メッセージング機能の強化点としては、HTMLメールやOffice 2007へ対応するとともに、Exchange Serverとの密な連携を実現。サーバー上にあるメールの検索や、フラグの設定、不在時のアシスタントの設定などが端末上で行えるようになった。IRM(Information Rights Management)保護されたファイルやメールの表示も可能だ。
Webエクスペリエンスの向上では、各種「Windows Live」サービスとの統合を実現。メッセンジャー、Web検索、Webメール、ブログなどのサービスが利用できるようになっている。そのほか、標準ブラウザの「Internet Explorer Mobile」を強化。JavaScriptやAjax、DHTMLやMHTMLといった幅広い標準規格へより強力に対応するとともに、VGAやWVGAなどの高解像度スクリーンに対しても最適化を行うことで、端末上での表現力を向上させている。Webブラウザ上での閲覧スピードについても、前バージョンより約30%向上させたという。
セキュリティ&開発性の強化としては、メモリカードのデータを標準で暗号化できるようになった。またWindows Mobile 5のメッセージング&セキュリティ機能パックから提供していた「ポリシー管理」をさらに高機能化。パスワードの有効期限や履歴制限、強制適用など設定できるポリシーの幅を拡張した。そのほか、日本語版では初となる「リモートデスクトップモバイル」機能を搭載。PCやサーバー上で稼働するアプリケーションをリモートから操作することで、携帯端末をシンクライアントとして活用することが可能になった。
これらの特徴を持つWindows Mobile 6では、以下の3つのエディションが用意される。音声通話中心でタッチスクリーンを必要としない端末向け「Windows Mobile 6 Standard Edition」、データ通信中心でタッチスクリーンを有する端末向け「同 Professional Edition」、非接続型でタッチスクリーンを搭載する端末向け「同 Classic Edition」の3つだ。これらを各用途にあわせて選択するとともに、標準搭載された「SQL Server Compact Edition」や「.NET Compact Framework」を利用することで、通信事業者や携帯端末メーカーはこれまで以上に容易な開発が行えるとのこと。
Windows Mobile搭載端末の出荷台数は、2006年には600万台、2007年は上半期だけで500万台と、急速に市場が成長している。米Microsoft、モバイルコミュニケーションビジネス ジェネラルマネージャのトニー・メストレス氏は「Windows Mobile 6としては年内に100万台の売り上げをめざす」と意気込みを見せた。