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アドビ、AjaxやFlexに対応したRIA開発ツール「Adobe ColdFusion 8」

スタンダード版のパッケージ販売を開始

Adobe ColdFusion 8の位置づけ

米Adobe Systems シニアプロダクトマーケティングマネージャーのティム・バンテル氏
 アドビシステムズ株式会社は9月20日、リッチインターネットアプリケーション(RIA)の開発、導入を迅速化、簡素化する開発ツールの最新版「Adobe ColdFusion 8」を9月21日から日本市場向けに販売開始すると発表した。

 Adobe ColdFusion 8は、動的なWebサイトやインターネットアプリケーションを構築するための機能を備えた強力な開発ツールで、開発作業の生産性を高め、複雑なエンタープライズ環境と連携し、表現力豊かで魅力的なリッチアプリケーション開発をサポートする。

 同社では、今回の新バージョンを“RIAのためのWebサービス統合ハブ”として、同社のRIA戦略の中核製品として位置づけており、米Adobe Systems シニアプロダクトマーケティングマネージャーのティム・バンテル氏は、「1995年に発売された当初のColdFusionは、企業のデータベース上にあるデータを、とにかくWebブラウザ上のHTMLデータにパブリッシュすることが主な目的だった。しかし、最新バージョンでは、目的とするデータリソースの階層をより深いところまで拡張し、Exchange Server、.NET、Java、Webサービスなど、企業がもつあらゆるリソースをすべて統合することが可能となった。さらに、単純なHTMLだけでなく、もっとリッチなアプリケーションを開発・提供できることも大きな特徴だ」と説明した。

 新バージョンの主な特徴としては、開発者が同製品を利用して開発したアプリケーションを、Adobe Flex、Adobe PDF、Adobe Integrated Runtime(AIR)、Adobe LiveCycleなど、さまざまなアドビの技術や製品との連携を実現。また、Ajaxベースのコンポーネントを活用することができるため、複雑な環境を直感的なインターフェイスに統合して、リッチなアプリケーションを開発し、展開することが可能となる。

 さらに、.NETおよびExchange Serverとの連携、Windows VistaおよびJBossへの対応を含むプラットフォームサポートの拡大など、最新エンタープライズデータベースとの統合を実現し、組織の効率性、相互運用性、拡張性の向上を可能としている。

 バンテル氏は、「新バージョンでは、RIAの開発を強力に支援するため、AjaxとFlexへの対応、PDFドキュメントのサポートなど新しい機能を追加しているが、既存のタグや機能についてもすべて見直し、最適化を行った。これによって、従来バージョンよりも大幅なパフォーマンス向上を図り、アプリケーションのさらなる高速化を実現している」と述べた。

 このほか、デベロッパーの開発生産性を高めるための新機能として、サーバーモニタリング機能の追加、対応言語の拡張、Eclipse向けエクステンションの提供なども行っている。


リッチなアプリケーションを開発 アプリケーションの高速化 簡単な開発

ColdFusion 8の製品構成

マーケティング部フィールドマーケティングマネージャーの夏秋朋史氏
 製品構成としては、「エンタープライズ版」と「スタンダード版」の2つのエディションを用意。エンタープライズ版は、単一または複数のサーバー上、および既存のJ2EEアプリケーションサーバー環境において、複数のWebサイトやアプリケーションを運用するために最適な高性能で拡張性の高いソリューション。参考価格は、通常版が102万9000円(2CPU)で、従来の126万円から約18%値下げし、購入しやすい価格設定としている。

 スタンダード版は、中小企業に最適な、簡単に管理・設計が行えるワークグループまたは単一のアプリケーション。今回のバージョンからは、従来のライセンス販売に加え、新たにパッケージ版およびダウンロード版の販売も実施する。参考価格は、通常版が17万8500円(2CPU)。エンタープライズ版、スタンダード版ともに、旧バージョンのColdFusion MX 6および7のユーザーは特別価格でアップグレードが可能となる。

 日本市場向けの販売戦略について、同社マーケティング部フィールドマーケティングマネージャーの夏秋朋史氏は、「パッケージ版の販売を開始するため、販売チャネルも広く拡大した。ライセンス版は、これまでどおりアドビマスターソリューションリセラーを通して販売を行うが、パッケージ版については、大手ディストリビュータおよびアドビライセンスセンターを通して、販売店や量販店、開発会社、アドビストアから手軽に購入できるようにした。また、アドビストアでは、ダウンロード版の販売も行っていく」としている。

 さらに、「ブロンズ」「シルバー」「プラチナ(メンテナンス&サポート)」の3種類のサポートプログラムを用意。ブロンズは、コンシューマ向けにインストール後の問い合わせなど、単発のサポートを提供する。税別参考価格は10万円/インシデント。シルバーでは、定期的なサポートが必要なクリエイティブプロフェッショナル向けに、中級レベルの問題に関するサポートを提供する。税別参考価格は125万円/年。プラチナ(メンテナンス&サポート)は、企業向け(サーバー製品)のプログラムで、緊急時の即時サポートやエキスパートレベルの問題に対するヘルプを提供するとともに、パッチやHotfixの提供、無償アップグレードの権利も含まれている。価格は別途見積もりとなる。



URL
  アドビシステムズ株式会社
  http://www.adobe.com/jp/
  プレスリリース
  http://www.adobe.com/jp/aboutadobe/pressroom/pressreleases/200709/20070920cf8.html


( 唐沢 正和 )
2007/09/20 17:40

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