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JIEC、ログ管理・保存・分析のSaaSサービス「Log Shelter」

「いずれはSaaS基盤そのものを提供したい」

技術統括本部 技術部リーダーの川端卓氏

Log Shelterサービスイメージ
 株式会社ジェー・アイ・イー・シー(以下、JIEC)は8月30日、内部統制に向けたログの収集、保管、分析をSaaS形式で提供するサービス「Log Shelter」を発表した。2008年1月からパイロット運用を、同4月に正式サービスインを予定する。

 Log Shelterは、内部統制の基本となるログの収集、保管、分析機能をネットワーク上で提供するSaaS型サービス。米SenSageのログ管理プラットフォーム「SenSage Enterprise Security Analytics(以下、SenSage ESA)」を利用することで、ログの統合・証跡管理を実現する。

 JIECは、CSK(現CSKホールディングス)と日本IBMの合弁企業として1985年に創業。以来、企業情報システムの根幹を支える基盤技術を強みとして大規模なシステム開発に従事してきた。内部統制に関するサービスも以前より展開しており、文書管理パッケージやIT全般統制サービスをはじめとした内部統制基盤ソリューションでは、すでに多くの実績を残しているという。

 今回SaaS事業に進出するに至った理由について、技術統括本部 技術部リーダーの川端卓氏は、「ICT活用に向けた施策として総務省がSaaS普及の促進を始めていることもあり、特に市場伸び率の大きいSMB市場においては、永続的収益モデルが確立できるSaaSはこれからが期待される分野」と説明。その上で「内部統制に費やされる投資は、2009年には7000億円を超えるとされる。しかも、継続的な運用が必要であることから、それ以降も市場は拡大していくと予想できる」と、内部統制をテーマに選んだ理由についても言及した。

 ではなぜ、SenSage ESAなのか。その理由は、同社が以前より同製品によるSIを行っていたためだ。RDBMSと比較して最大40倍の高い圧縮性能、全件スキャン時で200万件以上/秒という処理性能、さらにクラスタ化されたエンジン間で自動的にデータを分散配置する機能を備えるというSenSage。その製品自体の優秀さもさることながら、SIによって蓄えた知見によりサービスの品質向上が実現できる自信があったからこそ、SenSageを選んだと川端氏は語った。

 Log Shelterのサービス価格は、初期費用が65万円から。月額のサービス利用料が15万円から。月当たりのログ収集量と保管ログ総量の2点を考慮して従量課金していく。内部統制におけるログ管理では、業種によって要求されるログ保管期間が異なることがある。川端氏によれば、「従量制にすることでそうした業種間の利用形態の違いにも対応できるはずだ」とのこと。JIECでは、3年後に100社程度の導入を見込む。

 なお同社ではすでに、今回のログ管理SaaS型サービスの次の事業展開も検討している。同社の強みは何といっても“基盤技術”に関するノウハウだ。そこでJIECでは、今回のLog Shelterをベースとして今後SaaS事業をさらに拡大していく意向という。

 「今回のログ管理サービスが軌道に乗ったら、その経験をベースにSaaS型サービスのラインアップを拡充していく。具体的にどのようなサービスかは決まっていないが、やはり当社が得意の内部統制関連のサービスとなるはず。そして、今回のサービスでSaaSのノウハウを得ることができたら、今度はそれをベースに、SaaSの技術基盤を提供するようなサービスにまで発展させていきたい」(川端氏)との意気込みを見せた。



URL
  株式会社ジェー・アイ・イー・シー
  http://www.jiec.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.jiec.co.jp/whats/070830.html


( 川島 弘之 )
2007/08/30 15:51

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