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EMCジャパン、Documentumの最新版-WebサービスベースのAPIを用意


Documentum 6の主な機能
 EMCジャパン株式会社は9月3日、ECM(Enterprise Contents Management)プラットフォームの最新版「EMC Documentum 6」を発表した。9月末より出荷を開始する。

 Documentumは、Office文書やWebコンテンツ、マルチメディアデータ、メールなど企業内の非構造化データを一元的に管理できるコンテンツ管理製品。バージョン管理、アクセス管理、チェックイン・チェックアウトなどのコンテンツ管理機能を用意。また、複数の文書を仮想的にひとつの文書に統合できるバーチャルドキュメント機能、透かしや署名などを付加したPDFファイルへの変換機能なども用意されている。そのほか、ワークフロー機能も用意されており、ビジネスプロセスを形式化することもできる。

 最新版では、WebサービスベースのAPI「Documentum Enterprise Content Services(ECS)」を用意。ECSは、Documentumの機能をサービスとして提供するもので、独自のメソッドや用語を排除することでベンダーに依存しないECM用のフレームワークを構築できるのが特長。ECSを利用することで、SOA対応のアプリケーションとの連携を簡素化することができる。

 また、開発・設定ツールとしてEclipseベースの「Documentum Composer」を用意。このツールにより、コーディングが必要な箇所を削減。また、Java開発者にとってなじみのあるEclipseベースにすることで、開発生産性の向上にもつながるとしている。

 そのほか、支店等でのDocumentumのパフォーマンス向上を実現する「Documentum Branch Office Caching Services(BOCS)」を用意。これにより、Documentumで管理するコンテンツを支店側のキャッシュサーバーにも保管することで、コンテンツへのアクセス速度を高めることができる。コンテンツのキャッシュは、プロアクティブ型とオンデマンド型の2つがあり、用途に応じて使い分けられる。


Documentum Enterprise Content Services Documentum Composer Documentum Branch Office Caching Services

 米EMC EMCソフトウェア担当チーフ・アーキテクトのポール・リケット氏は、「1999年に登場した第1世代の製品では、記録管理やWebコンテンツ管理、デジタル資産管理など機能別ソリューションが中心で、情報は分散管理されていた。2002年に登場した第2世代の製品では、ECMスイートとして統合化を実現した。今回発表した製品は第3世代に属するもので、情報インフラストラクチャの一部としてECM機能を提供している。また来年発表予定のDocumentum 6.5では、アーカイブとECMの統合を予定している」と説明。

 同社代表取締役社長の諸星俊男氏は、「日本でのECM市場は他国と比べると小さいのが現状。その分、潜在ニーズは高いとみている。EMCとしても、今回の新製品投入を機に、Documentumビジネスを再度立ち上げる。(医薬・製薬業界など)既存顧客に対する販売強化のほか、Documentumの販売パートナーの拡大、そしてDocumentum技術者の質・量の強化を図っていく」と、積極的に取り組む考えを示した。


米EMC EMCソフトウェア担当チーフ・アーキテクトのポール・リケット氏 同社代表取締役社長の諸星俊男氏


URL
  EMCジャパン株式会社
  http://www.emc2.co.jp/
  ニュースリリース
  http://japan.emc.com/news/emc_releases/showRelease.jsp?id=5304&l=ja&c=JP


( 福浦 一広 )
2007/09/03 15:29

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