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日本オラクル、統合的なコンテンツ管理製品を発売

国内ECM市場のトップベンダーに

 日本オラクル株式会社は10月10日、統合的なエンタープライズ・コンテンツ管理(ECM)を実現する「Oracle Fusion Middleware」の新コンポーネントとして、「Oracle Universal Contents Management 10g Release3」、「Oracle Universal Records Management 10g Release3」、「Oracle Imaging and Process Management 10g Release3」の3製品を同日より出荷開始すると発表した。

 今回の新製品は、米Oracleが2006年12月に買収した米Stellentの企業向けコンテンツ管理ソフトを同社のラインアップに組み込んで投入する初の製品となる。


常務執行役員システム製品統括本部長の三澤智光氏
 常務執行役員システム製品統括本部長の三澤智光氏は、「ECMの市場は北米の3000億円規模に対して、日本は300億円程度といわれている。現在、北米では、単なる文書管理ではなく、コンプライアンスやガバナンスを目的に、効率的なイメージ処理とプロセス処理、さらには迅速かつ効果的なWebコンテンツ管理を実現するECM製品のニーズが急速に高まっている。日本でもこの流れは必ずくると確信しており、今回、当社が日本向けにECM製品を本格投入することをきっかけに、国内のECM市場規模をさらに拡大していきたい。現時点で競合ベンダーは見あたらないので、国内ナンバーワンのECM製品ベンダーとして市場開拓を推進していく」と意欲を見せた。

 3製品の中でも主力となるのがOracle Universal Contents Managementで、すべての産業界において、企業内各部門から全社レベルでのコンテンツ管理を実現する機能を提供する。具体的には、ドキュメント管理、マルチサイトWebコンテンツ管理、デジタル・アセット管理、保存管理、コンテンツ使用状況追跡、コンテンツ分類、コンテンツ変換など充実した組み合わせのコンポーネントが搭載されている。

 これによって、文書、図面、Webコンテンツ、画像、映像などすべての非構造化情報を、単一のプラットフォームかつ単一のレポジトリによって管理することが可能となる。さらに、Webコンテンツへの変換、フォーマット変換、Webサイトへの反映、印刷物などへの適切な出力といった作業を体系的かつ効率的に行うことができる。また、管理されるすべてのドキュメントやWebコンテンツの公開期間、保存期間、利用頻度追跡などのライフサイクルを管理することも可能となっている。

 同製品を使用することで、業務で必要なドキュメント管理や法令で定められたドキュメントの管理基盤をはじめ、コールセンターなどのナレッジ基盤、持ち株会社やグループ会社のWebサイトの統一管理やブランド管理基盤、安全なイントラネット、コンプライアンス対応などまで、部門レベルから全社レベルにわたるコンテンツ管理のための基盤を迅速に導入することができる。

 Oracle Universal Records Managementは、DoD5015.2に準拠したレコード管理システム。これにより、ファイルシステムを含めた複数かつ遠隔のリポジトリやさまざまなアプリケーションに置かれたコンテンツに対してレコード管理を行うことが可能となり、コンプライアンスとポリシーに則ったコンテンツ管理を実現する。

 Oracle Imaging and Process Managementは、手形、証書、送り状といった紙文書である原票を電子化し、画像を使用した業務ワークフローシステムを構築するとともに、それら電子化した文書の長期保存を可能にするソリューション。この製品が提供する画像処理は、オラクルのアプリケーション製品やほかのアプリケーションとの統合を含む紙文書の画像取り込みからアーカイブまでをカバーしている。また、同製品が提供するプロセス管理によって、電子化された紙文書の承認から保存までの一連のプロセスを自動化できるため、生産性の向上、および人的ミスの軽減を図ることができる。


Universal Content Managementの概要 今回発表したOracle ECM製品のラインアップ

 ライセンス価格は、Oracle Universal Contents Managementが1250万円/1プロセッサ、1ユーザー追加が25万円。Oracle Universal Records Managementが1250万円/1プロセッサ。Oracle Imaging and Process Managementが625万円/1プロセッサ、1ユーザー追加が12万5000円。「初年度で10億円のライセンス販売を目指す」(三澤氏)としている。

 新製品の販売戦略としては、Oracle Universal Contents Managementを企業向け文書管理の中核と位置づけ、新日鉄ソリューションズ、富士通ミドルウェア、三菱電機インフォメーションテクノロジーと協業して顧客への導入を推進する体制を整えた。また、Oracle Imaging and Process Managementは、ソリューションに組み込んで販売するバンクテック・ジャパンと強固なパートナーシップを確立してビジネス展開していく考え。なお、従来製品のOracle Content Databaseについては、Oracle Content Database Suiteとして、従来のパートナーと継続販売していくという。

 発表会の最後には、システム製品統括本部 営業推進本部 Fusion Middleware推進部長の龍野智幸氏が、国内における同社ECM製品の導入ケースとして、「設計・製造の現場」、「マーケティング・販促の現場」、「設備保全業務の現場」の事例を紹介。あわせて新製品のデモンストレーションも行われた。


システム製品統括本部 営業推進本部 Fusion Middleware推進部長の龍野智幸氏 Oracle ECM製品の導入ケース


URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/


( 唐沢 正和 )
2007/10/10 16:02

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