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米BEA Systems、ビジネス・インタラクション部門 プロダクトマーケティング シニア・ディレクターのジェイ・サイモンズ氏
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日本BEAシステムズ株式会社(以下、日本BEA)は5月18日、「Web 2.0」の利便性を企業内で実現する統合ソーシャル・コンピューティング・ソフトウェアの3製品、「BEA AquaLogic Pages」「同 Ensemble」「同 Pathways」を発表した。
最近、WikipediaやYouTubeをはじめ、Web 2.0の技術をいち早くビジネスで利用し成功している企業を多く見受けるようになった。「こうした成功は、Web 2.0のテクノロジー自体の性能に理由があるのでなく、このテクノロジーをうまく利用して“ユーザー参加型”のサービスを実現したところに理由がある」と米BEA Systems、ビジネス・インタラクション部門 プロダクトマーケティング シニア・ディレクターのジェイ・サイモンズ氏は語る。「つまり、情報を共有できるようにした上で、1つのコンテンツを複数の人がつくりあげていくモデルを作りだした点がポイント。これが情報の質・幅ともに充実させる結果となり、さらなる成功へと連鎖していったと考えられる」(同氏)。
今回の新製品は、こうしたコンシューマの手によって発展してきたWeb 2.0の利便性を企業内でも実現し、それによって企業内の情報の質や生産性を高めようというのがコンセプトだ。
BEA AquaLogic Pagesは、HTMLやJavaなどの開発言語を知らない人でも、簡単な入力とボタンを押していくだけで、Webページ、あるいはWebアプリケーションを作成できるツール。基幹系などバックエンドのシステムからデータを直接引き出して、Google MapやRSSフィードなどのコンポーネントと連携させることができるのが特徴だ。
「例えば、顧客情報に地図情報を連動させて、さらにその顧客に関する情報を企業内で共有し、Wikipediaのように企業内の誰もが情報追加していくようなWebアプリケーションが容易に作れる」(同氏)。
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地図情報と連動したWebアプリケーションを作成する様子が実演された
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こうしたUI自体もBEA AquaLogic Pagesで簡単に作成できる
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BEA AquaLogic Ensembleは、アプリケーション、ウィジェットなどの多様なWebリソースを管理するとともに、それらを既存もしくは新規のWebアプリケーションにマッシュアップできるようにするツール。例えば、作成したウィジェットを同 Ensembleを通すことでXML化、開発中のコードに組み込んで、容易に機能統合することが可能になる。また再利用可能なWebリソースを開発者同士で共有する機能も提供する。
BEA AquaLogic Pathwaysは、企業内のコンテンツや人にタグ付け、ブックマーキングを行い、さまざまな企業リポジトリに格納された情報を検索して分類することができるツール。「好きなWebサイトをインターネット上でブックマークして共有する実在のサービスのように、企業内でコンテンツを探す際、ほかの人がつけたタグなどを基に検索が行えるので、もっとも重要で関連性のあるコンテンツを見つけ出すことが可能」(同氏)とのこと。
国内では2007年夏ごろに出荷開始する予定だ。
なおサイモンズ氏は、「企業はいま、急速なビジネス変化への追従や、意志決定のために膨大な情報収集を強いられている」と指摘。日本BEAではこうした課題に対して、SOA(サービス指向アーキテクチャ)やBPM(ビジネスプロセス管理)などのソリューションを提供してきたと説明した。今回の新製品は、こうした試みをさらに拡張して、企業の効率や生産性を高めるものだという。「Pages、Ensemble、Pathwaysの頭文字をとると“pep”、これは偶然にも英語で“活気づける”や“楽しい”という意味がある。今回の製品群では、Web 2.0のメリットをスムーズに企業内に取り入れて、コンシューマ世界と同等の気軽さで情報がシェアできる基盤を実現し、企業が活気づくように支援したい」(同氏)とのことだ。
■ URL
日本BEAシステムズ株式会社
http://www.beasys.co.jp/
プレスリリース
http://www.beasys.co.jp/news/japan/2007/2007051801.html
( 川島 弘之 )
2007/05/18 18:20
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