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日立ソフト 産業システム事業部長の植村明氏
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部品の組み合わせと定義によって、各種業務テンプレートを用意している
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日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社(以下、日立ソフト)と株式会社ビジネスブレイン太田昭和(以下、BBS)は8月6日、業種に特化した業務テンプレートによる販売・会計統合ソリューション「Fit-ONE」を共同開発し、同日から受注開始したことを発表した。第1弾として、専門商社向けの業務テンプレートを提供する予定で、正式リリースは2008年4月を見込んでいる。あわせて日立ソフトでは、Fit-ONEの発表を機に、産業向け基幹業務統合ソリューションを立ち上げることを発表した。
日立ソフト 産業システム事業部長の植村明氏は、「今回のFit-ONEの発表には大きく2つの意味がある。1つは、BBSとの共同事業の成果が販売・会計統合ソリューションとして形になったこと。そして、もう1つが、中堅企業向けの基幹業務統合ソリューションをテンプレート型という新しい形態のパッケージソリューションとして提供できるようになったこと。当社では今後、基幹業務統合ソリューション事業をスクラッチ型開発からテンプレート型にシフトし、SI事業の持続的成長基盤を確立していく。現在、基幹業務ソリューションの売り上げは約20億円だが、2010年度をめどに100億円まで拡大させたい」と意欲を見せた。
Fit-ONEの大きな特徴は、コンサルティングと業務テンプレートによるシステム構築をワンストップで実現する点。BBSが経営コンサルティング、会計システム、システム診断などのノウハウを提供する一方で、日立ソフトではシステム/アプリケーション開発、システム導入、システムコンサルティング、運用・保守のノウハウを提供。導入の最初にコンサルティングフェーズを設け、現状の業務整理、課題を明確化し、戦略策定を行った後でシステム導入フェーズに進むため、高い投資対効果が期待できる。
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日立ソフト 産業システム事業部 第2産業システム本部第2システム部 部長の立石寿郎氏
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Fit-ONEによって提供される3つのメリット
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基幹業務統合ソリューションのロードマップ
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また、システム導入フェーズでは、あらかじめ顧客の業種にあわせた標準的な業務テンプレートを用意し、これをベースに開発することで、パッケージよりも柔軟に、スクラッチ開発並みの業務適合性を実現する。さらに、汎用機能から業界特化機能まで豊富な部品群をそろえているため、パッケージ並みの導入期間でシステムを構築することが可能となり、大幅なコスト削減を図ることもできる。
日立ソフト 産業システム事業部 第2産業システム本部第2システム部 部長の立石寿郎氏は、今回のソリューションについて「両社のノウハウを活用し、“Only ONE業務にピッタリFitするFit-ONE”をコンセプトに、顧客の抱える課題、業務、コストに関する悩みにフィットするソリューションを開発した。これによって、従来のスクラッチ型開発に比べて、コスト半分、期間半分、満足度は倍の販売・会計統合ソリューションを提供していく」と述べている。
日立ソフトの導入実績から想定した標準的なFit-ONE導入モデルでは、開発期間が約1年間(スクラッチ型開発の約半分)の場合、開発体制はコンサルタント1名、PM1名、販売管理4名、会計3名、インフラSE1.5名、開発~テスト10数名で、販売・会計のテンプレートライセンス価格は5000万円からになるという。
なお、第1弾として提供する専門商社向け業務テンプレートの特徴は、1)経営の「見える化」を推進する営業個人別管理機能、2)専門商社特有の受注形態に対応、3)在庫を持たない運用の実現、4)債権回収の確実性向上を支援する管理機能、など。この第1弾を皮切りに、2008年から2010年にかけて、組立製造業や食品製造業向けに業務テンプレートを拡充するほか、販売・会計統合ソリューションの機能強化版をリリースする予定。さらに、SaaS対応などのソリューション展開も検討していく。
新たに立ち上げる産業向け基幹業務統合ソリューションの展開としては、今回発表した販売管理・会計業務ソリューションのFit-ONEと、すでに提供を行っている組立製造業向け生産管理ソリューション「ECObjects」を中心に、業種特有の業務をテンプレート化して提供することで、高コストになりやすいスクラッチ型開発や、独自性を生かせないパッケージ開発と比べて、顧客満足度の高いソリューションを提供する。そのほかの業務への対応では、セールスフォース・ドットコムが提供するオンデマンドCRMアプリケーション「Salesforce」との連携も可能となっている。今後、IT投資の伸びが予想される中堅企業を主なターゲットに、2010年度の売上目標100億円を目指して拡販展開を推進していく方針である。
■ URL
日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社
http://www.hitachi-sk.co.jp/
株式会社ビジネスブレイン太田昭和
http://www.bbs.co.jp/
ニュースリリース
http://www.hitachi-sk.co.jp/News/News464.html
( 唐沢 正和 )
2007/08/06 16:49
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