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サーバープラットフォームビジネス本部 アプリケーションプラットフォーム製品部の野田良平部長
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RFIDを例にとって、BizTalk Server 2006 R2の役割を示した概念図
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マイクロソフト株式会社は10月9日、ビジネスプロセス管理(BPM)ミドルウェア「BizTalk Server 2006 R2」の製品概要と、同製品にかかわるビジネス戦略を発表。サーバープラットフォームビジネス本部 アプリケーションプラットフォーム製品部の野田良平部長が、「新製品を組み込んだソリューションを『フルプラットフォーム』として訴求する。そのためにはパートナーが不可欠で、その支援のためのエコシステムを拡充していく。成長が期待できるRFID分野に注力する」などと述べた。
BizTalk Serverは、企業における各種業務システムを連携させるためのソフトウェア。その最新版となる同 2006 R2では、EDI(電子データ交換)をネイティブサポートし、システム開発をより容易に行えるようになったほか、EDI手法の1つである「AS2」にも対応している。またWCF(Windows Communication Foundation)ベースのアダプタフレームワークを提供することに加えて、これをベースとする基幹業務アダプタ「BizTalk Adapter Pack」の提供も予定する。
一方、RFIDとの連携機能を搭載した点も大きな強化点。RFIDリーダ・ライタなどのデバイスを抽象化し、接続を容易にする機能を提供できるため、「SIerは『ハードウェアをどう接続するか』ではなく『ため込んだデータをどう活用するか』という本来の目的の部分に、より注力できるようになる」(サーバープラットフォームビジネス本部 アプリケーションプラットフォーム製品部 荒井俊貴エグゼクティブプロダクトマネージャ)。
さらに、APIによるシステム連携や、製品自身が備えるサービスを利用したシステム連携などにより、バックエンドとの連携性を確保。加えて、マイクロソフト製品との高い連携性もメリットで、特に開発においてはVisual Studioを用いることで、スクラッチの場合と比べて工数を半分以下に抑えられるという。
こうした機能を持つBizTalk Serverについて、マイクロソフトではさまざまな分野への適応を期待しているが、その中でも、発展の望めるRFID分野に食い込んでいきたい意向だ。野田部長はこの市場について、「5年でRFIDタグの出荷は10倍になるというデータもあるが、そうしたインフラの普及に伴い、ソフトウェアとSIの成長も期待されている。年率50%以上の成長が期待できる市場で、当社でもこの市場へ注力していく」と述べ、期待感を示した。
また、自社をあくまで「パーツを提供しているベンダ」(野田部長)に位置付けているマイクロソフトにとって、顧客へソリューションを提供するためには、パートナーとの協力が必須となる。このため、いっそうのパートナー獲得と、獲得したパートナー内でのBizTalkビジネス比率向上を目指す一方、営業力・技術力など、パートナーごとの得意とするジャンルを伸ばすための支援を今後も継続して行っていく考え。具体的には、オンサイトのワークショップ提供や技術者資格の取得支援を実施するほか、ソリューション開発と、販売のためのマーケティング展開といった面でも支援を重ね、エコシステムを確立していきたいとしている。
BizTalk Server 2006 R2の参考価格は、最上位の「Enterprise」が699万円(税別)、中位の「Standard」が198万円(同)、下位版の「Branch」が34万6000円(同)、開発者向けの「Developer」が11万7000円(同)、となっている。
■ URL
マイクロソフト株式会社
http://www.microsoft.com/japan/
プレスリリース
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3221
( 石井 一志 )
2007/10/09 17:41
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