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クオリカ、HPのシステムを利用したシンクライアントのASPサービス


常務執行役員アウトソーシング事業部長の阿部清人氏

QuaBizのサービス内容
 クオリカ株式会社は5月24日、日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)のクライアント集中管理ソリューション「HP Consolidated Client Infrastructure(以下、HP CCI)」を活用したブレードPCのASPサービス「クオリカ・ビジネス・クライアント・ソリューション QuaBiz(以下、QuaBiz)」を発表した。7月1日より提供を開始する。

 QuaBizは、HP CCIで提供されるブレードPCを利用してシンクライアントシステムを月額課金で提供するASPサービス。同社常務執行役員アウトソーシング事業部長の阿部清人氏は、「情報漏えいや運用管理などの観点でシンクライアントシステムに関心を寄せる企業は多いが、PCと比べて初期導入コストが高い点や、管理コストに対する不安などが導入の妨げになっている」と指摘。「今回提供するQuaBizを利用することで、初期導入コストの削減と、運用管理の負担軽減を実現できる」と、シンクライアント導入の敷居を下げるサービスであるとした。

 QuaBizの利用イメージとして、外食産業などチェーン展開している店舗の端末利用や、テレワークでの利用などを紹介。「弊社は外食産業に対し、ASP型業務アプリケーションの導入実績がある。まずはこうした顧客を対象に展開していく」(阿部氏)と述べた。

 ASPで提供されるのは、ブレードPCと管理サーバー一式。別途、個人プロファイル管理や共有ファイル保管用にActive Directoryやファイルサーバーが必要。ブレードPCに導入されているOSはWindows XP Professional。Windows Vista Businessも今後対応を予定している。

 シンクライアント端末はオプションで用意。端末をオプションで提供する理由については、「企業内の既存PCをシンクライアント端末として利用できるようにしたため」(阿部氏)と説明。そのほか、コールセンター業務代行などがオプションサービスとして用意されている。

 最低契約台数は10台から。10台単位で増設することもできる。利用する規模や環境により価格は異なり、100台契約の場合で、ブレードPC 1台あたり月額1万1800円。


代表取締役社長の藤宮宏章氏

日本HP パーソナルシステムズ事業統括 執行役員 マーケティング統括本部長の松本光吉氏
 同社代表取締役社長の藤宮宏章氏は、「クオリカはコマツの全額出資子会社として1982年に設立された。その後、TISグループの一員となり、2003年に現社名のクオリカに社名変更をした。こうした経緯などにより、建機世界2位であるコマツのITインフラを担ってきた実績と、IT大手のTISのプロジェクトマネジメントスキル、そして流通・サービス業向けの独自パッケージソフトの提供など、ユーザー系と独立系の強みを併せ持っているのが弊社の強み」と説明。「こうした顧客基盤を活かし、QuaBizを展開する。目標は3年後の2010年度までに契約台数1万台、20億円の売上を達成する」と述べた。

 発表会には、日本HPからパーソナルシステムズ事業統括 執行役員 マーケティング統括本部長の松本光吉氏が出席。「われわれがシンクライアントシステムを紹介する場合、スペックを中心に説明しがちだが、このQuaBizでは利用者視点でサービス内容を説明しているのが印象的だ。今後QuaBizのようにクライアント・アズ・ア・サービスのような利用が中心になるのではないかと考えている」と、QuaBizに対する期待を述べた。



URL
  クオリカ株式会社
  http://www.qualica.co.jp/


( 福浦 一広 )
2007/05/24 17:00

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