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シマンテック、インテリジェントにキャパシティ管理できる「Veritas NetBackup 6.5」

保護データの総量に応じた課金モデルも

マーケティング本部 プロダクトマーケティング部 リージョナルプロダクトマーケティングマネージャの浅野百絵果氏

NetBackup Platformのコンポーネント一覧
 シマンテック株式会社は9月5日、データ保護ソリューションの新版「Veritas NetBackup(以下、NetBackup) 6.5」を発表した。9月11日から提供を開始する。

 NetBackupは、デスクトップからデータセンターに至るUNIX、Windows、Linuxなどの混在環境のデータ保護を実現するバックアップソフト。さまざまなプラットフォームが混在する環境でも統合管理できるほか、単にサーバーのデータを保護するだけでなく、仮想化環境からのバックアップや重複データの排除などさまざまな技術を統合しているのが特徴。NetAppなど他社製品との連携性にも優れる。

 アーキテクチャとしては、中央にマスターサーバーを設置して、バックアップを行うメディアサーバーと保護対象のクライアントがやり取りする3階層の「Enterprise Server」モデルと、マスターサーバーがメディアサーバーを兼ねる2階層の「Server」モデルがある。メディアサーバーがストレージや各種バックアップ装置とやり取りすることでデータ保護を実現する。HDDベースのソフトウェア指向なソリューションであるため、テープバックアップをはじめ、スナップショット、CDP(継続的データ保護)、レプリケーションなどさまざまなデータ保護技術に対応した多彩なバックアップが行えるのも大きな特徴である。

 従来こうした機能は、14以上の追加機能として提供されてきたが、今回の新版では新しいライセンス・価格プログラムを追加。体系としては、これまで以上にシンプルなものへと刷新されている。具体的には、クライアントソフトを「Standard Client」「Enterprise Client」「Application&Database Pack」の3モデルに、オプション機能などを「Standard infrastructure」「Enterprise infrastructure」「Premium infrastructure」の3モデルに集約した。これによりどういったバックアップ環境を構築したいかによって、どのライセンスを購入すべきかが明確になったとしている。

 さらに価格設定に関しても、これまでのサーバー・クライアント台数による課金モデルに加えて、保護対象となるデータ容量に応じて課金する「キャパシティモデル」を採用している。

 このキャパシティモデルでは、利用するサーバー数やアプリケーション数に関わらず、“保護するデータの容量”に基づいて課金する。“保護するデータの容量”という点がポイントで、例えば、社内サーバーに10TBのデータがあり、データの運用上その量にあまり変動がないとすると、何度フルバックアップしてストレージ容量が膨大になろうとも、10TB分の料金で利用し続けられるのだ。その上、サーバーやクライアントの数には制限がないため、「大規模環境での対費用効果は非常に大きい」(マーケティング本部 プロダクトマーケティング部 リージョナルプロダクトマーケティングマネージャの浅野百絵果氏)という。

 参考価格としては、Standard infrastructure(1TB分)にクライアント1台で、200万円から。


14以上のクライアント、オプションなどを3つに集約。保護対象データの総量に応じた課金モデルも追加 キャパシティライセンスモデル3種類。サーバー・クライアント数に依存せず、混在させて購入することも可能なので柔軟性に富む

技術本部 プロダクトSE部 シニアプリンシパルシステムエンジニアの中島孝一氏

バックアップオプション新機能の一覧
 新機能については、技術本部 プロダクトSE部 シニアプリンシパルシステムエンジニアの中島孝一氏が説明した。今回、バージョン番号こそ6.5ではあるが、決してマイナーバージョンアップとは呼べないほど多くの機能が追加されている。まずは、「ストレージライフサイクルポリシー(SLP)」という機能。

 これは、データの重要度に応じてポリシーを定義。さらにポリシーごとにストレージの階層やデータ保護期間などを定義しておくことで、このポリシーに沿ってデータを自動的に移動、管理してくれるのだ。例えば、重要度の低いデータはテープにバックアップして6カ月間だけ保持、重要度の高いデータはHDDにバックアップして3週間保持した後、テープに移動してオンサイトに2カ月、オフサイトに6カ月保持する、といったように柔軟なライフサイクルポリシーの下、運用することができる。

 「メディアサーバーロードバランス」機能も追加された。複数台のメディアサーバーを設置しているような環境で、自動的に負荷の低いメディアサーバーを利用してバックアップを行ってくれる。「従来はクライアントとメディアサーバーが1対1でひもづけられていたが、この機能により柔軟で高い可用性が実現できる」(中島氏)。

 さらに「ディスクプール&インテリジェントキャパシティマネージメント」機能も実装。複数のHDDを共有ディスクプール化し、バックアップするのに最適なHDDを自動的(インテリジェント)に選択してくれる機能だ。バックアップの容量によっては複数のボリュームに分割して保存してくれるほか、SLP機能と連動してデータの価値によってキャパシティを管理することもできる。「例えば、容量が足りなくなった際に価値の低いデータから順に移動・削除するといったことも可能だ」(中島氏)という。

 2つを組み合わせて、複数のメディアサーバー間でHDDをディスクプールとして共有すれば、まさに高価なアプライアンスの機能をソフトウェア指向のNetBackupで実現できることになる。


ストレージライフサイクルポリシー機能 メディアサーバーロードバランス機能 ディスクプール&インテリジェントキャパシティマネージメント機能

 そのほか、「SAN Client」が新たに追加。SANを介してバックアップ・リカバリを行うことが可能になるため、従来型のLANバックアップに比べ、バックアップ・リカバリ時間を大幅に削減できるという。

 PureDiskと連携できる「PureDisk Deduplication Option」機能も特徴的だ。PureDiskはデータの重複を排除してバックアップを行うソリューションだが、これによりNetBackupクライアントからのデータも重複を排除して保存することが可能になる。ただし、PureDiskの現在のバージョンではまだNetBackupに対応しておらず、このメリットを生かせるのは、2007年末から2008年初旬に予定されるPureDisk次期バージョンの発表を待たなければならない。

 仮想化ソフトのVMwareからは、仮想イメージレベルでバックアップを行い、単一のバックアップからファイル単位でのリストアにも対応するという。もちろんPureDiskと連携させれば、仮想化環境においても重複排除が可能だ。そのほか他社との連携に関する新機能としては、「OpenStorage Disk Option」というAPIが提供。すでに数社のパートナーが自社のアプライアンスとNetBackupとの連携を検討しているとのこと。


SAN Client VMwareの包括的な保護 実際にバックアップを行っているデモンストレーション


URL
  株式会社シマンテック
  http://www.symantec.com/jp/
  ニュースリリース
  http://www.symantec.com/ja/jp/about/news/release/article.jsp?prid=20070905_01

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  ・ シマンテック、大規模環境向けバックアップソフトの新版「VERITAS NetBackup 6.0」(2005/09/06)


( 川島 弘之 )
2007/09/05 18:26

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