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大塚商会、ERPソフト「SMILEシリーズ」を子会社OSKのブランドへ移管

中小企業向け新製品も発表、パートナー販売を推進

 株式会社大塚商会と株式会社OSKは9月26日、ERPソフト「SMILEシリーズ」のブランドをOSKに統一することを発表した。あわせて、中小企業向けの新製品として「SMILEisシリーズ」を10月19日より発売するとともに、中堅・大手企業向けの「SMILEieシリーズ」の機能強化版を11月初旬より出荷することも発表した。


OSKの宇佐美愼治社長

パートナー契約の状況

大塚商会 取締役兼上席常務執行役員 営業副本部長の片倉一幸氏
 SMILEシリーズは、1979年に大塚商会ブランドとして販売を開始。OSKでは、大塚商会グループの重点事業の一つとして同製品の開発を手がけ、プラットフォームの変更や商習慣の変遷などにあわせてバージョンアップを重ねてきた。今回、開発元であるOSKがブランドを所有するという、本来あるべき姿に戻すため、SMILEシリーズのブランドをOSKに統一することにした。これによって、ソフト開発メーカーとしてのOSKの独立性を高め、OSKのパートナーを通じたさらなる拡販を目指す。

 OSKの宇佐美愼治社長は、今回のブランド統一について、「これを機に、単なる大塚商会の子会社ではなく、独立した会社として成長していくという決意をもって事業を進めていく」との考えを示し、「当社では、すでに自社ブランドとして情報系システムの『eValueシリーズ』をビジネスパートナーを通じて販売しているが、今後は、SMILEシリーズもOSKブランドに加え、同様にビジネスパートナー経由で提供していく。両製品を同一ブランドで推進することで、さらなる高機能・高品質製品の提供を目指すとともに、コストパフォーマンスに優れた新たな製品提供モデルも採用していく」方針を述べた。

 OSKによれば、SMILEシリーズとeValueシリーズをあわせて、現在157社までビジネスパートナーが拡大しており、パートナーの事業内容にあわせた柔軟なアライアンス形態を用意しているという。さらに、これらパートナーをサポートするさまざまな支援プログラムも提供しており、教育プログラムでは「Webラーニング」、「リアルラーニング」、「リアルラーニングオプション」、認定資格制度では「ソリューションセールス」、「ソリューションアドバイザー」、「ソリューションコンサルタント」を用意するほか、パートナー専用サイトも立ち上げている。

 大塚商会 取締役兼上席常務執行役員 営業副本部長の片倉一幸氏は、「一般的には、SMILEシリーズ=大塚商会というブランドイメージが定着している。が、ここ数年でOSKのパートナー戦略が着実に拡大していることから、今回の新製品発売を機に、開発元であるOSKにブランドを統一することで、大塚商会グループ全体でSMILEシリーズのパートナー販売を推進していく体制を整えた。今後、大塚商会は、OSKのパートナーの一員として、SMILEシリーズのさらなるシェア拡大に向けて、拡販展開を活性化させていく」と語った。


SMILEisのフレームワーク

SMILEisのプラットフォーム
 今回のブランド統一にあわせて投入される新製品「SMILEisシリーズ」は、「企業に最適を、人に快適を。」をコンセプトに開発された中小企業向けの基幹業務システム。これにより、中堅・大企業向けのSMILEie、中堅企業向けの「SMILEαAD」に加え、専門要員の確保が難しいSOHOや中小企業まで幅広い業務の最適化に対応できるラインアップがそろうことになる。

 SMILEisシリーズの開発にあたっては、1)テクノロジー、2)ユーザビリティ、3)サポート、という3つのテーマをあげて取り組んでおり、テクノロジーについては、最新OS、マルチDB、64ビット対応を実現するとともに、アプリケーション実行管理や各種ログ機能、ユーザー権限など、内部統制に対応する情報セキュリティ機能を搭載している。

 ユーザビリティでは、利用者のスキルにあわせて画面やフォントのサイズ、色などを自由に選択できるようにした。また、使いたい項目やよく使う条件の保存と初期化、ユーザー個人用メニューの設定を可能にしたほか、メニューバーとファンクションキーへの統合、コンテキストメニューの採用、UNICODEの全面採用などを行っている。

 サポートについては、税制などの法改正があった場合、インターネット経由で最新版のプログラムを提供する。これによって、年末、年度末の繁忙期にも、システムの入れ替えや、設定変更に時間をとられることなく、安定した業務の継続を図ることが可能となる。

 SMILEisシリーズのラインアップと価格は、「SMILEis販売」が50万円から、「SMILEis会計」と「SMILEis給与」がともに25万円から。2007年末までに1000本の販売を見込んでいる。現在、「SMILEis CRM」の開発も進められているという。

 一方、中堅・大手企業向けのSMILEieシリーズでは、内部統制支援機能を大幅に強化した新バージョン「SMILEie Ver6.A」を発表。内部統制、コンプライアンスの機運が高まるなか、「コントロール機能」と「モニタリング機能」の充実を図っている。

 具体的には、コントロール機能では、基幹業務におけるデータの正確性や運用の透明性を高めるために、得意先・仕入先・商品などの各種マスタ入力業務や、受注・発注・売上・仕入・入金など各種の伝票入力業務において、情報の発生から最終承認までの承認プロセスの組み込みを実現した。また、モニタリング機能では、各種処理を実行したどうかを管理する基本的な実行ログ機能に加え、いつ誰がどのデータをどのように修正したかなどの履歴を、過去にさかのぼり詳細に追跡できる機能を実装した。これによりデータ修正の経緯を正確に把握できるようになる。価格は、「SMILEie 基準情報」が500万円から。



URL
  株式会社大塚商会
  http://www.otsuka-shokai.co.jp/
  株式会社OSK
  http://www.kk-osk.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.kk-osk.co.jp/press/press_2007092601.asp
  http://www.kk-osk.co.jp/press/press_2007092602.asp
  http://www.kk-osk.co.jp/press/press_2007092603.asp


( 唐沢 正和 )
2007/09/26 17:21

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