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ネットワールドとファルコンソフト、物理サーバーをVMware環境に復旧するリカバリソリューション


 株式会社ネットワールドとファルコンストア・ジャパン株式会社は7月12日、障害や災害発生時におけるサーバーの継続的データ保護(CDP)と仮想化環境への迅速な復旧を可能にするバーチャルリカバリソリューション「FalconStor CDP Virtual Appliance for VMware Infrastructure」を本日より販売開始したと発表した。出荷開始は8月中旬の予定。

 「FalconStor CDP Virtual Appliance for VMware Infrastructure」は、バックアップ対象サーバーのシステム(OS)領域からアプリケーション領域、さらにデータ領域までを、オンラインでリアルタイムにバックアップし、そのデータをヴイエムウェアの仮想化ソフトウェア「VMware Infrastructure 3」による仮想環境上に簡単・迅速に復旧できるソリューション。通常運用として、ファイルおよびフォルダ単位での物理的な復旧も可能だ。


米FalconStor Softwareのレージェン・フーアイ会長兼CEO

FalconStor CDP Virtual Appliance for VMware Infrastructureのキーとなる構成要素
 新製品の発表にあたって、米FalconStor Softwareのレージェン・フーアイ会長兼CEOが来日。フーアイCEOは、「ITを活用している企業にとって、増大するデータの保護とリカバリは非常に深刻な問題となっている。これらの企業に必要とされているのはスケーラブルなソリューションで、しかも複雑性がなく、かつ革新的なものが求められている。当社では、テープベースからディスクベースまで包括的なデータ保護ソリューションを展開しているが、パートナーとの協力関係のもと、こうしたユーザーニーズに応えられるソリューションを日本市場に展開できる非常によいポジションにいる」と述べた。

 新製品の特徴については、世界初の機能として、1)仮想/物理サーバーの完全なデータ保護、2)VMware Infrastructure用の仮想アプライアンス、3)迅速なリカバリを実現、4)100%のデータ整合性を保証、の4点を挙げた。

 特に、仮想/物理サーバーの完全なデータ保護では、リアルタイム保護を行いながら、バックアップ先で最大255世代までのスナップショットによる世代管理が可能で、アプリケーションやデータベースなどに対応したリカバリポイントを維持する。さらに、サーバーレスバックアップによりバックアップウインドウとホストへの影響を排除するほか、予期せぬ災害に備えるリモートレプリケーションを提供。これらによって、システムとデータ、物理マシンと仮想マシン、ローカルとリモートを問わず完全にデータを保護し、24時間365日のビジネス継続性をサポートする。

 また、「新製品の最大のメリットは迅速なリカバリができること」(フーアイCEO)とし、具体的にリカバリに要する時間として、ファイル/データベースリカバリが1分、V2Vリカバリが2分、メールボックスのリカバリが3分、P2Pリカバリが5分、P2Vリカバリが10分、ディザスタリカバリが30分と、従来に比べて大幅にリカバリ時間が短縮できることをアピールした。

 100%のデータ整合性では、災害などにともなうサーバー障害に対して、バックアップしたサーバー自体をVMware Infrastructureによる仮想環境上にそのまま仮想サーバーとして復旧できるという。その際、VMware ESX Server上にはディスクスペースを追加することなくリカバリを行うことが可能。この機能を活用することにより、災害対策復旧のリハーサルを、現状と同じシステム環境で、本番系システムを停止せずに簡単に行うことができる。

 FalconStor CDP Virtual Appliance for VMware Infrastructureの販売価格は200万円から。初年度2億円の販売を見込んでいる。


ネットワールド 専務取締役マーケティング本部長の森田昌一氏
 新製品の販売戦略について、ネットワールド 専務取締役マーケティング本部長の森田昌一氏は、「当社では、さまざまなメーカーのCDP製品を扱っているが、ファルコンストアの製品は、国内で入手できる現在最高レベルのCDP製品と位置づけている。今回の新製品は、その優れたCDP製品とVMwareの仮想化技術が融合したことが大きなポイント。国内トップのVMwareパートナーである当社の販売網を生かして、VMware製品のリセラーチャネルを中心に、サーバーメーカーにも新製品を訴求していく」方針を述べた。

 さらに、データセンター事業者に向けた新しいビジネスチャンスとして、「中小規模の企業がサーバーのバックアップを行う際、物理サーバーをそのまま物理的にコピーすることは、時間的にコスト的にも難しいのが現状。こうした中小企業に対し、新製品を活用して物理サーバーを仮想サーバーにコピーする『バックアップ仮想サーバー』を預かるサービスを提案していきたい」(森田氏)としている。



URL
  株式会社ネットワールド
  http://www.networld.co.jp/
  ファルコンストア・ジャパン株式会社
  http://www.falconstor.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.networld.co.jp/news/press2007/0712.htm


( 唐沢 正和 )
2007/07/12 16:34

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