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NECと米EMC、運用管理ソフト分野で製品強化-WebSAMとEMC Smartsを相互連携


発表会に出席した両社責任者
 日本電気株式会社(以下、NEC)と米EMC Corporation(以下、EMC)は6月12日、運用管理ソフト分野において製品の共同開発とモジュール・技術の相互供給を行うことを発表した。2006年4月に締結した戦略的アライアンスの成果と両社では説明している。

 今回、NECの統合運用管理製品「WebSAM」とEMCのITインフラ管理製品「EMC Smarts」を相互連携させることで、両社のソフトウェア事業を強化。NECは、EMC Smartsを「WebSAM Smarts」として販売することで、WebSAMの分析機能を強化する。一方のEMCは、WebSAMのシステム管理機能を自社ブランドで展開する。なお、販売されるWebSAM製品はパフォーマンス管理など特定の製品に絞られる予定。WebSAM Smartsは今月より出荷を開始。EMCによるWebSAMの販売は2008年を予定している。


2006年4月の戦略的アライアンスの成果のひとつ WebSAMフレームワークを共通基盤とすることで、両社製品の機能統合を実現 EMC Smartsの分析機能をWebSAMの分析機能に統合

NEC執行役員常務の丸山好一氏

米EMC主席副社長のハワード・エライアス氏
 NEC執行役員常務の丸山好一氏は、「EMCがWebSAMをシステム管理ミドルウェアとして販売することで、グローバルでのビジネス拡大が期待できる。一方、EMC Smartsの根本原因分析技術を用いた分析機能をWebSAMの分析機能として利用することで、複雑化・高度化したITシステムの障害監視に非常に有効」と、互いに補完関係にある組み合わせであると強調。「WebSAMの既存ユーザーに対する展開とともに、EMC Smartsを新規客獲得の素材として使いたい」と、販売拡大につなげていくとした。

 米EMC主席副社長のハワード・エライアス氏は、「EMC Smartsは、ITインフラ内のネットワーク機器やサーバー、アプリケーションの相互依存関係を自動的に把握することで、障害の根本原因を特定できるのが特長。また、ダッシュボードにより、現在何が起こっているかを一目で把握できるのも利点。今回、NECによるEMC Smartsの採用により、販売拡大につなげたい」と、相互の強みを活かす関係であるとした。

 販売目標について丸山氏は、「今後3年間で、EMC Smartsを適用したシステム数で300を目指す。規模によりEMC Smartsの価格はさまざまだが、1000万円を超える製品ではあるので、中規模企業以上を対象に販売していく」と説明。

 今回発表された運用管理ソフト分野以外での両社の協業の成果については、「ストレージ製品の開発については、近々に発表できるくらいになっている。それ以外については、一部活動を開始しており、具体的な成果も出ている」(丸山氏)と説明。エライアス氏も、「これまでの成果について、EMCとしても満足している」と、順調に進んでいると述べた。



URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  EMCジャパン株式会社
  http://www.emc2.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0706/1201.html

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( 福浦 一広 )
2007/06/12 16:14

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