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「安い・簡単・使いやすい、中小向けでもOracle DB 11gは優位」-日本オラクル

Standard Edition/Standard Edition Oneを10月23日より提供開始

システム製品統括本部 クロスインダストリービジネス推進本部長の江口良和氏

小規模環境におけるOracle Database 11gとSQL Server 2005の価格比較。サポート料金を含めると、単純に価格が安いだけでなく、問い合わせ回数が無制限な点や、契約者が無償でバージョンアップできる点なども優位性だという
 日本オラクル株式会社は10月17日、中小規模向けデータベース製品の新版「Oracle Database 11g Standard Edition One」と「同 Standard Edition」を10月23日より順次提供開始すると発表した。

 9月に発表されたOracle Database 11gは、ユーザー環境でのテストを簡便化する「Real Application Testing」、バックアップサイトを有効活用する「Active Data Guard」といった新機能が目玉としてうたわれていたが、これらは最上位版である「Enterprise Edition」のオプションであり、中小規模向けの両製品では利用できない。それでは、中小規模に対してはどういったメリットはどこにあるのか。これについて、システム製品統括本部 クロスインダストリービジネス推進本部長の江口良和氏は、中小規模システムで求められる「安い」「簡単」「使いやすい」「速い」の4つをキーワードに取りあげ、そのメリットを説明した。

 まず「安い」という点については、Windows環境でのデータベースとして比較されがちなSQL Server 2005と比べた場合、Standard Edition Oneの5指名ユーザーライセンスが9万3000円(税別)、SQL Server 2005 Workgroup Editionのサーバーライセンス(5CAL付き)が9万2200円(同)となり、パッケージ自体の価格はほぼ同じ。しかし、24時間対応のサポート費用を付加すると、日本オラクル側が計11万3460円(税別)なのに対して、マイクロソフト側では計41万200円(同)となり、大きな差が生じる。また、クラスタシステムを構築する場合でも、対応OSの価格やサポートの価格差などから、やはり大きな差が生まれるとのこと。江口氏はこの結果について「基本機能は他社の3~5年先を行っていると思っているが、困ったときのサポートはやはり必要。オラクル製品は高いという誤解があるが、サポートサービスを含めた価格を見ると、世の中の印象とは違ってかなり安い」と力説する。


Oracle Database 11gでは自動メモリ管理機能が強化されている

マイクロソフトの開発環境に対してもサポートを継続している
 また「簡単」という点では、例としてメモリ割り当てを取りあげ、「Oracle Database 8i/9iのころは非常に細かい部分にまでメモリ割り当てが必要だったのは確か」(江口氏)としながらも、「自動化を進めており、Oracle Database 10gでは2つ、また同 11gでは1つのパラメータだけで良くなった」と改善を強調。「最新のOracle Database 11gでは、メモリ領域を割り当てさえすれば内部的にどう使うかを自動チューニングしてくれ、管理者が何もしなくとも、十分なパフォーマンスが得られる」と述べ、自動化の進展による管理者の負荷軽減が図られているとアピールしていた。

 次の「使いやすい」は、開発のしやすさとも言い換えられるという。この面でもOracle DatabaseはJavaをはじめ、PHP、PL/SQLなど多くのアプリケーション開発環境をサポート。さらに.NETベースの開発向けにも無償プラグイン「Oracle Developer Tools for Visual Studio .NET」を提供するなど、Windows開発者向けの支援策も一貫して提供してきたと主張している。加えて、常務執行役員 システム製品統括本部長の三澤智光氏は、あらかじめコネクションを確保しておくコネクションプール機能をPHPで利用するための「Database Resident Connection Pool」を取りあげ、ほかのデータベース製品との大きな差別化ポイントになると説明した。

 最後の「速い」では、各Edition共通の新エンジンにより、前バージョンと比べて大幅な性能向上を実現。江口氏は、ここでもSQL Server 2005と比較した結果を紹介し、「(TPC-Cベンチマークの結果である)tpmCを比べると、47%高速であり、コストも20%低く抑えられている」(江口氏)とした。

 1指名ユーザーあたりの価格は、2CPU以下のサーバー向けであるStandard Edition Oneが1万8600円(税別)、中小規模向けながらもOracle Real Application Clusters(RAC)に対応可能なStandard Editionが3万7500円(同)。いずれも、Linux版を10月23日から、Windows版を12月18日から提供開始する予定である。



URL
  日本オラクル株式会社
  http://www.oracle.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.oracle.co.jp/news_owa/NEWS/news.news_detail?p_news_code=1790

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( 石井 一志 )
2007/10/17 18:06

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