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代表取締役社長の進藤達也氏
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アクセラテクノロジ株式会社は7月6日、エンタープライズサーチ製品「Accela BizSearch」を高速化する「イベント型インデクシング技術」を開発。「インデクシング高速化オプション NTFS用」として製品化し、同日から販売を開始すると発表した。
Accela BizSearchは、企業内検索用のサーバーソフト製品。サーバーに導入してネットワークに配置することで、企業内ファイルサーバー内のデータを自動でクローリング(精査)し、検索用インデックスを作成。ファイルの効率的な検索環境を実現する。すでに国内1074ライセンスを出荷するなど順調な売り上げを見せている製品だ。
しかし技術の進歩はめまぐるしい。昨今ではデータ容量が急激な増加傾向にあり、TB(テラバイト)が当たり前の時代に入っている。これだけ容量が増加すると、エンタープライズサーチソリューションには大きな課題が生まれてくる。代表取締役社長の進藤達也氏によれば、「ストレージ容量が少ない内はまだいいが、TBを超える大容量では、クローリングに膨大な時間がかかってしまう」というのだ。
実際に同社が検証した結果では、1TB HDDに4000万のファイルが存在する場合、クローリングに2.7日かかってしまったという。「夜中にクローリングを開始しても、その日の朝にはまだインデックスが更新されていないことになる。日々途切れることなく業務が行われる企業向けのソリューションとしては、これでは用をなさない」(進藤氏)。その対策としてはこれまで、検索サーバー自体を複数設置することで対応していた。しかし設置スペース面からもコスト面からも、データ容量が増えるのに従って、無限にシステムを追加していくのは不可能だ。企業内検索の実用化のためには、発想を転換するようなアプローチが求められていた。
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システム構成。TAP装置やスイッチのミラーリングポートを利用してパケットキャプチャ。ファイル操作に関する情報から直接インデクシングを行う
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そこで同社は今回、クローリングを高速化する「イベント型インデクシング技術」を開発。「インデクシング高速化オプション」として製品化を行った。
同技術は、パケットキャプチャ技術を応用する仕組み。ファイルサーバーセグメントの手前にTAP装置をかませるか、スイッチ製品のミラーリングポートを利用して、新規作成、上書き保存、オープン、消去、移動などのファイル操作に関するパケットをキャプチャリングする。その情報から直接インデックスを更新。これによりストレージ全体を精査する必要は一切なくなるので、数分間隔での更新も実現するという。
「ストレージ全体をクローリングする従来の方式では、今後さらにデータ容量が増えていくにつれ、ますますクローリングにかかる時間は増大してしまう。一方、ファイルの更新量自体は、従業員の数が急激に増えない限り、突然増大するものではない。なので、データ容量がどれだけ増えたとしても、インデックス更新時間を一定に保つことが可能」(進藤氏)とのこと。
インデクシング高速化オプションの価格は、500万円(税別、データ容量1TBまで)、750万円(同、データ容量5TBまで)、1000万円(同、データ容量20TBまで)、2000万円(同、データ容量無制限)など。オプションなので、300万円(税別)からのAccela BizSearchサーバーと併用する必要がある。なお今回はNTFS用のみ提供。NTFS、CIFSに対応するストレージであればすべて利用可能とのこと。
「今後はLotus Notes用などの提供も考えている。通信の暗号化も考慮に入れて、現状のパケットキャプチャ方式に加え、ログからファイル変更情報を取得する方式なども、今後検討していきたい」(進藤氏)との意向を見せた。
■ URL
アクセラテクノロジ株式会社
http://www.accelatech.com/
プレスリリース
http://www.accelatech.com/press/2007/press20070706.html
( 川島 弘之 )
2007/07/06 15:38
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