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SaaS型統合業務アプリ「NetSuite」新版、日本向け機能や導入支援機能を追加 |
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NetSuiteは、CRM（顧客関係管理）を中心に、ERP、eコマースの機能を提供するサービス。インターネットを通じて、ソフトウェアの機能をサービスとして提供するSaaS形式のため、面倒な設定作業、インフラの管理作業などを省略できるほか、初期費用をかけずに導入できる点もメリットという。 競合と比較しての特徴は、「スイートであること」（代表取締役会長の東貴彦氏）。これについては代表取締役社長の松島努氏も、「CRMがSaaSだと市場では思われているが、それは基本形ではない。また、ERPのみのソリューションにも課題がある。当社は（双方をそろえた）トータルソリューションを提供できるワールドワイドで唯一の企業だ」と述べ、複数のアプリケーションを統合して提供できることの優位性を強調した。また、はじめから多機能を盛り込んでおり、追加開発の必要が少ないこともメリットになる。「機能が多くて画面が一見複雑なようだが、機能を制限することによって最適な画面を作っていける。他社では、足りない機能を追加していく考え方なので、費用がかかってくる。コスト的な面でも当社は優位にある」（松島社長）。 今回の新版では、導入・運用のしやすさにフォーカスを当て、「ネットスイートアシスタント」機能を新たに導入した。この機能では、一般的なWindowsアプリケーションのインストーラのようなインターフェイスで容易に初期設定や運用管理を行える「セットアップ・アシスタント」、ドラッグ＆ドロップでのデータインポートを可能にした「データインポートアシスタント」、Webブラウザから見積書・注文書などのカスタマイズを行える「フォームアシスタント」などが利用できる。 また、「スイートアナリティクス」機能によって、ビジネスインテリジェンス（BI）機能を強化している。具体的には、Excelライクな計算式を組み込み、主要なビジネス指標をわかりやすく分析できる「パフォーマンススコアカード」、現在・過去の操業比率を表示し、資産回転率や売上高利益率などを分析する「財務比率スコアカード」などをサポート。従来から提供している、KPIと連携したダッシュボード機能などと併用することで、ビジネスの判断において有効に利用できるという。なおNetSuiteでは、自身が基幹業務用の統合データベースとして機能するので、データウェアハウスを用意することなく、BIを活用できるとのこと。 さらに今回は、請求書の発行管理機能や、日付情報における和暦の表示機能などが追加され、日本の商習慣に対応するための強化も多く行われている。
またこのエリアは、競合ベンダーもフォーカスを強めているエリアであるが、これについて東会長は「中小企業の市場は巨大な市場であり、むしろ参入は歓迎。多くの企業が参入することで、同市場におけるSaaSのモーメンタムが起こるだろう」と話し、多くの企業が参入すれば、共倒れになるのではなく、市場が活性化してプラスに働くだろうとの見解を示している。 なおネットスイートでは間接販売モデルを採用しているが、販売網の強化のため、松島社長を中心にパートナーチャネルの整備を進める考え。今後も、リセラーの獲得に力を注いでいくとのことである。 価格は、CRMのみを提供する「NetSuite CRM」が月額1万1000円（税別）/ユーザー、CRMと受注管理、パートナー関係管理の機能を備えた「NetSuite CRM Plus」が月額1万5000円（同）/ユーザー。CRM、ERP、eコマースの全機能が利用可能な「NetSuite」については価格検討中としている。 ■ ＵＲＬ ネットスイート株式会社 http://www.netsuite.co.jp/ ■ 関連記事 ・ SaaSでソフトを提供する米NetSuite、日本法人と日本向け製品の発売を発表（2006/05/25） ・ MJSがネットスイートに資本参加、開発・販売面でも業務提携（2006/11/17）
（ 石井 一志 ）
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