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マイクロソフト、Forefront Client SecurityとSystem Center Essentials 2007を発表

セキュリティと運用管理を包括した統合ソリューション提供をアピール

サーバープラットフォーム ビジネス本部 コアインフラストラクチャ 部長の先名康明氏
 マイクロソフト株式会社は6月25日、セキュリティ製品群「Microsoft Forefront」と、システム運用管理製品群「System Center」のラインアップを強化すると発表した。Forefrontでは、同社初となる企業向けのウイルス対策ソフトウェア「Forefront Client Security」を7月2日に発売。System Centerでは、中堅・中小企業向けの統合システム管理製品「System Center Essentials 2007」を8月1日に発売する予定だ。

 Forefront Client Securityは、PCおよびWindows Server向けのウイルス対策ソフトウェア。過去に米Microsoftが買収したGeCAD Softwareをはじめとするセキュリティベンダの基礎技術をもとに、悪意あるソフトウェア駆除ツール、Windows Defenderなどの提供を通じて培ったセキュリティ技術を統合し製品化された。ウイルスやワームに対する機能はもちろん、スパイウェアやrootkitなどに対応するための技術も統合され、「個別にではなく、1つの製品でトータルに対応できるのが大きい」(サーバープラットフォーム ビジネス本部 コアインフラストラクチャ 部長の先名康明氏)という。

 特徴は、マイクロソフトのさまざまな既存技術と一体化されていること。Active Directoryと連携したユーザー管理機能によって、クライアントやサーバーにポリシー配布や更新ファイルの配布先情報を展開できるほか、定義ファイル(シグネチャ)をWindows Server Update Servicesによってクライアントやサーバーへ配信する機能を備える。先名氏はこの点について、「シグネチャと、セキュリティ更新プログラム(パッチ)の適用が管理者の大きな問題だった。この2つの作業を1つにまとめて行える点が大きい」とアピールした。

 加えて、System Center Operations Managerと併用することで、保護対象のPCの稼働状況をリアルタイムで監視し、セキュリティに関するさまざまな警告の収集を行える。さらに、SQL Serverのレポーティング機能も利用可能で、これらの使い慣れたマイクロソフト製品を利用することにより、新たな製品の利用法に習熟しなくても、これまでの延長線上でセキュリティ製品が導入できるという。

 価格例は、Open Valueライセンス(サブスクリプション)の場合で、PC1台あたり209円/月。Windows Vista Business/XP SP2/2000 SP4/Server 2003 SP1などに対応する。

 一方のSystem Center Essentials 2007は、中小規模システム向けの統合管理ツールで、最大30台のサーバーと、最大500台のクライアントPCを管理可能。System Center Operations Manager 2007の機能とWindows Server Update Servicesの機能が統合され、ハードウェア・ソフトウェアの資産管理や障害対応、セキュリティパッチやソフトウェアの配布・展開といった、日々の運用にかかわる機能を単一のコンソールから集中して管理できるように設計されている。価格は、System Center Essentials Serverが29万9000円、クライアント管理ライセンスが1万8800円/5ライセンス、サーバー管理ライセンスが1万8800円/ライセンス。


インテルの吉田和正共同社長(右)とマイクロソフトの樋口泰行代表執行役兼COO
 この発表の場に同席したインテルの吉田和正共同社長は、「運用管理と、セキュアな環境をいかに提供していくかということが重要になるが、マイクロソフトとインテルは力をあわせてこれを実現していく。ますます高い付加価値を提供できるのではないか」と話す。そして、Microsoft Systems Management Server 2003とvProを連携させるアドオンを共同開発した点など、この分野で両社が密接に協力してきたことに触れた上で、これからも共同でビジネスPCの運用管理性向上に向けた取り組みを進めていくとした。

 また製品発表に先立ち、マイクロソフト 代表執行役兼COOの樋口泰行氏があいさつに立ち、「経営者のITに対する認識がこの2年でかなり高まっているのを肌で感じている」とコメント。さらに、「ITの最適化、特にその中でもセキュリティとシステム管理という領域は重要だと考えている。ITの最適化ということにおいては、それにまつわるIT課題を解決するかが問題だが、これらはすべてセキュリティと運用管理をにらむことで包括的に実現でき、その結果トータルに生産性の向上、運用の簡略化、システムの統合を図ることができる」と述べ、ForefrontとSystem Centerの2つのブランドで顧客に提供できるメリットについて強調した。「企業向けの製品の導入で、企業のIT基盤をますます強化し、企業の競争力向上に貢献したい。パートナーからも一緒に働きやすい、お客様からも信頼されるITパートナーになるようにがんばっていく」(樋口氏)。



URL
  マイクロソフト株式会社
  http://www.microsoft.com/japan/
  プレスリリース
  http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3103

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( 石井 一志 )
2007/06/25 17:00

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