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ウェブメソッド、BPMスイート製品の新バージョンを発表

Software AGとの合併については「顧客にメリット」と強調

webMethodsアジアパシフィック担当上級副社長兼ジェネラルマネージャのアンディ・ウィルキンソン氏
 ウェブメソッド株式会社は5月31日、ビジネスプロセスインテグレーション(業務プロセスの統合)を実現するソフトウェアスイートの最新バージョン「webMethods Fabric 7」日本語版の出荷を開始した。これにあわせ、米webMethods 最高技術責任者(CTO)のマーク・ブライジンガー氏が来日、先に発表された独Software AGとの買収・合併の動きも含めてプレス向けに説明会を開催した。

 説明会では、まずwebMethodsアジアパシフィック担当上級副社長兼ジェネラルマネージャのアンディ・ウィルキンソン氏が、Software AGに買収・合併される件について触れ、「Software AGへの買収・合併については、現在手続きが進んでいる段階。ソフトウェア業界で27年の経験をもち、世界市場で高い知名度、評価を得ているSoftware AGと、同じくソフトウェア業界で10年の実績をもつwebMethodsが合併することで、それぞれがもつ能力以上のパワーが発揮できる強力な企業になる」と述べた。

 また、webMethods買収によるSoftware AGのメリットとしては、「当社では幅広い製品ポートフォリオをもっており、とくにSOA、BPM、統合製品に強みがある。Software AGでも、これらの分野における成長を目指しており、webMethodsの買収によりその目的を果たすことができる。Software AGでは、この買収を機に、今後数年以内に10億ユーロの企業になることを目標にしている」(ウィルキンソン氏)と説明した。

 アジア太平洋地域および日本市場への影響については、「合併にともなう大きな組織的な変化はないが、Software AGとwebMethods、両社の既存顧客に対して、よりよいサービスが提供できるようになるだろう。実際に多くの顧客から、今回の合併を喜ぶ声を聞いている。今回の合併は、すべての顧客、およびパートナーにメリットを与えるものになると確信している」(ウィルキンソン氏)と強調した。

 なお、製品面では、「両社が展開している製品群は、同じ市場をターゲットにしているのではなく補完関係にあることから、今後製品ロードマップが統合されたとしても、それぞれのユーザーへのサポートは継続して行われていく」(ウィルキンソン氏)との見通しを示した。


webMethods 最高技術責任者(CTO)のマーク・ブライジンガー氏

webMethods Fabricの機能

webMethods Fabric
 次に、webMethods CTOのマーク・ブライジンガー氏から新製品「webMethods Fabric 7」日本語版の説明が行われた。

 「webMethods Fabric 7」は、統合されたBPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)機能を搭載しているのが大きな特徴。主な機能は、人間・システム間両方のタスクフローのサポート、BPMNベースのプロセス、スイムレーンビュー、統合ビジネスルールマネジメント、ビジュアルかつアニメーション化されたプロセステストとデバッグ機能など。「BPMに必要な機能をすべて備えたスイート製品となっており、これによって、新たなビジネスシステムを容易かつ迅速に導入できるとともに、変化に対してリアルタイムに対応できる業務体制を構築できる」(ブライジンガー氏)としている。

 また、プロセス分析を効率的にする、先進的な業務のビジュアル化機能を備えているのも特徴で、ビジネスのベースライン分析、問題発生時のリアルタイムの原因分析、包括的なプロセスエラーの経歴レポートなどによって、エンドツーエンドでのプロセスの可視化を実現し、パフォーマンスモニタリングとリアルタイムの業務分析をサポートする。

 プロセス開発では、Eclipseをベースにしたプロセスモデリング環境によるコードレス開発機能を提供。Ajaxを活用したWebブラウザベースのアプリケーションを短期間で開発できるほか、150以上のコントロールによってエンドユーザーの使用感も向上させている。

 さらに、今回の新バージョンには、同社が昨年買収した米Cerebraと米Infravioのテクノロジーも組み込まれている。

 Cerebraは、メタデータで世界最先端のテクノロジーをもっており、新製品には、その技術を生かしたセマンテックメタデータライブラリを搭載。これによって、すべてのIT資産を完全に検索できるとともに、各IT資産間の依存・関連度と変更時の影響を分析することが可能となり、ビジネス/IT資産の再利用による開発コストの削減を実現する。

 一方、InfravioはSOAレジストリ/ガバナンスソリューションのトップベンダーで、同社のテクノロジーから「webMethods Infravio X-Registry」と「webMethods Infravio X-Broker」を新製品のコンポートネントとして組み込んでいる。これにより、SOAのライフサイクルにわたるガバナンス(統制・管理)が可能となり、システムのメンテナンス費用削減にも貢献するという。

 日本市場については、「日本は戦略的に重要な地域とみており、顧客の要望を積極的に取り入れている。今回の日本語版でも、マルチバイトのファイルを一括変換する機能を搭載するなど、日本の顧客がより使いやすくした」(ブライジンガー氏)としている。



URL
  ウェブメソッド株式会社
  http://www.webmethods.co.jp/


( 唐沢 正和 )
2007/05/31 17:45

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