006年7月に買収したXOsoft社の特許技術「Rewind Technology」をベースに開発されたもので、リアルタイムで実行するレプリケーション(複製)機能を中心に、バックアップ/リカバリ、CDP、自動フェールオーバー機能を統合した製品群となる。障害発生時のデータおよびアプリケーションの迅速な復旧とデータ損失を最小限に抑える機能を提供することで、企業における業務やサービスの継続性の確保を実現する。
日本CAの根塚眞太郎代表取締役社長は、CA ARCserve Replicationシリーズの発表にあたり、「現在、当社におけるIT部門の顧客の80%以上が、データの消去は企業の存続にかかわると認識していながら、そのうち実際に対策を行っている企業は約30%しかないのが現状。今回のソリューションは、こうした企業に向けて統合的なリカバリ・マネジメントを提供するもの。これまで展開しているバックアップ製品に、このソリューションを加えることで、企業のさまざまなデータ保護のニーズに応え、ビジネスの継続性と成長を支援していく」と述べ、今後バックアップ市場とレプリケーション市場が「リカバリ・マネジメント市場」として収束していくなかで、同社がリーダーシップをとっていく考えを示した。
また、CA ストレージ/ミッドマーケット担当シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャのロバート・デービス氏は、「CA ARCserve Replicationシリーズは、ミッドマーケットの開拓を図るための戦略製品でもあり、ミッドマーケットの企業が求めるあらゆるリカバリ・マネジメントニーズに対応できるのが大きな特徴。米国では、ミッドマーケットにフォーカスした専任部隊を新設するなど力を注いでおり、今後も同分野のニーズに合った、より使いやすいソリューションを投入していく」と述べた。
|
CA ARCserve Replicationの機能
|
|
CA ARCserve High Availabilityの機能
|
CA ARCserve Replicationシリーズは、1)データプロテクション製品「CA ARCserve Replication」、2)アプリケーションの可用性を確保する製品「CA ARCserve High Availability」、3)リカバリ・テスト製品「CA Assured Recovery」、(4)データ配信・統合製品「CA ARCserve Content Distribution」、5)サーバーベースの継続的データ保護製品「CA ARCserve CDP solo」、の計5製品で構成される。
このうち、CA ARCserve ReplicationとCA ARCserve High Availabilityの2製品に、「Rewind Technology」技術がビルトインされており、これによって一般的なスナップショット技術では実現できなかった真のリアルタイムレプリケーションが可能になるという。具体的には、アプリケーションのイベントやデータの変更単位でさかのぼり、特定時点の状態に戻すことができるようになるため、「リカバリにかかる時間」と「どの時点までさかのぼってリカバリするか」という双方を最短化し、事業継続性だけでなくデータの完全性を証明することでコンプライアンスにも対応する。
各製品の主な特長としては、CA ARCserve Replicationは、各種ファイルおよびデータベースをレプリケーションし、ディザスタ・リカバリを実現。アプリケーションの変更に応じてレプリケーションを行うことで、最新のデータを確実かつ迅速にリカバリし、定期的バックアップや時間単位でのスナップショット技術を補完する。
CA ARCserve High Availabilityは、レプリケーションおよびフェイルオーバー/フェイルバック機能によって、ネットワークの種類や地域に関係なくハイアベイラビリティを提供。ユーザーは、障害が発生した際にもアプリケーションや情報リソースにアクセスし続けることができ、業務の継続性を確保する。
CA Assured Recoveryは、リカバリテストの際にレプリカ・サーバーのスプール領域を使用することで、リアルタイムレプリケーションを継続。これにより、本番環境を停止することなくサイトやシステムのリカバリテストを実現する。CA ARCserve ReplicationとCA ARCserve High Availabilityに、追加機能として搭載可能となっている。
CA ARCserve Content Distributionは、各拠点に散在するデータなどのコンテンツを、中央のデータベースで一括してバックアップおよびレプリケーションできるようにする。本店と支店など、各拠点間の「1対N」や「N対N」の安全なデータの共有と統合をサポートする。
CA ARCserve CDP soloは、Rewind Technologyのスタンドアロン製品。時間単位ではなく、イベント単位でのデータやアプリケーションのリカバリを行うことで、最新のデータを確実かつ迅速にリカバリすることが可能となる。RPO(目標復旧ポイント)とRTO(目標復旧時間)を大幅に短縮し、アプリケーションのダウンタイムとデータの損失を最小化する。
|
パートナープログラムの拡充
|
参考価格は、最小構成(2ライセンス)で68万400円から。出荷開始は7月からの予定で、まずCA ARCserve Replication、CA ARCserve High Availability、CA Assured Recoveryの3製品を出荷後、順次CA ARCserve Content DistributionとCA ARCserve CDP soloを出荷していく計画。
CA ARCserve Replicationシリーズの営業戦略としては、ターゲットとなるミッドレンジから大規模レンジの市場に向けて、ARCserveのパートナー網を有効活用し、ソリューション中心に全国展開を進めていく考え。あわせて、業種を問わずミッションクリティカルなストレージ運用のニーズにフォーカスし、事業継続性の確保やリスクの低減、法令遵守といったニーズをカバーしていく。
これにともない、パートナーを支援するための営業体制も強化。「専門のプリセールスとテクニカルサポートチームを新たに構築するとともに、パートナーに最新版の評価をしてもらうためのSWAT直結チームも設置した。さらに、研修サービスを拡充し、パートナー向けの販売トレーニングコースと技術トレーニングコースを用意した」(営業本部・藤岡健本部長)という。
このほか、CAチャネルパートナープログラムの拡充も図っており、CA製品販売に関する営業/マーケティング情報の発信・共有、共同マーケティングの実施、技術検証センターの提供、オンデマンド・サポートの提供などのサポートを行っている。
■ URL
日本CA株式会社
http://www.ca.com/jp/
プレスリリース
http://www.ca.com/jp/press/Release.aspx?CID=140078
( 唐沢 正和 )
2007/05/15 16:57
|