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日本HP、「個別見積もりではなく定額」のデータリカバリサービス

故障HDDをユーザーに引き渡すサービスも提供

パーソナルシステムズ事業統括 デスクトップビジネス本部長の平松進也氏

HP Total Care一覧。順次展開を拡大していく
 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は10月23日、PCのライフサイクル全体のサポート体系「HP Total Care」を発表した。第1弾として、HDD障害時にデータ復旧を行う「データリカバリサービス(DRS)」、ならびに復旧後に故障したHDDをユーザーに引き渡す「HD返却不要サービス(DMR)」の提供を開始する。

 HP Total Careは、工場生産時、配送時、ユーザー使用時、製品廃棄時などのPCライフサイクルに合わせた包括的なサポートサービス体系。米国ではすでに幅広く提供されているが、国内でも順次展開していく予定。ユーザー独自のカスタムイメージをあらかじめインストールして出荷するサービスや、工場内でのラッキングサービス、翌日配送のエクスプレスデリバリ、時間指定・時間帯指定、テクニカル専任サポートなど、多彩なメニューの体系化を進めている。

 第1弾となるDRSは、低価格を実現したデータ復旧サービス。従来、データ復旧を専門の業者に依頼すると、「障害度に応じて個別見積もりとなるため、高額になる場合がほとんど。数十万から数百万円になることもある」(パーソナルシステムズ事業統括 デスクトップビジネス本部長の平松進也氏)という。

 DRSでは、低価格にするため、「保険式の前払い定額方式」を採用。定額でかつ、契約期間中であれば何度でもデータ復旧が可能なサービスを実現した。ただし、保険式とあるように、HDDが故障してから今回のサービスを契約することは不可能。原則として、ハードウェア購入時に同時契約して、購入後30日以内に登録する必要がある。

 目標復旧率は、一般的な障害で90%、浸水などの重度障害で80%とした上で、「確約するものではなく、火災で内部が消失している場合、磁気が失われている場合などはデータを復旧することは不可能」(同氏)としている。万が一復旧できなかった場合も返金や違約金などの支払いには応じないので注意が必要だ。

 価格は、1万1550円(1年保証)、もしくは1万6800円(3年保証)。


DRS対象ハードウェア DRS価格一覧

DMR価格一覧。DER保証期間よりも、オンサイト保証期間が短い場合の価格には、オンサイト保証延長費用が加算されている
 一方のDMRは、故障し交換したHDDをユーザーに引き渡すサービス。昨今、個人情報漏えいなどの不安から修理業者に故障HDDを持って行かれるのを嫌がるユーザーが増えている。そうしたニーズに応えるため、故障HDDをユーザーに引き渡し、ユーザー各自で廃棄処分などを行えるようにした。7月からすでに提供中の「サーバ用HD返却不要サービス」の内容をデスクトップPC、ノートPC、パーソナルワークステーションに適用範囲を拡大したものである。

 こちらも保険式で、DRSと同様にあらかじめ契約しておく必要有り。DRSとペアで利用することも、DRSとは別に通常のオンサイト保証によるHDD交換後の利用も可能だ。

 価格は、4725円(3年保証)、6300円(4年保証)、7875円(5年保証)。ただし、これらのDMR保証期間よりも通常のオンサイト保証期間が短い場合は、オンサイト保証を延長する必要がある。例えば、オンサイト1年保証の製品でDMR3年保証を受ける場合は、オンサイト保証を2年延長して計3年としなければならない。延長する場合は上記の金額に延長分の費用が上乗せされる。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  ニュースリリース
  http://www1.jpn.hp.com/info/newsroom/pr/fy2007/fy07-173.html


( 川島 弘之 )
2007/10/23 13:09

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