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アイログがビジネスルール管理システムの新版を発表、サービスの再利用を支援


Rule Team Serverでのルール編集画面。日本語によるルール編集を行える

プロダクトマネージャの小野木真理氏
 アイログ株式会社は7月27日、ビジネスルール管理システムの新版「ILOG JRules 6.5」を発表した。価格は873万円からで、9月8日より販売を開始する。

 ILOG JRulesは、業務のルール設定に関する変更・操作を自動化し、効率的なビジネスプロセス管理を提供するためのソフトウェア。IT部門向けのルール開発・編集ツール「Rule Studio」、業務部門向けのビジネスルール変更・管理ツール「Rule Team Server」、シナリオ管理ツールの「Rule Scenario Manager」、実行エンジンにあたる「Rule Execution Server」、といったコンポーネントから構成され、ルールのライフサイクル管理全般を行えるという。

 今回の新版では、Rule Team Serverのクエリ検索機能について、より深い部分の検索が可能になる「セマンティック・クエリ」機能をサポートした。これまでのクエリ検索では、例えば「20歳以上の運転者」に適用されるルールを検索しようとしても、明確にそう記述されていない限り、検索することができなかった。

 しかしセマンティック・クエリでは、ルールの意味合いを深く掘り下げて検索することができるので、「18歳以上」「運転者全体」など、明確に記述されていなくても「20歳以上の運転者」が含まれるルールをすべて検出することが可能。これによって、「ルールのスパゲティ化を防ぎ、矛盾したルールの検知を容易に行えるようにしている」(プロダクトマネージャの小野木真理氏)という。

 また、透過性の高いルールベースのWebサービス「TDS(トランスペアレント・デシジョン・サービス)」をサポートしたことも大きな強化点。小野木氏は、これまでのSOAにおける問題点として、「いったん切り出されてしまうと、サービスの中身がわかりにくいため、サービス自体の再利用性が低かった」点を指摘し、ビジネスルールの可視化が必要だと主張した。

 そこでアイログでは、業務部門が内容を確認できるTDSによって、SOAコンポーネントの可視化を実現するという。ビジネスルールのサービス化にあたっても、ワンクリックでWSDL(Web Services Description Language)を自動生成できるので、コーディングする必要なくWebサービス化することが可能になっている。

 あわせて新版では、ルールエンジンの拡張性と処理速度を向上させており、社内テストの結果では、50人のエンドユーザーが、最大10万件のビジネスルールの編集を同時に行えることが検証されたとしている。

 アイログではこの製品を、主にテレコム業界と生損保業界へ展開する考えで、代表取締役ゼネラルマネージャの和多田茂氏は、さらに銀行や証券、ノンバンク、製造業などをその次のターゲットとしてあげている。販売目標は、初年度10プロジェクト。



URL
  アイログ株式会社
  http://www.ilog.co.jp/


( 石井 一志 )
2007/07/27 14:38

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