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イージェネラ、他社ハードウェア向けのリソース管理ソフト提供を表明


米Egeneraのバーン・ブローネル上級副社長

PANの概念図
 イージェネラ株式会社は10月31日、自社プラットフォーム専用に提供してきたリソース管理ソフトウェア「PAN Manager」を、他社ハードウェア上でも動作させると発表。米Egeneraの創設者、バーン・ブローネル上級副社長がそれに関する説明を行った。

 イージェネラは、ゴールドマンサックスのCTOをしていたブローネル氏らによって、2000年に創設された新興企業。仮想化機能が売りのブレードサーバー「BladeFrame」を中核として、サーバーだけでなくストレージやネットワークを含めた、データセンター全体の仮想化ソリューションを提供してきた。

 その特徴は、SANのコンセプトをコンピューティングリソースに応用した「PAN(Processing Area Network)」。これは、CPUやメモリに代表されるブレードサーバーが持つ能力をコンピューティング(プロセシング)リソースとしてプールし、自由に利用できるようにするもの。個々のサーバーの能力を特定のアプリケーションやOSに縛り付けることなく、目的にあわせて柔軟に能力の提供を行えるようにするため、CPUなどのリソース利用率を高められる。ブローネル氏はこれを、「SANの世界ではディスクを共有するが、PANではそれがCPUとメモリに入れ替わる」と説明する。

 主要なハードウェアコンポーネントとしては、スイッチに相当する「sBlade」、PAN Managerが導入される管理モジュール「cBlade」、プロセシングリソースを実際に提供する「pBlade」などがあり、これらを組み合わせてシステムを構築する仕組み。すでに、多くのエンタープライズ企業での動作実績があり、これまでもイージェネラでは、競合ベンダを数年リードしていると言い続けてきた。ブローネル氏も、「重要度の高いアプリケーションが稼働する本番環境の中で6年も使い続けられており、その中で信頼性は実証されてきた」と自信を隠さない。

 しかし今回、イージェネラではすべて自社でハードウェアを提供してきた従来のアプローチを転換し、他社製ハードウェア向けのPAN Manager提供に踏み切った。ブローネル氏によれば、他社プラットフォーム向けのPAN ManagerをハードウェアベンダーにOEMし、そのベンダーのハードウェアにバンドルして提供される形になるという。対応ハードウェアは、ラック型サーバーやブレードサーバーが対象として検討されているが、PANを提供するために必要な要件を考慮すると、BladeFrameに近い構造が取れるブレードサーバーが中心となる見込み。

 ブローネル氏は、「当社製品を長年利用されている顧客から、ほかのプラットフォームでもPAN Managerを使いたいという要望が寄せられており、それを実現した。(BladeFrameを中核とするこれまでの)当社製品ではあくまでビジネスクリティカル、ミッションクリティカル領域が対象になるが、ソフトウェア提供によって、ビジネスの対象をエッジなどほかの部分に拡げていけると期待している」とOEM提供の狙いについて述べた。なお、OEM先ベンダーについては現在交渉中で、今後数カ月で発表するとのことである。また今後もBladeFrameの提供は継続し、機能の拡張も引き続き行っていくとしている。



URL
  イージェネラ株式会社
  http://www.egenera.com/jp/


( 石井 一志 )
2007/10/31 16:29

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