|
K-ASPで提供されるサービス範囲
|
|
同社代表取締役社長の松田利夫氏
|
|
K-ASPの利用イメージ。シングルサインオン環境で、Go-GlobalやAppStreamのアプリケーション配信機能が利用可能
|
株式会社きっとエイエスピーは8月9日、米Jamcracker社と日本国内におけるSaaSプラットフォーム製品販売およびサービス展開を行うことで合意したと発表した。今回の合意により、Jamcracker社のSaaSプラットフォーム製品「Pivot Path/JSDN」を、企業向けにシステム統合管理ツールとして販売する。あわせて、各種サービス事業者向けにオンデマンドソフトウェアサービス配信プラットフォームとして貸与する事業も行う。販売開始は、2008年1月の予定。
Pivot Path/JSDNは、ソフトウェアのオンデマンドサービスを短期間で構築できるプラットフォーム製品。ソフトウェアの配信機能のほか、ヘルプデスク、課金・集金・決済機能、ホスティングプラットフォーム、インフラ管理、配信契約などオンデマンドサービスに必要な機能を備えているのが特長。
同社代表取締役社長の松田利夫氏は、「Jamcrcker社は複数のASPをまとめる事業などをこれまで行っており、そのノウハウを生かしたのがPivot Path/JSDN。これを利用することで、さまざまなWebアプリケーションをシングルサインオンで利用可能になる。今回、このPivot Path/JSDNに、弊社の『Go-Global』や『AppStream』を組み込み、『きっとアプリケーション・サービス・プラットフォーム(K-ASP)』として国内向けに提供する。K-ASPを使うことで、パッケージソフトや自社開発したプログラムをオンデマンドで配信することが可能になる」と、Webアプリケーションに加え、既存のソフトウェアもSaaS化できるプラットフォームであると説明する。
K-ASPに組み込まれるGo-Globalは、サーバー上のアプリケーションのUI部分のみをクライアントPCに配信するアプリケーション配信サーバー。画面情報だけが配信されるため、クライアントPCのリソースに依存せずにアプリケーションを利用できるのが特長。また、WindowsアプリケーションをLinux上で利用したり、LinuxアプリケーションをWindows上で利用するなど、クライアントOSに依存することなく同一アプリケーションを利用できる。
一方のAppStreamは、インストールすることなくアプリケーションのプログラムそのものを配信する製品。プログラム全体を配信することなく、プログラムの一部を配信するだけでアプリケーションを利用できる。プログラムそのものを配信するため、配信後はクライアントPCのリソースをそのまま利用できるのが特長。また、ライセンス管理を強固に行えるため、どの程度アプリケーションを利用しているかの把握も可能となっている。
価格は、一般企業向けが100ユーザーの場合で500万円から。サービス事業者向けが、月額1万円から。なお、サービス内容・オプション機能により価格は異なる。
松田氏は、「K-ASPは、いわばソフトウェア即配屋台のようなもの。K-ASPそのものにはアプリケーションは含まれていないので、販売したいアプリケーションを仕入れ、K-ASPを利用して配信するという商売が成立する。われわれは技術者集団でもあり、販売に関しては得意な企業におまかせしたい」と、同社自身がSaaSプロバイダにはならず、プラットフォームの販売に徹すると説明。パッケージベンダーの協力が得られないと成立しないビジネスモデルではあるが、「パッケージベンダーにとっては、新しい流通ルートとなりうるモデル。実際、いくつかの企業とは話もさせていただいている」と、協力的なベンダーが増えているとした。
■ URL
株式会社きっとエイエスピー
http://www.kitasp.com/
( 福浦 一広 )
2007/08/09 17:11
|