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アンテナハウス、既存システムでPDFに電子署名できるようにする開発モジュール


代表取締役の小林徳滋氏
 アンテナハウス株式会社は8月7日、PDFに電子署名やタイムスタンプを付けるための開発モジュール「アンテナハウス PDF電子署名モジュール V1.0」を発表した。同日から販売を開始する。

 同モジュールは、.NET、Java、C++で作成するプログラムから呼び出されるライブラリ。これを使って開発することで、PDFに電子署名やタイムスタンプを付ける機能を企業内システムやアプリケーションに組み込むことが可能になる。

 同モジュールでPDFに電子署名をつけることにより、署名後の変更・改ざんの検出、署名した人の正当性保証、PDF文書の版管理、などの効果が得られる。またタイムスタンプ機能を利用すれば、付加した時点で文書が存在したことを証明することもできる。

 署名には、自社で発行する私的な証明書と、認証局から発行された公的な電子証明書が併用可能。社内文書に申請者・承認者それぞれが電子署名をすることで、承認フローの正当性を確保。署名するとそれ以前の情報はロックされ、情報を追記することしかできなくなるため、例えば、申請内容を承認者が改ざんするといったことが防げる。公的な電子証明書によって署名をすれば、社外に配布するようなPDF文書において、配布元の正当性を証明するような利用も可能だ。

 また、電子署名の履歴が完全に管理されるので、あとから署名した時点へファイルを復元することが可能。Windowsでいうところの「システムの復元ポイント」を作成するようなイメージだ。これにより、「電子署名を行うタイミングでのPDFファイルの変更履歴・版管理が可能になる」(代表取締役の小林徳滋氏)とのこと。

 製品構成は、「GUI版設定プログラム」と「電子署名モジュール」の2つ。価格は、社内システムに組み込んで実際に社内運用が可能な「エンドユーザーライセンス」が50万円(税別)。システム開発目的でのみ利用できる「開発ライセンス」が20万円(同)。

 またタイムスタンプについては、RFC3161で定める標準タイムスタンプが利用可能。ハッシュアルゴリズムはSHA-1で、米Adobeなどが無料で提供している時刻同期サービスなどが利用できる。別途オプション費用が必要となるが、データ通信協会が認定する、より信頼度の高い日本の商用タイムスタンプサービスも利用可能とのこと。


GUI版設定プログラムで署名フィールドを作成。ここでは申請者と承認者欄にフィールドを追加した 申請内容を記入したら、まず申請者が署名 引き続き、承認者が署名。追記することしかできないため、申請者が記入した内容を承認者が変更することはできない


URL
  アンテナハウス株式会社
  http://www.antenna.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.antenna.co.jp/news/Psg10-20070807.htm


( 川島 弘之 )
2007/08/07 16:23

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