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日本テレロジック、組み込み開発環境の最新版など新製品群を発表

製品担当責任者が来日、プレス向けに機能説明

Telelogicアジア・パシフィック社長のスタッファン・ソーダーキビスト氏
 日本テレロジック株式会社は5月16日、組み込み開発環境および要件管理ツール、製品管理ツールの新製品を5月から販売開始したと発表した。これにあわせ、スウェーデンTelelogic AB.から製品担当責任者が来日、プレス向けにラウンドテーブルを開催し、新製品の特徴などを説明した。

 5月から販売開始した新製品は、モデル駆動型組み込み開発環境の最新バージョン「Telelogic Rhapsody 7.1」、プロトコルスタック開発ツールの機能拡張版「Telelogic SDL Suite 6.0」、要件定義・管理ソリューション「Telelogic DOORS Fastrak」、製品管理ソリューション「Telelogic Focal Point Focus on Product Management」の4製品。

 ラウンドテーブルでは、まずTelelogicアジア・パシフィック社長のスタッファン・ソーダーキビスト氏が、同社の概略と事業ビジョンなどを説明。日本市場については、「テレロジックは毎四半期ごとに業績が伸び、現在急成長している。とくに、アジア・パシフィック地域は、今年第1四半期には28%増と大きな成長を見せており、そのなかでも日本市場は非常に重要なマーケットと位置づけている」と述べた。


「Telelogic Rhapsody」の製品概要

「Rhapsody For Telecom Packaging」の製品構成
 続いて製品担当責任者から、各製品の主な機能や特徴などが紹介された。

 「Telelogic Rhapsody」は、モデル駆動型組み込みシステム・ソフトウェア開発における要求分析からテストまで、その全工程をサポートするツール。今回の最新バージョン「7.1」では、SysML1.0準拠の標準化サポートをより強化しており、これによってユーザーは複雑なシステムエンジニアリング設計の簡単なキャプチャ、他のプロジェクト関係者との円滑なコミュニケーションが可能となった。

 また、アジャイル開発手法のサポートを強化。新機能として、高度なラウンド・トリッピング機能とリバース・エンジニアリング機能、コードの構造を維持する強化された「コード重視」方式、総合変更レポートを備えたモデル・ベースのテスト機能などを提供する。

 このほか、フリーフローティングアクティビティ図、複数のアクティビティ図の関連付け、システムパートまたはブロックごとのステートチャート図、アクティビティ図のスイムレーン表記の改善などの新機能を備えている。

 なお最新バージョンの発売にあわせて、Rhapsodyソリューションの垂直的な市場展開戦略の一環として、テレコム開発者・技術者向けの特別パッケージ「Rhapsody For Telecomパッケージ」を提供する。「このパッケージは、テレコム開発者のニーズをすべて満たすために特別に設計したもので、これによりユーザーは生産性の向上、開発サイクルの短縮、品質の向上を実現できる」(Telelogicモデリング製品事業部門チャネル・ビジネス開発シニア・ディレクターのジム・マックエルロイ氏)という。さらに、マーケット特化した言語サポートとして、自動車のECU開発向けに世界で初めてAUTOSAR仕様に対応した「Rhapsody AUTOSAR Pack」も用意している。


RhapsodyとSDL Suiteとの統合
 次世代プロトコル開発向けにカーネル・アーキテクチャを向上した新製品「Telelogic SDL Suite 6.0」では、複雑化する次世代ワイヤレス・コミュニケーションプロトコルに対応するコード生成機能を拡張。これにより、2Gおよび3G無線システム開発プロセスの最適化、さらには将来の4Gシステムへの準備も可能となる。

 また、Linux Host、Windows Vista、UMLの統合を強力にサポートする。とくに、「Telelogic Rhapsody」との統合によって、新たにエンド・ツー・エンドのUML/SDLソリューションを提供し、開発時間の短縮と品質の向上を実現。携帯電話プロトコル・スタック開発プロジェクトを強力にサポートする。


「Telelogic DOORS Fastrak」の特徴
 要件定義・管理ソリューションの新製品「Telelogic DOORS Fastrak」は、開発サイクルの短いプロジェクトに要件管理を求める新しいユーザーをターゲットに開発したもの。低コストですばやく導入できるようWebベースのソリューションとなっており、「革新的な自動ワークフローと段階的なユーザーガイドによって、要件情報の把握からレビュー、抽出、実装、テストまでの一連のプロセスをわかりやすくし、すばやく簡単に実行できるのが特徴」(日本テレロジック セールス&マーケティング要求管理製品担当セールス・スペシャリストの井上良孝氏)としている。

 さらに、Webベースのアクセスと役割ベースのビューにより、要求の取得とレビュープロセスにステークホルダーを直接関連付けさせることができるため、ステークホルダーもチームメンバーに含めて、その要件の進ちょくと完了に関して最新の情報を簡単に共有することが可能となる。


「Telelogic Focal Point Focus on Product Management」の特徴
 製品管理向けの「Telelogic Focal Point Focus on Product Management」もWebベースのソリューションで、マーケット主導型の製品管理に対応し、要求収集から要求管理まで製品管理全体を総合的にサポートするのが特徴。「製品ライフサイクル管理全般において、見える化、優先順位付け、分析および計画立案の機能を提供し、製品ラインの成功が高まるようプロダクト・マネージャの戦略的かつ適切な意思決定をサポートする」(Telelogicアジアパシフィック要求管理および製品ポートフォリオ管理担当ビジネス・マネジャーのクリスチャン・パーソン氏)という。

 主な機能としては、アイデア収集の自動化を実現。これにより、プロダクト・マネージャは、電子メールやWebベースでの収集/分析ツールを通じて、アイデアや製品要件を内部関係者および顧客から自動収集することができ、レポート作成と意思決定が簡単に行えるようになる。また、製品仕様に関する意思決定時には、顧客の価値を把握し、正しい選択をすることで、価値の最大化と新製品にかかる費用の最小化を実現することができる。



URL
  日本テレロジック株式会社
  http://www.telelogic.co.jp/


( 唐沢 正和 )
2007/05/16 18:17

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