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サイボウズ、家電量販店で「サイボウズ Office」パッケージを販売


サイボウズの青野慶久社長(右)とジャングルの高田晃子社長(左)

サイボウズの青野社長は、「もともと箱(パッケージ)でやりたかったが、創業当時はお金がなくてできず、仕方なくダウンロード販売で始めた。会社が大きくなって満を持して発売できる」と笑顔でコメントした
 サイボウズ株式会社は7月5日、グループウェアソフト「サイボウズ Office 6 基本セット パッケージ版(10ユーザー)」を7月20日より家電量販店で販売すると発表した。サイボウズ Officeシリーズはこれまで、ダウンロード販売を中心に提供されてきたが、同社として初めて店頭市場へ参入する。価格は8万3790円。

 サイボウズ Office 6は、中堅・中小企業や部門での利用に向いたグループウェア。スケジュール管理、社内メール、掲示板、設備予約、ToDoリスト、共有アドレス帳など、一般的なグループウェアが備える機能を一通り搭載する。ユーザー数は、大企業向けの「サイボウズ ガルーン」とあわせて2万5000社を超え、国内では現在第2位のシェアを持っているという。

 サイボウズの青野慶久社長によれば、グループウェアの市場はここ数年ずっと横ばいで推移しており、企業の実に6割が導入済み。競合を見ても、シェア1位のNotes/Dominoをはじめ多数の企業が参入しているほか、社内情報共有ソフトとしては社内ブログも登場し、競争が非常に激化している状況だ。しかし、「国内で非常に数の多い10名以下の小規模企業では導入が進んでおらず、まだ6割の市場が残っている」(青野社長)ことに注目。その市場へ訴求するために、店頭販売を推進するという。

 「サイボウズガルーンを中心にここ数年は上向き(大規模向け)の力を強めていたが、下もそろそろいきたい。手にとって買っていただける環境を作ることで、小規模向け市場を開拓したいと考えている。3人いればスケジュールなど調整したいことは出るはずで、この領域にグループウェアが不要とは思わない」(青野社長)。

 パッケージ化は、これまでもさまざまなパッケージソフトを扱ってきたジャングルが担当する。同社の高田晃子社長は、店頭販売での意義について「特にIT系でもなく、グループウェアの概念も分かっていないような企業は、ダウンロード販売では購入しない。インターネットでの決済に抵抗がある顧客に対して、購入の機会を提供できる」と話す。また、「店頭販売を行えば、インターネットにアクセスしなくても製品を知る機会が生まれる。企業であれば必ず情報共有やスケジュールの共有は行っているはずで、今までサイボウズに出会っていなかった人に対して購入のきっかけを提供できるだろう」とも述べ、潜在ニーズの掘り起こしにもつながるだろうとした。

 ただし、価格が8万円を超えており、量販店の店頭で販売する製品として非常に高価な部類に入ることから、当初は地域の一番店や主要大型量販店などを中心に展開される見込み。両社では、2007年に200本、2008年に250本の販売を見込んでいる。



URL
  サイボウズ株式会社
  http://cybozu.co.jp/
  株式会社ジャングル
  http://www.junglejapan.com/
  ニュースリリース
  http://group.cybozu.jp/news/07070501.html


( 石井 一志 )
2007/07/05 17:54

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