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EMC Smartsの管理画面イメージ
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執行役員 マーケティング兼パートナーアライアンス統括本部長、古谷幹則氏
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コンポーネントの詳細なマッピングが可能だ
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EMCジャパン株式会社は5月31日、ITインフラ管理ソフトウェア製品群「EMC Smarts」を提供開始したと発表した。
EMC Smartsは、ルータ、スイッチなどのネットワーク機器をはじめ、サーバーやアプリケーションなどの情報インフラ全般を管理・監視するソフトウェア。もともとは米EMCが買収した米SMARTSの製品で、BTをはじめとする世界の主要プロバイダ11社がすでに採用しているほか、米Microsoftをはじめとするエンタープライズでも採用が進み、すでに3000サイト以上での採用実績があるという。
この製品では、情報インフラ内のネットワーク機器、サーバー、アプリケーションを自動検知して、それらの情報を自動的に収集することが可能。個々に異なるツールを用いて監視をしている場合と異なり、それらの情報を総合的に管理できるようになっている。
また障害切り分けの迅速化を第一に考えられており、あらゆるデバイスを集中的に監視して問題の発生を素早く検知し、原因の追及を迅速に行う。現在のITインフラ管理においては、障害回復時間のうち切り分けの時間が7割以上を占めるとのことで、EMC Smartsでは、この障害切り分けをいかに早く行えるかという点に注力しているのである。
大きな特徴としては、「ある問題を起こす原因を『モデル』として特定し、短時間で問題へ到達できるようにしている」(執行役員 マーケティング兼パートナーアライアンス統括本部長、古谷幹則氏)点が挙げられる。おおもとの原因から発生する二次障害・三次障害のパターンはある程度決まっているため、独自の「Codebook Correlation Technology」によって根本原因が持つ現象パターンをあらかじめ定義しておき、起きている事象をそこに当てはめて、迅速に原因を特定できるようにしているのだ。この際、条件が100%一致していなくても、症状が近いものを提示してくれるため、柔軟な対応が可能になっている。
また、アプリケーション監視アプライアンス「Smarts ADM」と連携させることにより、アプリケーションソフトウェア間の依存関係の自動検索などもサポートする。通常利用されるActive Discovery方式では、定期的にサーバーにアクセスして情報を取得するため、その存在が検知されていないサーバーの情報は取得できないし、情報を収集したある一定時期の状態しか確認することができない。しかしSmarts ADMでは、スイッチのミラーポートに設置し、パケットをキャプチャして解析するPassive Discovery方式を利用できるため、収集したパケットから総合的に状況を判断できるという。
「この連携によって、アプリケーションの影響を与える範囲が把握可能で、バージョンアップやデータセンター移行などの際にも有用に働く」(グローバル・サービス統括本部 テクノロジー・インプリメンテーション・サービス本部 シニア・テクノロジー・コンサルタントの鈴木聖氏)。
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執行役員 事業開発室長の藤生徹氏
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なお、こうして収集されたデータは、ITILの構成情報データベースであるCMDBに関しての基礎データとして活用することも可能。他社製の管理製品の上位に位置し、それらを統合して管理できるように設計されているので、連携のためのアダプタも多数用意されている。ただし、「ネットワーク管理機能においては最上位の機能を持つため、その部分は置き換えになる可能性が高い」(鈴木氏)としている。
価格は、最小構成(監視対象50ノードまで)で500万円程度から。EMCジャパンでは、金融・通信・製造の各業種や、データセンターなどを主な対象として販売を進め、当面は200社への販売を目標にする。ゆくゆくは、「EMCジャパンのビジネス全体の20%前後を占めるソフトウェア販売のうち、20%を占めるくらいに大きくしたい」(執行役員 事業開発室長の藤生徹氏)意向で、販売にあたっては、SI/NIベンダとの協業を積極的に行っていく考えを示している。
■ URL
EMCジャパン株式会社
http://www.emc2.co.jp/
ニュースリリース
http://japan.emc.com/news/emc_releases/showRelease.jsp?id=5125&l=ja&c=JP
( 石井 一志 )
2007/05/31 16:50
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