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Salesforce Summer '07の主な新機能
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株式会社セールスフォース・ドットコムは7月18日、オンデマンドアプリケーション「Salesforce」の最新版「Summer '07」を発表した。提供開始は8月の予定。
最新版では、同社のオンデマンドプラットフォーム「Apex」向けの開発言語「Apexコード」を正式公開。Apexコードを利用することで、カスタムアプリケーションの開発や、Salesforceの既存コードのカスタマイズなどを行うことができる。同社製品統括本部本部長の内田仁史氏は、「ApexコードはJavaライクな言語であり、開発者にとってとっつきやすく、マルチテナント方式のメリットを享受できる。また、Salesforce SOAと組み合わせることで、外部サイトとシームレスな連携も可能」と、Salesforce内だけでなく、外部アプリケーションとの連携も実現できるとした。
そのほか、マルチSandbox環境や、数式条件が利用可能なオンデマンド・インテリジェント・ワークフローを新たに用意。「これまでもSandbox環境は用意していたが、最新版では複数のSandbox環境を展開できるようになった。これにより、開発用の環境、QA用の環境、トレーニング用の環境などそれぞれでテストを実行できるようになった。また、オンデマンド・インテリジェント・ワークフローでは、Excelライクな関数を利用した複雑な条件設定が可能になっており、より複雑なビジネス要件にも対応できるようになった」(内田氏)と紹介した。
また、北米のみで提供されていたSalesforce Customer Portal(旧称:AppSpace)もワールドワイドで提供されることになった。Salesforce Customer Portalは、企業と顧客のコラボレーションを実現するサービス。顧客向けの共有スペースを用意することで、各種サポートやプロジェクトの共有などのサービスを提供できる。価格は、1ユーザー・1ポータルあたり月額600円(税別)から。
使い勝手の面では、フォーカス移動でカレンダーを自動的にポップアップ表示する「日付選択カレンダー」や、各項目に入力すべきものをポップアップ表示する「カスタム項目のヘルプ」、クリックすることなく参照項目の情報をポップアップ表示する機能など、利用者の使い勝手を改善する機能が搭載された。
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Apexコードの特長
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オンデマンド・インテリジェント・ワークフロー
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代表取締役社長の宇陀栄次氏
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オンデマンドアプリケーションの開発環境を正式に提供したことで、これまでのSaaS(Software as a Service)からPaaS(Platform as a Service)を提供するサービスに進化したと発表。同社代表取締役社長の宇陀栄次氏は、「CRMからスタートしたSalesforceだが、昨年あたりからプラットフォームにフォーカスを当てたビジネスを展開している。中小企業での利用も多く、その利用方法を見ると、純粋にCRMやSFAを使っているわけではなく、コンプライアンス対策などの用途で利用する例もある。CRMは一部の社員のみが利用するだけだが、コンプライアンス対策であれば全社員が利用する可能性がある。Salesforceのプラットフォームを利用することで、複数の拠点で共通の基盤を利用することができる」と述べ、今回のApexコードの正式提供などにより、CRM・SFA以外の幅広い利用につなげていきたいとした。
■ URL
株式会社セールスフォース・ドットコム
http://www.salesforce.com/jp/
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( 福浦 一広 )
2007/07/18 15:02
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